「ROBAの考えた福井の公共交通」
ROBAの会で話し合われた意見、会に寄せられた意見、をまとめたものです。

NEW 01.06.19
 

ROBAは福井の公共交通を、利用者の立場から考えて提案し、
使いやすいものにしていきたいと思っています。
 皆さんの提案(食料)もいただき、それを消化し、
日々進化させていきますので、
この資料への情報提供をお願いします。

     
roba@mbh.nifty.com
hhayashi@mitene.or.jp
       
  
             【目 次】
  
 [第1編] 福井における公共交通の有効利用提案
  1 ROBAの産声
  2 福井の先達の提案紹介
  3 現在の事業者による改善努力の紹介
  4 ROBAの会からの新提案  
  5 その他の提案(福井でもできそうなこと)
   
 [第2編] 国内外の先進事例に学ぶ福井の路面電車の今後
  1 福井におけるLRT導入構想
  2 世界における路面電車
  3 日本における路面電車
  ★ ロバのひとりごと
  
 [第3編] 知られていない「京福線存廃問題の本質」
  
                           製作:ROBAの会
  
     



 

 
 
3.現在の事業者による改善努力の紹介

3−1 イベント・乗車券の工夫(京福電鉄編)

 ここでは、京福電車利用推進センターホームページより電車利用実例を紹介します

京福電車利用推進センターホームページ




3−2 新駅建設・ダイヤ改善(福井鉄道編)

★昼間の急行をやめ、普通電車を20分間隔に
 
 

 福井鉄道は、福井市と武生市を結ぶ福武線で30日からダイヤ改正し、昼間の急行電車を普通に切り替え、20分間隔で運行する。昼間の急行はこれまで1時間に概ね1往復運転しているが、急行の利用客が少ないため、午前10時から午後4時までの間の15本を普通に変更し、この時間帯は普通電車を20分間隔で運行することにした。福井鉄道では、「買い物客を細かく拾うことで、利用客増につなげたい」としている。
 またこのほか、1日平均950人の乗降客がある浅水駅を新たに急行停車駅とすることにした。(1998-11-21)                                                                         「福井の公共交通、トピックス」より

★駅を新設
ハーモニーホール駅:
 ここはハーモニーホールができたときに新設された駅である。それまでは浅水・江端間が最も駅間距離が長かった。ハーモニーホールの巨大な屋根は浅水駅からも見える。
JRでは、大土呂駅から公的交通機関がない上、歩いて30分以上かかり、かえって不便です。
 
 

ハーモニーホール
ハーモニーホール駅
ベル前駅

ベル前駅:
  江端駅を出るとすぐに片面ホームのベル前となる。ここは平成元年に平和堂をキーテナントとした巨大ショッピングセンター・ベルができた時に花堂南という名称で新設されたがベルへの利用客を増やそうとベル前という現在の駅名に改称された。休日のみ駅員が配置され、乗車券の販売や集札業務を行う。
 
 

3−3  コミュニティバス:すまいる号

   私たちの身近なところを小さなバスが走る。停留所もあまり離れてなくて、30分ごとにやってくる。覚えやすくて、親しみが湧く。「このごろ、出て歩く機会が増え、健康になったように思う。」という声が、お年寄りの居る家庭からも聞こえてくるようになりました。100円という安さ、手軽さだけでなく、乗る人の立場にたった運行なども人気の秘密ではないでしょうか。

鰍ワちづくり福井,ホームページ:すまいる号





3−4 パーク・アンド・ライドの推進

 パーク・アンド・ライドとは、最寄り駅までマイカーを使い、P&R駐車場に駐車(=パーク)し、電車やバスに乗り換えて(=ライド)、勤務先まで通勤するシステムです。

 福井県内数多くの駅では、気軽にパークアンドライドができるように、駅前に駐車場を備えています。

 JR北陸線・福鉄電車・京福電車の数多くの駅には、電車利用の人のための駐車場が用意されています。積極的に利用しましょう!
   

JR北鯖江駅
福武線 水落駅

3−5 駅の活用(施設の併設・連携)

 電車は「乗るため」のものですが、駅は「電車に乗るための場所」以外にも様々な使い方ができるはず。「移動手段」と「施設」を融合する試みがすでに県内でも実行されています。「こんな施設から電車が発着したら…」という構図を思い描いて見ると、例えば、公民館、ミニシアター、ファミレス、スーパー、観光施設・…・・etc意外と実現可能なことなのです。そうすれば公共交通の便利さの可能性を広げることができます。その一例を紹介します。

★ 福井鉄道 福武線 西鯖江駅&桜町公民館
 
 

福井鉄道福武線 西鯖江駅二階が「桜町公民館」となっている。
駅と公共施設を併設した例である。

★ 京福電鉄 三国芦原線 西福井駅&平和堂
 
 
 


 

★ JR越美北線 九頭竜湖駅&「道の駅九頭竜」
 
 
 

これまでJRの駅と地域のセンターが併設していた九頭竜湖駅前に、自動車の駅「道の駅」が作られて、まさに、総合交通ターミナルになりました。

★ JR小浜線 東小浜駅&福祉施設
 
 
 
 
 

県外の事例(東京都)
★ 東急世田谷線 宮の坂駅&区民センター
 
 

*交通手段は、東急世田谷線宮の坂駅より徒歩0分! 雨にもぬれません。

*センターを出れば、目の前にホームが!

