福井のまちを考える
          福井の良さを満喫するために、いろいろ考えをめぐらせて見よう

迎春 2003 03.01.01
迎春 2002  02.01.01
迎春 21  01.01.01
バスと電車に乗って公共交通を考える  00.12.01
ふたたび子供とまちづくりを考える  00.11.02
ターミナルを考える     00.8.27
  まちづくりとNPOを考える  00.4
  歩くことを考える  99.10 00.8更新




 
 
 
迎春 2003
03.01.01作成

 この一年は、21世紀の幕開け第2幕、相も変わらず多忙な一年でした。
 市町村合併では、市町村の真の自立が求められているものの、単なる人口規模の数合わせやこれまでのしがらみに振り回されている市町村、それをさらに煽る国など、チャガチャガ(福井弁)ですね。規模だけではないはずなのに。地域の経営のビジョンを誰も描けないことが、この悲劇を生んでいるのではないでしょうか。
 仕事では、業界のダンピング合戦の泥沼状態が続く最中、プロポーザルやコンペが少しずつ増え、まだまだですがそれなりの成果があがっています。総合技術監理の経験問題も、このタダ?の仕事を利用しました。鯖江型QBS(資質評価)方式では、まさに個人の資質が問われることになり、個人の自立と連携の上に我々コンサルタントの生き残りの道が築かれていくことになるだろうということを痛感いたしました。
 恩師玉置伸a先生の遺稿集が1周忌に発行。その表装には娘のデザインを使わせてもらいました。また、この取り纏めに関わったメンバー、記念式典に駆けつけたメンバーに、玉研魂を見ました(ここでCMタイム:遺稿集をまだ入手されていない方は在庫がございますので、私まで是非ご連絡を)。半年延長された福井大学の非常勤講師「大学院:都市論」の講義では、松葉杖で不便なことを口実に、メールで毎週課題を出して、それを利用して講義の材料にしたり、それを積み上げて各自の都市論をまとめさせたり、でも、足も治った7月には現場主義を通して「蔵の辻」の「町屋倶楽部」で集中講義。私も一緒に都市をもう一度原点から見つめ直すことができました。
 オリエンテーリングでは、3月の京都東山で行われた全国大会M50Aで念願の規定時間入り達成。帰宅後、友人の病院で骨折が判明、翌日から、松葉杖で仕事にいくはめに。その後机上活動が主力、OCADで足羽山の地図リメイクを開始、視力低下。
 バドミントンは約30年ぶりの同窓?会、活動は五十肩に続く骨折で、休止継続中。
 市民活動の「ふくい路面電車とまちづくりの会(ROBAの会)」は2年目を迎え、特技?を生かして、電車バスMAPを担当、ただいま作成中(HPを参照)。みんなで分担してバス停調査をしたり、ROBA認定の優良バス停をピックアップしたり、かわいい認定マークもできました。Rは屋根付バス停です。Oは何でしょう。ベンチ(B)を地域の人がバス停に置いたり、案内接近表示システム(A)が必要でない側に設置してあったり、いろいろなことが見えてきました。私のマッパーとしてのこだわりは、きちんとスケールを入れた下図の上に描き、デフォルメしないことです。もちろん、運行情報なども入れて、利用者の使い勝手や見やすさを最優先することが第一です。この年末年始は仕上げにかかりっきりかな。(答え O:広い歩道HODOー)
 末尾ではありますが、皆様とのネットワークの深まりを得ることができたことは、何事にも変えがたいことで、深謝いたします。本年もよろしくお願いします。
2003.1.1 



 
迎春 2002
02.01.01作成
 この一年は、21世紀の幕開けというにはあまりにも多忙な一年でした。
10大ニュースを選ぼうにも順位をつけられず、月順に並べてみました。
こうやってみると、私にはとりわけ暗い話が多かったようですけど、
それをバネに今年は皆様にも、私にも夢多き年にしたいものです。

