これは、継命新聞社より。平成七年に発刊した青少年向けの小冊子「生きて生かされて」を転載したものです、青少年に限らず、一般の方も、仏法のやさしい道理が盛り込まれますのでご参照の程よろしくお願いいたします。
 
若者たちに問う――仏法と現代の社会
 
生きて生かされて
正信会
 はじめに
 
 真実の自己を発見し、その自己を信頼して、勇気と情熱をもって価値ある一生を送ることができたら・・・・・・。
 
 心の奥のほうでは、ほんとうはみな、このような願いをいだいているものです。じつは、こうした問題に真正面からいどみ、解答を見いだそうとするところに私たちの信仰があるのです。ところが、現実の複雑な社会のなかではどうしても外の世界でひんぱんに起こっていることがらに目をうばわれ、自分の心を見つめる余裕がもてません。
 
 もともと、私たちはもれなく、他の人をいつくしみ、その幸福を願うという強くて易しい心、あらゆる困難に負けず、そこから逃げ出さない、また悪を許さない正しい心をもっているのですから、この心をやしない、みがいて、自分のものとして生きていけば、そこには安らぎが生まれ、また、こうした生き方をする人がふえれば、かならず社会はやさしく、あたたかいものとなっていくでしょう。
 
 現代の社会を見わたしてください。世界に目を向けて見てください。経済の豊かさをほこる一方で、自然は破壊され、公害は問題になり、また世界の各地では戦争が起き、人を殺し合い、家族をうしない、満足に食べるものも口にできず、飢えに苦しむ子供たちがたくさんいます。
 
 この社会には、真実の自己を発見する方法を知らずに、「自分さえよければ、それでいい」「他人は自分が幸せになる手段」というような、欲望をあおるような教え、自己中心の思想にもとづいて生きている人がたくさんいます。今日の社会の混乱は、このような、せまい心によって起こっているといえましょう。
 
 社会に対して、たとえどんなに無関心であっても、日本の国の運命は、そのまま私たちの運命です。同じ地球に生きている以上、地球と私たちは運命共同体です。私たちが世界とのかかわりをもっていることを自覚し、今日の社会を清浄にしていきたいと願うならば、まずは一人ひとりの心を見つめなおし、治療する以外に方法はありません。
 
 仏法は、その治療の妙薬です。それは真実の「強くてやさしい心」をもった人びとを育てるものなのです。強くてやさしい心を発見したい、意義ある人生を確立し、さわやかな個性を発揮していきたい・・・・・そんな願いを心に秘めながら、悩んでいる若い人達に、ぜひ真実の仏法を、正しく学んでいただきたいのです。
 
 この小冊子は、将来の日本を背負い、また世界に羽ばたく若い人達に、これからの社会のありかたや人生の意義について、真剣に考えていただきたいと願って作成しました。
 
 
目        次
 
はじめに
 
第一章 今日の世相と青年
 
◇高齢化社会と人間関係       ◇誠意と信頼の尊さ
◇心の荒廃と争い
 
第二章 人を思いやる心
 
◇他と共に生きる。         ◇大切な自分
 
第三章 自分を発見しよう
 
◇人として生まれる。        ◇子となり親となる
◇何のために生まれたか       ◇生きるということ
◇つくられてる「からだ」      ◇人生の終着点
 
第四章 生き方を学ぶ  
 
◇生きる姿勢            ◇現実を見つめる
◇正しくものを見る
 
第五章 信ずるということ
 
◇信によって成り立つ        ◇信仰は人生そのもの
◇社会現象は心の投影        ◇人の心を治療する
 
第六章 日蓮大聖人と富士門流
 
◇歴史に登場する「日蓮」      ◇青年期の大聖人
◇迫害を乗りこえて         ◇大聖人のお弟子
 
第七章 日蓮大聖人の教え
 
◇正しい教えに学ぶ         ◇寺院は修行の道場
◇正信会の寺院           ◇それぞれの個性
◇お題目を唱える          ◇仏法を信ずる
 
付・正信覚醒運動の意義
 
 
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