Audi  

Audi ひすとりぃ


僕とAudiの出会い

 学生時代の友人にそのまた友人の自動車ディーラの人からAudiを安く買わないかという話が来た。当時その友人は自分の車をもっており、ほしいけど買えない。ということで、僕に話が回ってきた。個人売買ということで非常に安く売ってくれるというので車を見に出かけ、一目みて買ってしまった。奇麗でマニュアルミッションという点が気に入った。それまで外車というと、すべてオートマチックトランスミッションだという先入観があった。ガソリンスタンドで4年間アルバイトしていたが、マニュアルの外車を動かす機会はなかった。マニュアルはいわゆるスーパーカーだけだと思っていた。また、カタログデータを国産車と比べて見ても性能は国産より劣るようだった。そんなわけで外車は嫌いだったのだが、一生一度は外車をころがしてみたい。という安易な考えが背中を押した。


ここがイイ!

 いつの間にかすっかりAudiが気に入ってしまっていたのだが、何がいいかといえば、…難しいのだが、その、乗り味がいい、とにかく乗ってて気持ちがいい。知ったようなことを言えば、外車には味がある。と言ったところか。
 ドアを閉めるときのどっしりした音、縦置FFならではのシフトフィール、そういった細かい部分も好きにさせる要因だろう。
 しかし、悪い面もある。故障したときの修理費が高い。板金塗装するにしても外車というだけで割高料金になってしまう。また、左ハンドルは都合が悪い。自動料金精算の駐車場ではいちいち降りないとだめ、高速のインターは車の中でストレッチしないといけない。そのあたりだけなら良いが、右折時、追い越し時は安全確認がしにくい。また、左折時に左前のピラーが視界を邪魔する、右折時に右からの横断者に気付きにくい。
でもやっぱり、そういうのを差し引いても良いのだ。安全面についてはその欠点をしっかり理解した上で十二分に注意するようにしている。また、前述の駐車場だが、ばかみたいでちょっと恥ずかしいが、バックで入ってしまうという方法もあった。


トラブル:before100,000km

 購入当時70000km走行の中古車だったわけでやはりトラブルはあった。
 まず、エンジンのシリンダーブロックの盲蓋が錆びで穴があき、冷却水が漏れるというトラブル。運良くちょっとしたエンジン不調でボンネットをあけて見ているとき水漏れを発見することができ、被害を最小限に食い止めることが出来た。このあたりの車はこれが宿命らしい。
 また、どうしてもエンジンオイルが減ってしまう。ガスケットの交換もカムカバーだけやって見たが効果はなかった。修理工場に相談しても、補充しながら乗ってた方が良いとのアドバイスだった。
 そろそろ10万キロというところでスピードメータが壊れた。まずは自分で分解清掃を試みた。すると直っていた。喜んでしばらく乗っていたが、また、壊れた。再度分解清掃するが直らず、結局新品を買った。やはり計器類の修理は不可能だった。


オーバーホールとそのあとで…

 100,000kmを超すころ、クラッチが滑りはじめた。当時、先の友人が自分でクラッチ交換したが、えらくてこずったのでこちらは安易にプロに任せてしまった。
 ところで100,000kmを越えたらゴム類の交換が必要だ!エンジンのタイミングベルト、Vベルト、クーラーベルト等等の交換を行った。これは自分で行ったが、夜10時くらいから始めて、一晩中かかってしまった。クランクシャフトのプーリーのボルトが緩まなかったのである。
 OH後はしばらく快調にのっていたが、どうも、クーラーの音がやかましい。そこで気が付いたのだが、クーラーはあわせプーリーなるものを採用していた。つまり、以前の設定のまま新品のベルトを付けたので張りが強くなりすぎ、クーラーのベアリングがいかれてしまったのである。がーん!しかし、とりあえず動くので、プーリーの再調整だけ行って放っておいた。
 また、クラッチOH直後から「すぱっ」「すぱっ」と、つないでいたものだからクラッチ表面がずいぶん荒れてしまった様だった。バックギヤなどいれたとき、つながる瞬間大きな音が出たりした。やはり、新品の部品はじっくり慣らして使わなければいけない。


トラブル:after100,000km

 この車は機械式のフューエルインジェクションなのだが、燃料調整が狂い、ディーラで調整してもらったが、それ以外の大きなトラブルはなかった。
 が、しかし、ANSAのマフラを付けていたが、後ろが少し、出っ張っていた。このため雨水がタイコ(マフラ)に入り込み、穴があいた。また、とり回しがリヤアクスルのうえを通っており、下に引っぱった部分がやはり錆びてちぎれそうになっていた。新品は確か10万円位だったので、修理することにした。会社のアセチレンガスのバーナをちょっと拝借して全部ガス溶接した。また、ついでにいつの間にか紛失した、つなぎ目のスリーブも会社の旋盤で製作した。おかげで1年以上はもったのだが、やはり、今度は他の部分が錆びて穴があいた。結局新品のANSAマフラを買うことになってしまった。
 あるゴールデンウイークに学生時代の友人に会いに、実家から東京へドライブした。後一息のところでどうもエンジンが不調だったのでサービスエリアで車を止めると、ぶくぶくとひどい音がする。見ると冷却水が沸騰し、ボンネットのすき間から噴き出していた。どうも冷却水のリザーブタンクのキャップの圧力調整部分が壊れたようだ。JAFにも加入していないし、連休中に見てくれるところもなし、ふと思いついたのが、たばこのセロファンだ。
 とりあえず、エンジンを冷まし、水を補充し、十分にエア抜きを行ってから、タンクの給水口にセロファンをかぶせ、その上からキャップを閉めた。これでとにかく圧力が逃げないから、冷却水の沸騰は避けられるはずだ。はたして…成功だった。結局、東京のあちこちを回り、また家へ帰る間ずっと無事に走ることが出来た。


ぼこぼこAudi!!