・1月:33人の町内会長。その後、子供神輿、2度の葬儀など例年にない忙しさ。
・2月:市民活動組織「ふくい路面電車とまちづくりの会(ROBAの会)」が
地方の公共交通のあり方を考えて行こうと発足し、幹事として参画。
発足間もない京福電車の2度目の事故により、廃線問題が浮上し、一気に荒波に
飲み込まれて行くことになった。
・4月5日:親しくしていた従姉妹が病死、ひとつ年下
・5月:月見地区内9町内会合同の子供神輿(総責任者)
・6月:常務取締役就任、プレーイング・マネージャーの道を模索
・8月:特定非営利活動法人(NPO法人)都市計画家協会成立
・9月2日:自宅前の火事。目の前で子供二人が命を落とす、命のはかなさ。
消火栓や防火水槽など、防災計画が現実に機能しない虚しさを痛感。
いまでは、焼け出された家族も、ようやく1kmほど離れたところに落ち着き、
女の子も越境通学をして、もとの学校に通って元気にしていることが、家族の
支えになっているようです。
・9月10日:コンサルタントの中島一照さん死去。
いろいろな都合で何度も延び延びになっていた東京への出張が、ちょうど葬儀
に重なるという不思議な縁も。仲間とも、頼ってばかりでなく自立せよとの
ことなのかなと、お互いを励ましあう。
・10月13日:恩師玉置伸?先生死去。おおきな課題として残された「都市計画」
の講義では、都市とは何か、計画するとは何かというように、これまでやって
きた都市計画をもう一度原点から見つめなおす良い機会を得ることができました。
学生には帰省中に各自のふるさとを踏査してもらい、現地主義を実感してもらっ
ているはずです。
・10月のトランジットモールの社会実験には、ROBAの会も電車の活用イベント
を共催(電車でオリエンテーリングなど)、公共交通の再認識に関して一定の成果
を得ることができました。
・11月:東日本大会オリエンテーリング大会(競技責任者)。奇跡としか言いよう
のない良好な天候にも恵まれ、800人の参加者を得て無事開催することができました。
・仕事は例年以上あるにもかかわらす、経営的には毎日遅くまで残っても追いつか
ない状態。複数の県マスタープランを受注。地方分権のなか、県と市町村の自立が
求められているものの、課題は山積。複数のコンサルで分割して受注をしている
ところでは、北陸のコンサルの技術者同士の交流がうまれはじめました。
井の中の蛙から脱皮しなくてはとおもっています。

 末尾ではありますが皆様とのネットワークの深まりを得ることができたことは、
何事にも変えがたいことで、深謝いたします。今後ともよろしくお願いします。

2002.1.1 

 



 
 
 
 
 
 
 


 
迎春 21
01.01.01作成

 昨世紀は大変お世話になり、ありがとうございました。

 地元福井市では、TMO(まちづくり福井)が主催した「路面電車とまちづくりフォーラム」が3回にわたって開催され、全国各地の活動家の参加、市民の乗車リポート等、好評のうちに終了しました。

 また、それを受けて「(仮称)路面電車とまちづくりを考える市民の会」が発足し、継続的な市民活動をおこなうことになりました。民間主導のまちづくりの糸口が、少し見えかけた年でした。

 私も発起人の一人として、路面電車やバスを利用し、いろんなところを歩きまわり、みんなと大いに議論することから、まちづくりを考えていきたいと思います。
 

 また昨年は、市町村マスタープランについて、町村を中心にお手伝いさせていただきました。地方の小さな町が次の時代の新たな住まい方を提起し、その空間づくりを実践している様を実感しました。

 また、今年は法改正に伴う県の都市計画マスタープランもスタートし、ますます地方の知恵と工夫がその地域の将来を左右し、計画やプランナーの果たす役割が重要になってくると思います。

 私も微力ながら、住みよい地域づくりのお手伝いが出来るよう努力したいと思います。

 2001.1.1
 




 
 