*駅前に古い電車を使った博物館。

(下↓)

(↑上)

 電車の乗り降りが楽なように、ホームをかさ上げしました。左のホームをよく見てください。
 右のホームにもスロープがついています。
 右の電車は、昔走っていた電車を残してあります。
 右の建物が宮の坂区民センターです。屋根には、太陽光発電のパネルが設置されています。


 
 


4.ROBAの会からの新提案
―― あると便利・あんなこと、こんなこと ――

4−1 路 線 図

 福井の電車やバスなどの公共交通はしっかりしたネットワークを持っているのに、それを十分には生かし切れていません。

「電車やバスを使えってゆうても、うらら、どこ走ってるか知らんげの」

 そういう声に答えるために、現在、福井にある全ての公共交通を一枚の図にまとめてみました。それが下の図です。どこか他の都市みたいですね。でもこれが真実なのです。
 
 

「ほんなとこ走ってるんか、ほらあ知らなんだわ。
福井って,ひっでえ都会なんにゃが」
作成中です,ご意見ください
roba@mbh.nifty.com

 

 あらためてこうやって見てみると、その充実ぶりに目を見張る人も多いとおもいます。これを市民や事業者、行政等みんなが見ることによって、福井の公共交通の持っている価値の高さを再認識して貰いたいとおもいます。さらに、これを見た人の意識の中には、福井の公共交通のネットワーク図がしっかりと焼きついて残るのではないでしょうか。今すぐにでも、福井の公共交通の有効活用に向けて、利用者サイドに立った見直しへと方向転換していくための推進協力者・支援者が増えて行くことを期待しています。
 なお、これはすでに三年前に、福井大学の学生グループ(KANN)が作成した物をベースに、今のネットワークに合うように、そのメンバー・関係者が中心となって、加筆修正したものです。
 

○路線図の身近な利用例

●福井県の県民手帳に載せた路線図(ROBAの提案)
 

 県民手帳に東京や大阪の地下鉄路線図を載せるのもいいけど、できれば福井の路線図を載せて、みんなが使えるものにしていきたいですね。そうおもって、持っていた県民手帳に張ってみました。結構いい感じですね。
 
 

福井県の県民手帳に載せた路線図
(これは旧路線図です)

●他にもいろいろありました
 これは、東京神田にある、交通博物館で見つけたものです。入り口近くの売店で売っていたので思わず買ってしまいました。もったいなくてハンカチとしてはつかっていませんが、でも楽しいですよね。いつか作ってみたいですね、福井でも。
 
 

路線図ハンカチ
(地下鉄・JR:東京)
お土産用のハンカチ
(観光マップ:東京)

4−2 地 域 時 刻 表

 公共交通を福井でいざ利用しようとしたとき、その情報の不親切なことに驚かされます。全て事業者の都合が優先されているためで、利用者のことは二の次にされているからです。

「今すぐ電車かバスに乗りたいんにゃけど、何ん乗ったらいいんにゃろ」

 それをすぐに知りたいのが、本当に利用者の欲しい情報なのです。いろいろな時刻表はあるが、事業者ごとにみんなバラバラだから、捜すのに時間がかかってしまうわけです。いろいろ捜して、やっと捜し当てたときには電車やバスが行ってしまったという経験のある人もたくさんいると思います。
そんな利用者の声にお答えしたのが、地域時刻表「ROBA・うちらの時刻表」です。
 
 

   
「ROBA・うちらの時刻表」

 電車やバスの時刻表を地域にすんでいる人が利用する立場にたって、 「福鉄電車」や「京福電車」、「京福バス」や「福鉄バス」、「コミュニティバス」や「福祉バス」、もちろん「JR」も一枚の時刻表にまとめたものです。携帯できるようにも工夫しています。 また、折りたたんで切込みを入れればミニBOOK版になるものもあります。
 自分で使ってみて、そして皆さんの意見を取り入れて、ただいま進化中です。

 完成・改善中:
    福井市月見地区(平日版、休日版)、花堂地区、文京地区、
    田原町地区、 鯖江市西鯖江地区、芦原町芦原湯の町地区

 これまでに申込があった地区:
    光陽地区、木田地区、県立大学方面、森田地区、武生市
  

ただいま、作成協力者、作成希望地区を募集中
roba@mbh.nifty.com
     

 

 これは、ある企業の出張用の早見時刻資料として活用されていたものを、ROBAの会員であるそこの社員が、それをヒントにして、ROBA風に地域住民用にアレンジした物です。地域時刻表としては、ROBAオリジナルです。
 
 

ROBA携帯地域時刻表ができるまで!