 実はこの車は事故車である。
 買ってしばらくして信号待ちで軽くおかまをほられた。これは少しだけへこんだ。
 次は大きな声ではいえないが信号無視してしまい、左側を大破した。左から車が来てしまった。この時はドア2枚、センターピラー、リヤフェンダすべていかれた。アルミホイールも削れた。体だけ無事だった。修理代も高かった。
 次もすごかった。右折待ちで停車中に後ろからノーブレーキでほられた。この時はトランクがめり込んでなくなり、3BOXのAudiはファーストバックのようなスタイルになっていた。トランクの中味の工具箱もつぶれた…。
 今回もむち打ちにもならず体は無事だった。
 とどめは右側だ。理由はさておき、ドア2枚、フェンダの交換と相成りました。購入当時左の前がぶつけて修理した形跡があったのでこの車はすべての方向からぶつかっていることになる。
 あとはルーフだけですね、という声が聞こえそうだが、実は、学生時代の駐車場でとなりにトラックが止まっていたのだが、どうもこの荷台から何か落としたらしく、ある朝、ルーフの上に土が落ちており、しっかり、ルーフもへこんでいた。これは放っておいたら、2度目におかまほられて修理したとき、直っていた。


最高のAudiを

 Audiにすっかり惚れると今度は新車を買ってじっくりと乗りたくなった。どうせなら最高のものを、(本当に最高峰は一般庶民には無理なので、80シリーズの最高峰)80のボディ(日本でいう5ナンバー枠)で一番大きいエンジンを積み、かつクアトロシステム付きが欲しかった。このころ、80の2.8リッターエンジンはシュポルトという名前で販売されていた。しかし、ミッションがオートマだ。
 うーん… ディーラーからは、それならフォルクスワーゲンのコラードはどうかと進められた。これもいい車だけど、ぼくはAudiがいいのだ!
 残った道は並行輸入だった。たまたま、アストロをメインに扱っている輸入ディーラを友人に紹介してもらい、Audiもドイツに買いに行ってくれるとのことで契約。
とにかくAudi80 2.8リッター のクアトロ、マニュアルミッション、赤!それとパワーステアリング、パワーウィンドウ、エアコンだけは付けてくれというオーダーをした。


AudiをGet

 ところで並行輸入は安い、というイメージがあるが、これは気を付けておいたほうが良い。外車を日本に輸入して登録するとき、日本の車検に対応させるための予備検というものが存在する。これは実に様々なデータを測定し、書類にまとめるのだが、その束は百科事典の様に分厚くなるらしい。
 同じ型式、仕様の車の輸入実績があればその書類がそのまま流用できるのだが、輸入実績がなければ、一から作らなければならない。その費用だけで100万円にもなるらしい。僕もびくびくしていたが、何とかなったようである。輸入実績があったのだろう。(後日談:実は輸入実績はなく、日本に一台しかない車と発覚。この費用はすっかりかかってしまった。)
 発注、入金以来待つこと半年、ついにAudiはインド洋を越えてやってきた。


まるびメインテナンス

 車両が高かっただけにメインテナンスは要所を押さえ、安く上げなければならない。
 まずオイルエレメントだ。前のAudiは日産のL型エンジンのエレメントが使えた。さっそく調べて見ると何と取り付けねじがユニファイネジ(アメリカ規格のネジ)だ。国産車でユニファイを採用している車はない。一時は取り付け部だけ自作しようかとも思ったが、もし、それが原因でエンジンが壊れたら目も当てられないのでやめた。エレメントはいちいち正規輸入ディーラへ買いに行くことになった。


まるびドレスアップ

 メインテナンスと同じくドレスアップも要所を押さえ、安く上げなければならない。
 まずホイールだ。雪国の冬はタイヤはずっとスタッドレスだ。だから、純正のアルミホイルにスタッドレスをはかせ、夏タイヤ(雪国では通常、夏に履くラジアルタイヤをこう呼ぶ)はインチアップしたホイルを買うパターンが多い。ところが、このパターンをしようとしたとき、まだ、純正の夏タイヤは山がまだ沢山あった。あきらめ切れず、純正と同じサイズの15インチのアルミホイールを買ってしまった。
 後々ずっと後悔をした。車の購入前はショックアブソーバとマフラ位は交換しようと思っていたが、ホイールがそんな訳だから、コンポを揃えて終わりにした。


トラブル

 新車のトラブルは電装関係が少しあった。Audiの電装は良くないと思う。配線をみてもあまり整然としていないのである。パワーウィンドウが動かなくなったり、エアコンが動かなくなったり。しかし、どれもいつの間にか直っていた。 ただ、パワーウィンドウのスイッチの照明はいつの間にか全部灯かなくなっていた。また、スローの調整が狂ってすぐエンストするようになった。これはディーラで調整してもらった。
 しかし、新しい車は電子部品が多く、しろうとでは全然手が出せない。もっともあまり故障もしない。といいつつ実は今、1箇所故障している。ドアミラーの熱線が入らないのだ。助手席側はつくのだが、運転席側がつかない。これから、寒くなるシーズンなのに困った。ドアの内張りをはずして見たが解らなかった。また、ディーラに見てもらおう。



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