 
 
 

バスと電車に乗って公共交通を考える
00.12.01作成

 「すまいる」号がこれだけ受け入れられた背景には、福井のまちづくりにおける、知恵と実行力として誇れる、いくつかの重要な点が散見される。

 ひとつには、民間サイドからの発案及び実行が、バス会社を除いて、商工会議所、商店街、福井市と順次引き継がれて、現在のTMOにいたっていること。つまり、民間主導のまちづくりが、地元や行政を動かし、官民一体となった「まちづくり福井梶vにバトンタッチされてきたのである。このようなまちづくりの火を消すまいとして必死に繋いできた関係者の努力は高く評価でき、現在さらに増幅しつづけている。

 もうひとつは、あたりまえのことだが、沿線の住民に大いに受け入れられたこと。こういう盛り上がりは、えてして実験のときだけのブームで、今度も尻すぼみになってしまうのではという大方の予想を、見事に裏切ってくれた。また、運行のリレーが途切れそうになると、何とか残してくれ!の大合唱。住民の熱い思いが存続の道を切り開く原動力になったのではないだろうか。

 北周りの第一ルートに何度か乗ってみたが、確かに高齢者や女性が多い。運転手も女性で、対応もやさしく、運転もゆっくりとしている。これに乗る人たちは、一分一秒をあせっている人はほとんどなく、車内全体が、のんびりした雰囲気だ。雨の日や風の強い日、肌寒い日に、ゆっくりとでいいから目的のところまで運んでくれる、こんな交通手段があっていいはずだ。

 東京など高齢者フリーパスを発行しているところでは、一駅か二駅だけでも、ちょっと買い物袋をぶら下げて乗ってきて、あるいは釣りざおをもって入ってきて、すぐに降りていく。歩くための補助手段になっているようだ。高齢者の行動をみんなで援助し、負担し、支援する。こうすれば、副次的効果として、高齢者の足腰も丈夫になり、また、下町の商店街も少しは潤うのではないか、困っているのは中心商店街だけではないはずだ。

 このような交通手段を、個人の負担だけに頼って存続を考えなければならないのだろうか。利用したい人たちが、必要なだけ充分に利用できる交通手段として確保してあげて、いずれ自分たちもそれを利用する。そういう豊な地域社会を、つくって行かなければならないのではないだろうか。

 公共交通存続のための乗る運動をやってはいるが、皆が無理をして切符を買ったりしても、買うだけで乗らないのでは長続きしない。利用する人たちが、本当に喜んで利用できる環境をつくり、利用者を増やすことが本来の目的のはずだったのでは。残そうとするために、残すことが目的になってしまっているように見えるのは、ちょっとうがった見方だろうか。コミュニティバスについても、乗合バスにしても、バスの運行や運賃、性能、機能だけを考えるのではなく、バス停をふくめて利用したい人の行動を総合的に考えて、利用者の足にしていかなければならないのではないか。たとえば、バス停にベンチが少なすぎる。駅前の市内バス乗り場のベンチは、住民の意見が取り入れられ、それなりに充実したが、街なかのバス停にもベンチが欲しい。バスを待つ間に日向ぼっこ、散歩をしている人もちょっと一休み、風の強い日も時間待ちが苦にならないような、そんなコミュニティバス停が欲しいものだ。

 先ほど開かれた路面電車とまちづくりを考えるフォーラムに、電車に乗って出かけた。一回目は岡山市や豊橋市、最終回には金沢市、高岡市から、地元の活動家を招いて、最先端の、住民主導の取り組みが紹介された。数多くの難関を乗り越えて、資金も住民の間で調達し、アイデアいっぱいだ。市民が自らの手で、車に奪われた「みち」を自分たちのために取り戻す。市民主体の組織づくりの中に行政参加をうながしていくという。