 元々は一枚の紙です。
 真ん中に切れ目を入れて・・

(ウラワザ:たたんでから真中をハサミでちょん切ると意外と楽に)

「花堂→福井」「福井→花堂」と両方から楽しめます。
 完 成 !!!
あってよかったー!
地域時刻表

 
 

5 その他の提案(福井でもできそうなこと)

5−1 ハ ー ド 整 備

(1) 相互乗り入れ

●京福電車 ⇔ 福井鉄道
 これまでにもみんなから、何度も、提案されているが、なかなか実現しない。
 いっそのこと、海水浴、三国祭り、芦原祭りなどに武生、鯖江からイベント電車を走らせる。逆に、つつじ祭り、菊人形のときには、坂井郡の方から乗り込ませて、事実を作ってしまおう。

●京福電車 ⇔ JR北陸本線
 鉄道高架に合わせて、経費削減策として検討されている案だが、海外では例示に事欠かない。

●京福電車 ⇔ JR越美北線
 これも、どうせ京福線の高架を作るなら、越美北線の高架も作って、相互乗り入れして、場合によっては、廃線した京福勝山大野間を復活させて、環状鉄道にでもしてしまおうという案。

●福井鉄道 ⇔ JR越美北線
 これは、すでに市販の単行本で提案されている福井の人だけが知らない案。気動車が路面電車に乗り入れ可能な日本の6箇所のひとつにノミネートされている。
  日本で実現できそうな個所(気動車→路面電車のケース)
   ・越美北線から福井鉄道軌道線(花堂付近で接続・同軌間)
例にあげているツヴィッカウ(旧東独)では、電車と気動車、標準軌と狭軌、そして車幅もまったく異なる方式の鉄道どうしが、相互乗り入れしており、筆者も「同じ鉄道であれば障害となるものは何もない」と記している。
(「路面電車―未来型都市交通への提言」今尾恵介、ちくま新書)
 

2)LRVの導入

 (省略)熊本など事例有り
 

5−2  ソ フ ト 施 策

(1)路線図の充実

●目的に応じた路線図の作成
1. 英字版路線図の作成
 海外向け福井観光ガイド、HPに掲載する。
2. 身障者・高齢者用路線図の作成
 エレベーター、スロープの有無、車椅子対応路線か否か、ホームとの隙間や段差が何センチメートルあるかといった詳細な情報を掲載する。
3. 接続交通機関の表記
 タクシー乗場、駐車場、駐輪場の有無、TAXI、P+R(パークアンドライド)、B+R(バイクアンドライド)、空港への連絡手段(小松空港へのシャトルバス路線)を表記する。
4. 各線のアイデンティティ・カラーの設定
 系統ごとに異なる配色をして、そのアイデンティティ・カラーが路線図上のみならず駅案内・時刻表はじめ、すべての関係表示のなかで一貫して用いる。
5. ROBAうちらの時刻表(地域時刻表)とのリンク
 HPで公開し、路線図からROBAうちらの時刻表(地域時刻表)がいつでも取り出せるようにする。
 

●路線図のさまざまな場面での活用
1. 県民手帳への路線図掲載
 今の東京、大阪の地下鉄路線図に代えて載せてもらう。
2. 福井県の鉄道時刻表への掲載
 県総合交通課発行の福井県鉄道時刻表の中に掲載してもらう。
3. 路線図シールの作成
 既存のバス停、電停等の案内板、車内にこのシールを貼る。現状では各線に関する情報しかなく、福井全体の交通網に関して利用者がわからないため。
4. 観光パンフレットへの掲載
 各種観光ガイドブック・観光パンフレットへの掲載。勿論福井市のみならず、路線図中の周辺市町村も含めて行う。
5. 白Tシャツへ路線図をプリント
 公共交通関係職員がこれを着用して、利用客に尋ねられたら、「ああ、こういう風に行けますよ」と自分のシャツを指差しながら応対する。福井市のみならず周辺市町村で販売できるようにし、ROBAのマークも入れれば本会オリジナルTシャツとなる。
6. スーパー等で販売され始めている白い買物袋へ路線図をプリント
 公共交通の利用は「環境にやさしい」という思想とまさに一致するので丁度よいのでは。
7. 白ハンカチへ路線図をプリント
 これを各バス・電車内、お土産屋で販売する。
8. テレフォンカード等、カードの裏面へ印刷
 先ずは地元NTTに相談できないだろうか。
9. マグカップへプリント
 公共施設で積極的に用いてもらって公共交通をアピールする。
10. 路線図入りポケットティッシュ
 ポケットティッシュの中へ路線図を入れ、無料で持ち帰れるようにする。これを各観光案内所、地元銀行等、あるいは県外からの新入生の集まる大学機関の窓口へ設置。
11. 地元誌「うらら」上で定期的にカラー版を掲載
 「うらら」などの地元誌上で定期的にカラー版を掲載する。雑誌上にある催し物案内等のコーナーもこれに連動させて、「会場へは何駅または何バス停から徒歩何分」という表示を加える。
 

