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ちょっと真面目な太鼓持ち論

(2)芸者さんの中に男芸者が居ます

 

 


 

 

 何故そのように芸者さんや舞妓さんとお座敷で遊ぶのが大変かと申しますと、基本的にお客様は一流の経営者とか著名人や実力者の方達でございますので、対外的に常に一挙手一投足に注目されて気の休まる場所が無い、ホッとされ楽しく飲める場所とそのお相手をされる人を求められるのに応えて、宴席の中であった事は絶対に口外されない、そのお茶屋で会ったお客様同士も他では中であった事は一切話さない事を熟知され完全に実行されている人や場所を提供している(と、言ってもお座敷の中で人様に言えない違法な事をしているのでは無く、気を抜いてリラックスして多少のアホな事やたわいも無い事をして遊んでいるだけですが)のがお茶屋さんであり、「一見さんお断り」のしきたりをご存知の人達である事を求められているので、ある程度の心得や支払い能力が無いと難しいのです。

 普通に「ご宴席」と申して一般の人達でも経験出来ます宴席お遊びは、大広間でお客様が数十人の中に芸者さん数名で踊りを披露しお酌などしながらお話の相手をして座持ちを致しますが、本来の「宴席お遊び」となりますと八畳間から十畳間(13平米〜17平米)ほどの畳のお部屋で、基本的にお客様は一人に、座ったままで芸事をされる地方(じかた)さんと呼ばれる芸者さんが三人(三味線と太鼓と唄を担当されます)と立方(たちかた)と呼ばれる舞いを担当する舞妓さん二人か又は芸者さん舞妓さんの二人の舞いでお遊びされます、お客様が多くても二〜三人でお客様の両脇に芸者さんや舞妓さんが居られる状態でお遊びになられますので、お客様より芸者さん舞妓さんの数が多いのを「お座敷遊び」少ないのを「ご宴会」と区別しております。

 そんな高級「お座敷遊び」の中にはじめて男芸者と言われる「太鼓持ち」が入ります、お茶屋のお座敷で旦那様(お客様の事で、仏教用語でお布施をする人の事でしたが、奥様がご主人を呼ばれる時や芸人がお客様を呼ぶ時に使いまして、お座敷ではお客様のお名前は言わずに旦那様と呼び、他のお客様に聞かれても誰だか解ら無い様に気配りされております)がお一人、横に芸者さん一人と地方(じかた)の芸者さんが三人に立方(たちかた)の舞妓さんが二人の計六人と太鼓持あらい一人の合計七人の「迎え七福(むかえしちふく)」(七福とは「七福神(しちふくじん)」の事を言い、日本では幸福を招く七人の神様で男神が六人、女神が一人で構成されております、その男女逆の数の芸者さん舞妓さんの女性六人と太鼓持ちの男一人の七人の、陰陽和合の形で七福神を迎えるので「迎え七福」と申します)の形にお客様お一人の八人の「末広がり(すえひろがり)」(日本では数字8の字は漢字で「八」と書き、下に行くに従い広がるので末は良くなる縁起が良い数字とされており、これを「末広がり」と申します)でお座敷遊びされる時にはじめて太鼓持ちが入りお遊びのお相手をさせて頂くのが本来の形なので、一般の方達が見る機会は皆無でしょうね。

 芸者さん舞妓さん達の優雅な舞いやお唄の後に太鼓持ちの艶っぽい話や芸で、お遊び全体が盛り上がったり落ち着いたり緊張したりリラックスしたりのメリハリの付いた遊びとなり、時を忘れて優雅な虚構の世界を浮遊して楽しんで頂きますが、今ではそんな豪華なお遊びをなされる方は少なくなって参りましたので、私は消えかかっている太鼓持ちそのものの存在を知って頂く為にも、芸者さんや舞妓さんが入って居なくても、大勢様のご宴会でも、ご自宅で御婦人達だけのお遊びにでも、ご要望があり条件が合えばどちらでも行かせてもらって、お座敷遊びの歴史文化や心得をご伝授する基礎知識をまず聞いて頂くお話をして、質疑応答などしてからお座敷ご宴席で太鼓持ち遊びを体験入門して頂いて、本来の「お座敷遊び」を垣間見て頂くと同時に男芸者の「太鼓持あらい」の存在をご理解して頂いております。

 ちなみに太鼓持ちは激減致しておりますので、「太鼓持あらい」は自宅を検番(事務所)と致しており、直接お客様やお茶屋・料亭・ホテル様からご依頼を受けて、宴席や講演・結婚式・祝賀会などに呼ばれて行っております。

 

 



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