 二回目には四チームの突撃市民踏査隊による現地レポートの報告が行なわれた。
  A班:「路面電車はまちづくりと共存できるか」    
  B班:「ひろみちゃんとおかあさんの電車はじめて物語」
  C班:「乗ってきました、福武線」活かすアイデア   
  D班:「撮ってきました!福武線」二〇〇一年の黒字作戦
OHP、パソコン、スライド、ビデオなどいろんな手段を使って、問題点や活用のためのキーワード、活用方法の提案、今でもできるアイデアなど、これまでにない新たな視点も交えながら、報告された。これまでに参加したフォーラムの中でも数少ない、盛り上がったものになった。市民パワーの今後に大いに期待がもてる、確かな手ごたえを感じた人も多かったのではないか。

 また、最終回にはこのフォーラムだけで終わらせたくないという人たちにより、「路面電車とまちづくりを考える市民の会(仮称)」が発足され、今後の市民活動の広がりが期待されている。

「ピーチクパーチクNo.3」より

 




 
 
 
 
 

ふたたび子供とまちづくりを考える
00.11.02作成

 去年、総合教育で自分たちのまちづくりを考えた子供たちが、今年は5年生になって、今度は自分たちの公園づくりを考えたいという。私に与えられた時間は、45分。じっくりやったら、大人たちでも3,4時間かかってしまう。
 そこで、全体の流れを示してあげて、その一部だけをやることにした。どの部分が最も効果的で、かつ飽きずに楽しくやってくれるのだろうか。
 全体の流れは、世田谷などでやっている、公園ワークショップを参考に次のように考えた。

1.誰が使うどんな公園がいいか
 公園物語づくりゲーム
 ・公園は、いつ、誰が、どのように使うのか、24時間を考える
 ・目標カード(ポストイットPIカード)に書いてはる(1枚に1つだけ)
 ・たくさんはられたら、よくにたものを集める(グルーピング)
 ・そのなかからどんな公園にするかを多数決で決めていく(旗揚げ方式)
 ・最後に名前もつける
 道具:白紙下図、PIカード

2.どういう公園を作ろうか1
 敷地割り振り陣取りゲーム
 ・ダンボールに模造紙をはる
 ・上のほうに大きく公園の名前を書き、公園敷地下図をつくる(北を上)
 ・作りたいものを施設カード(PIカード)に書く(1枚に1つだけ)
 ・書いたものを下図の好きなところに貼り付ける(何枚でも)
 ・みんなの意見が出揃ったら、貼りなおしながら多数決でまとめる
 ・意見がまとまったら、敷地の割り振りを白図に書く
 道具:ダンボール、模造紙(公園敷地下図)
    人間サイズの人形又は代用品(スケール感覚をつかむため)
    (山奥公園ならタイトルと余白を取ると100分の1ぐらいです)
     PIカード

3.どういう公園を作ろうか2
 起こし絵づくりデザインゲーム
 ・物の大きさを考えて色画用紙を好きなように切り抜く
 ・平面的なものは図の上にはりつける
 ・立体的なものは起こしてはる
 ・遊んでいる人たちのようすも、はると良い
 道具:前回作成した公園敷地割振図
    色画用紙(起こし絵用)
    起こし絵切り貼りシート(木、人などを作らせてもいい)

4.こんな公園をつくろう
 模型づくりデザインゲーム
 ・起こし絵だけでは表現できない面白い遊具などの模型をつくる
 ・紙粘土などで立体化してもよい
 ・出来上がったら撮影(子供の視点から)
 道具:前回作成した起こし絵公園
    発泡スチロール、箱、ペットボトル、スポンジ、
    紙粘土、絵の具
    ビデオ(ジオラマ撮影)、カメラ

 いろいろ考えた結果、この流れの中で、授業前に現地の観察(実際の公園を対象にした方が実感しやすい)し、公園のテーマと名前も考えておいてもらうことにした。
 当日は公園の話をして、ポストイットカードを使って、公園物語づくりゲームと、敷地割り振り陣取りゲームをみんなで、ちょっとだけやることにした。はたしてうまくいくか?不安がよぎる。