(2)運賃システム等の改善

●運賃システムの改善
 ・ゾーン運賃システムの導入
 ・各社共通一日券の発売
 ・電車の回数券の使用期限を無くす。

 区間ごとの回数券を金券回数券として発行することで、使用期限をなくすことが可能。回数券を毎回、3ヶ月以内に、11枚確実に使いきれる人は少ない。一回でも使い切れなかったら回数券を買った意味がなくなる。企業でまとめ買いをして、レンタカー代を浮かせる。ついでに、共通券にしよう
 ・環境定期券の発行

●運賃改定
 ・ワンコインなど、安くて、払いやすくする。

 運賃そのものを大幅に割安にし、広く市民の移動権を確保するという方向へ改善される必要がある。どの程度まで安くなれば利用者にとって妥当か。福井市内を循環するミニバス「スマイル号」は、運賃が100円であるからこそ人気を集めている訳で、これが仮に一回300円であったならば果たしてこれだけの利用者数にはならなかったでしょう。
 ・子供・高齢者運賃の無料化(無料パスの発行):付き添い乗車による収入のカバー

○運賃改定はどの程度まで安くなれば利用者にとって妥当か:

 運賃そのものを大幅に割安にし、広く市民の移動権を確保するという方向へ改善される必要がある
 福井市内を循環するミニバス「スマイル号」は、運賃が100円であるからこそ人気を集めている訳で、これが仮に一回300円であったならば果たして利用するでしょうか?
 逆に,「運賃ゾーン・システム」を導入し、例えば福井市内のあるバス停から勝山駅まで(無論電車・バスを含め)300円であったならば、「今度の週末勝山にでもぶらっと行ってみよう」という思い立つ若者が少なからずいるのでは。
 値段の高さゆえ敬遠され、誰も乗らない状態よりはむしろそうした新たな需要を確保する方が有益であると思う
例えば勝山-福井駅間の学生定期が3ヶ月でなんと6万円!!のようですが、これを「公共」交通と呼ぶにはあまりにも高すぎます。乗車券も同区間が片道900円!!!、これではその運賃の高さゆえに新たな潜在的需要は見込めない
(3)分りやすさの工夫

●公共交通のトータルデザイン化
 ★バス・路面電車・京福電車・JR近郊電車各線の系統番号の共通化などわかりやすくする

 県外から訪れた不案内の旅行者がJR福井駅に降り立った状態を想定し、この視点から路面電車を利用するにあたっての情報がいかに不十分であるかを検証していこう。
 ★各線共通のサイン・システムの整備
 ★各線のアイデンティティ・カラーの設定
 系統ごとに異なる配色をして、そのアイデンティティ・カラーが路線図上のみならず駅案内・時刻表はじめ、すべての関係表示のなかで一貫して用いる。
●イメージアップ
 ★三国港駅を三国海岸駅に名称変更
  単にイメージの問題ですが、地域全体をイメージさせ、かなりイメージが変わります。福井の都市機能としての終点駅名です。


(4)楽しい活用方法の提案・PR

●楽しさのPR
 ★三国海岸駅発ボンネット周遊バス

 思いっきりイメージを作ろうとしています。東尋坊、雄島、芝政とおしゃれなバスが似合います。金沢の周遊バスがモデルです。
 ★サイクル電車
  2両連結を持て余すなら、座席を半分にして大々的にサイクル電車を。三国海岸から北へ、この地域の海岸沿いはサイクリングに最適です。京福では輪行袋は不要だそうです。扱い駅を限定すればすぐにでも、また福武線乗り入れ後も可能です。自分たちのものだという意識の醸成
 ★イベント電車の企画・提案募集
 ★ウィークエンドコンサート・トラムの運転

(5)公共交通のPR

●公共交通利用のPR
 ・公共交通の利用促進を訴える啓蒙広告
 ・公共交通各路線及び沿線の施設を、「おすすめ商品」のようにピーアールする無料パンフレットの作成
 ・地元テレビ・新聞・雑誌等、メディアサイドによる路面電車沿線の積極的な紹介

●自分たちのものだという意識の醸成
 ・「駅前にひとり一鉢運動」の実施
 
 
 
 

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