 確かに時間がない。
 児童公園から街区公園に名前も変わってから、いろいろな公園ができ始めており、みんなの知恵を出して、楽しい公園をつくって欲しいこと。木のいっぱいある公園、雑草のある「ねこじゃらし公園」、プレイパークなど、いろいろ紹介して、アイデアを誘う。また、スケールのことも話しておかないとということで、100分の1とはどれくらいか、人の大きさとか、木の高さなどで大まかに知ってもらった。

 もう10分しか残っていない。
 ポストイットカードが、みんなの意見をまとめるのにいかに役立つかを実感してもらうために、作りたいものを各自一つずつ書いてもらって、黒板に張り出してもらった(5分)。全員張り出したところで、あら不思議といいながら、似たものを集めてグルーピング、ついでに敷地割りまでやってしまった(5分)。皆あっけにとられながら時間は来てしまったが、ダンボールの敷地割りの上に、起こし絵をしたり、さらに模型にしたり、またそれを目線から撮影したり、あとはみんなにお任せということで時間切れ。心残りだが仕方がない。

 それから2週間後、写真と一緒に発表の案内をもらった。すごい、みんな立派にできている。
福井の未来も安泰だ。皆さんも時間があれば見てやってください

 


 




 
 
 
 
 

ターミナルを考える
00.08.27作成

 先日,小牧市へ行った時に,JR岐阜駅から,名鉄に乗り換えようとしたのですが,連続立体交差になった駅構内に,当然乗り入れているものだとばかり思っていた名鉄が入っていません。あいかわらず500mほど先の新岐阜駅まで,炎天下を重い荷物を持って歩かされる羽目になってしまいました。車の方が便利だよと忠告してくれた人のいっている意味が,身に染み(が出来るほど汗し)てわかりました。

 同じようなことは,先だって完成した武生駅前の整備についてもいえます。福鉄武生新駅からほんの200mだけ延伸すれば武生駅前広場に顔出しでき,用地もJRの引込み線を利用したり,足りなければ建替えた平和堂の1階部分に組み込むことも出来たはずなのに,実現しませんでした。乗り換えもスムーズになって利用者も福鉄,JRともにお互いに増えるはずだと思うのですが。地元商店街の反対も,元の駅は素の駅で残せば良いはずだと思うのですが,利用者の便を図り,利用者を増やすことを第1優先にしなかったことに問題があるのではないでしょうか。

 夜の7時には明かりが消えてしまうような暗い商店街を歩かせて,電車で帰ってこいとはいえないお父さんは,駅まで迎えに行かないといけないので,晩酌も出来ない。乗り継ぎ利用者やそのお父さんのために,最終電車まであかるくにぎわう商店街をお願いします。

 これは,これから正念場を迎える福井駅前についてもいえることです。ヒゲ線だなんだといっている福鉄福井駅前線は,福井駅構内に乗り入れて初めてその役割が何倍にもなって生きてくるはずです。福井駅まで乗り入れれば,乗り降りの障害物も,無くすこともできるし,すっきりするはずです。また,京福線との乗換えにも対応できるし,それで始めてターミナル駅といえるようになるのではないでしょうか。福武線の最終の9時50分には,福井駅前商店街はもう真っ暗。横のアーケードの下で待っている人たちも,不安げだ。これが県都のまちづくりとは寂しい限りですよね。
 


 



 
 
 
 
 

まちづくりとNPOを考える
2000.4. 作成

 そもそも、まちづくりとは何なのか、NPO法の成立にあたって、もう一度原点に戻って考えてみたいと思います。

 まちづくりといっても、今に始まったことではなく、大げさに言えば人類が定住をはじめたときには、すでに始まっていたといってもいい。わたしたちの日常の生活行動が私たちの住むまちをつくり、まちを育て、隣人とのかかわりがコミュニティをつくり、隣の家屋とのかかわりが街並みをつくってきたのです。

 行政のおこなう都市建設活動が、都市基盤(インフラストラクチャー)を整備するのに対し、まちづくりとは、わたしたちの行う建設活動と定義することもできる。すなわち、わたしたちは土地を買うか借りるかして手に入れ、自分の住む家や貸家を建て、店舗や事務所、工場を建て、看板を立てたり、塀や生垣をつくり、自分たちの生活の場としての都市空間をつくってきた。むかしは、地場の産材と技術で家を建てたために、建ち並ぶ家には共通する点が多く、歴史的街並み保存地区といわれているところは、それが残そうとした共通の価値意識の高さを称えるという意味であろうが、あるいは現在まで開発の手が伸びずそのまま残ってしまったという意味であろうが、その地区の人たちのまちづくりの証拠であることには間違いはない。

 また、行政がおこなっている都市計画制限は、産業や建設技術の発展に伴って、そこに住む人たちの漠然としたむかしながらのルールだけでは、良好な環境の確保や維持が出来なくなったために、やむを得ず法律という手段をとって建設活動を誘導しているのである。公共のルールは、行政の専売特許のように思われているが、決してそうではない。むかしも統制令などはあったようだが、コミュニティが薄れてきたことが、まちづくりへのかかわりを弱くしてきた要因の一つである。

 となれば、生涯学習の中にまちづくりへのかかわりを期待するしかないのだろうか。また、それもだめなら子供のころからの基礎教育の中、まちづくり教育や環境教育に期待するしかないのだろうか。でも、生涯学習は、老人大学、○○教室などという学習の域を越えて、ボランティアなどの実践活動に発展してきたことが、今回のNPOのベースになっていると思う。一方で、子供の総合教育への取り組みが盛んだ。学校内にとどまらず、地域に、まちに繰り出して、いろいろな問題を実際に体感していこうという取り組みは、結果的に、まちづくりの担い手養成になるのではないだろうか。大いに今後を期待したいものだ。

 また、NPOが認知されると何でもNPOで解決されるという安易な雰囲気が生まれるのはこまる。ボランティアもそうだが、特別のことのように扱われて、日ごろのちょっとした気配りや心がけが、本当は一番大切なのだということを忘れてはならない。

 そのためには、もっと自分の住むまちに関心を持ち、かかわりを強め、花を飾り、木を植え、まちにかかわる行動を起こせ! 子育て奮闘中なら子供と一緒に、子育て卒業なら生きがいと地域貢献に、自分の住むまちとかかわれ!! 
一人の人間が出来ることをやろう、それがまちづくりの原点であり、NPOの原点でもあるのではないでしょうか。

 このようなまちづくり活動が、日常性を超えたところまで広がってきたときに、その活動を認知、保証したのがNPOだと考えると理解しやすいかもしれません。
 

                                            「ピーチクパーチクNo.2」より
                                      



 
 
 
 
 

歩くことを考える
                                                       08.16追加
                                              2000.02.22更新
12.23更新
1999.10.26作成

 福井市の昭和30年代は、全国の都市計画の先進都市、全国の都市行政担当者の視察が相次ぎました。都市計画道路、公園、下水道の整備率,市街地の土地区画整理の整備率,県庁所在地では全国一の整備率、この市街地整備率のよさが、住みよさ日本一にかがやく原因といえる。そのため,道路や、公共の施設が充実していて、車で便利な、住みよいまちという評価を得ている。これは,大いに誇っていいことなのです。(福井弁:もっとえばってもいいんやざ。)

 実感がないとみなさんはよく言われますが、全国の都市のまちづくりコンサルティングをしていると、いろんなところを見ていてわかるのですが(200以上の都市を見ている,こんどMAPにまとめたいとおもっている),これほど問題のない都市はありません。たとえば、渋滞がない。あれは単なる信号待ちに過ぎない。ところが、問題がないのが、問題だとさえ言う人がいますが、他の都市にとっては、贅沢な悩みです。
 ・商工会議所がはじめた、福井市内のコミュニティバスも、道路をまったく改  良せずに走らせることができた。
 ・城の橋通りや、東通りの電柱の地下埋設も、家を一軒も移転せずにできた。
 ・いたるところで、バリアフリーの歩道改良を進めています。
 福井市にはこれだけ豊かなストックがあるから、自由にできるのです。

 ・便利さを満喫したいなら:車で、
 ・自由に歩き回りたいなら:歩きか自転車で
   (福井では決して道に迷いません)

 私は、毎日違うルートを通って、自由に歩きまわれる福井のまちが好きです。通勤の途中でも、晴れた日にはちょっと寄り道したくなるし、あいた時間があればちょっと足を伸ばしたくなるし,昼休みに天気がよければ15分ほどでも歩いてみたくなる、そんな福井のまちづくりをしたい。いや,福井はすでにもうそういうまちづくりができているのに,みんなに知らされてないだけではないだろうか。みんなが気付いていないだけなのではないか。
 
 福井の本当の豊かさを実感するには、歩くか、少なくとも自転車で移動しないとその良さはわかりません。車も確かに便利なのですが、それ以上に、安心して、迷わずに、車のこない区画道路(歩行者優先道路と考えればよい)を、自由に歩き回れる都市というのは、全国でもほんとうに少ないはずです。

 大通りの歩道では、これを満足できません。裏通りでなければなりません(もうちょっといい名前が欲しい)。実際に自分の足で歩くと、まちのにおいを感じ、いろんな音が聞こえてくる。稲を刈ったあとのにおい、草むらの虫の声、道端に咲く花、庭の沈丁花が風に乗ってかすかに鼻をくすぐる。

 福井は、このような,まちなかの自然を、季節に合わせて好きなように、自由気ままにブレンドできるのです。自分の好きなルートを、自由にそのときの気分で選べる,これぞまさしく、MY WAYです。
 ・FREE WALK CITY,
 ・自分のお気に入りの道MY SWEET ROADをつくれるまち,自由に歩き回る道は、
   歩くことの楽しさを見つけた人が自分で決めましょう、
   探して回りましょう、
   こっそり親しい人に教えるのもいいでしょう、
   自慢してみんなに教えてあげてもいいですよ、
   他の人には内緒にしておくのもいいでしょう、
 ・楽しいまちの演出は沿道の人たちで競い合って作りましょう。
   自分の前の道をお気に入りの道にしてもらえるように
   花や緑の豊かな都市にすることもみんなでやれば簡単です
   庭や店先に花を植える、維持管理はみんなの手で

 福井のまちに,まちの楽しみ方に,裏通り?でない歩きたくなる道に,
 いい名前を付けてください。好きな道筋を教えてください。
 
 

 追伸:
 99/11/27.28の「ふくいあかり物語」は,すてきな福井の一面を見せてくれましたね。その道筋の人たち、あなたの前の道をいつも明かりをともしてみませんか。

 「コミュニティバス」が再開しました。また、2つ目のルートも試行されています。少しでも歩くための手助けになればと思います。この沿線のお勧め歩行ルートを募集します。
 募集だけでも駄目だと思うので、わたしも歩いてみます。

 「路面電車とまちづくりを考えるフォーラム2000」が開催されました。
 これも、少しでも歩く手助けになればいいね。各駅からの、お勧め歩行ルートも必要ですね。ところで、JRも各駅からのぶらリ散歩だったかな、そんなのやってましたよね。
 どんどんふえるといいね。たのしくなるね。

 自分たちの子供のころには、小川や、原っぱで自由に遊べた代わりに、今の子供にも、地域のまちづくりに自由にかかわれる環境を用意してやれるようになったらいいなというのが、私の夢です。

 


 
 
 
 

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