パリ3日目

 

初めて、パリで迎える朝。

疲れているはずなのに、6時前に目が覚めてしまった。

朝は、サマータイムのせいで、やはり薄暗い。

外を見ると、車と人の通りはまばらだが、ホテルの前にあるカフェは、すでに開店している。

やはり、パリ。ちゃんとオープンカフェも用意されている。

 

しばらくすると、友達も、目が覚めたたので、ホテルの朝食を食べに行くことに。

なにやら、聞き慣れた言語が耳に入ってくる。

声が聞こえてくる方を見ると、日本人の団体旅行客。その間を添乗員の人が忙しく動き回っている。

彼女たちを後目に、自分たちは、朝食を取ることに。

簡単なバイキング形式の朝食、と、書かれていたが、内容はその通りの食事。

クロワッサンなどの3種類のパン(これがまたおいしい!)、

チーズ(固まりを自分の好きなだけ削り取る。これもおいしい!)

ヨーグルト&ジャム、コーンフレーク、ハム。

これは、日本のホテルのバイキングの朝食よりもおいしいかも・・・

 

部屋に戻り、一休みしてから、今日の日程へ!

今日のメインは「美術館巡り」。

ホテルの隣に「シャトーランドン」という、地下鉄の駅があり、そこからだと、1本でルーブル美術館に

行くことができることが分かり、そこから、乗ることに。

その前に、カトルミュゼを駅で購入。

これは、1日間有効の美術館パスポートのようなもので、指定された美術館等に入れる。

だいたい、3カ所訪問すれば、元が取れる。

 

ルーブル美術館の前に到着。でも、あのガラスのピラミッドは、見えない。

リシュリュー翼(ルーブル美術館の1つの建物の名前)側の通りに出てしまっていた。

ルーブルでは、買い物(作品紹介の本)をしたかったので、軍資金が必要。

財布の中には、フラン(フランスの通貨の単位)が、20フラン(1フラン約17円)しかなかったので、

両替所を探すが、9時前ということもあり、どこも閉まっている。

両替所が開くのを待っている時間がもったいないので、

ショップで、クレジットカードが使えることを祈って、入場することに。

(ルーブル美術館の、ガラスのピラミッド。ここから、美術館へ入る)

入口は、ガラスのピラミッドから。手荷物チェックがある。

そして、あこがれのルーブル美術館へ入場する。

ルーブル美術館には、さっきも書いたけれども、「リシュリュー翼」のほかに「シュリー翼」「ドノン翼」という

建物が、カタカナの”コ”の字になっている。

まず、インフォメーションで、日本語のパンフレットをget。

そして、リシュリュー翼から入ることに。

で、先ほど購入した、「カトルミュゼ」を提示すると、職員の人が日付の書かれている裏をチェックする。

私の場合、日付が書かれていなかったので、彼女が、記入してくれた。

リシュリュー翼に入ると、まず半地階に出る。

ここの彫刻は、建物の外からでも見ることが出来る。

なんて、太っ腹なフランス!

そこは、彫刻だらけ。でも、朝早いせいか、人は、まばら。

友達とは、12時にインフォメーション前で待ち合わせということで、別れることに。

私の予定では、リシュリュー翼半地階−>3階−>シュリー翼3階−>1階−>ドノン翼1階−>ドノン翼2階。

インフォメーションでもらってきた、パンフレットの地図を見ながら回ることに。

でも、最初の頃は、そのパンフレットの地図の見方が分からなかったので、

同じ部屋を何回も回ってしまって、少々迷子状態になってしまった。

言い訳のようだけど、ルーブル美術館は、迷路。

ぼーっと歩いていると、気付くとまた、同じ絵を見ている、ということになりかねない。

私が持っていったガイドブックによると、ハンムラビ法典は、この翼にあるらしい。

確か、これは、今日本にあるはず。

と、言うことで、馬鹿なアタクシは、ハンムラビ法典があった場所に

「すいません。ハンムラビ法典は、ただいま日本へ出張中です」

という、張り紙が見たいがために探すけれども、その部屋が見あたらない。

立入禁止の部屋がいくつかあったけど、その部屋の一つにあるのだろう。

では、次にナポレオン3世の居室を見に行くことにする。

そこで、うれしそうに写真を撮っていると、(美術館は、フラッシュをたかなければ、撮影OK)

暇そうな職員のおじちゃんが、

「ちゃんと、自分の目で見るんだよ」って、言ってくる。

その言葉、日本に帰ってから、身にしみることに。

だって、ルーブル美術館で撮った彫刻以外の写真(絵なんか)は、ほとんど、ピンぼけ。

これは、本当に後悔しちゃいました。

ルーブルで配られているパンフレットには、有名な作品が載っている・・と、思っていたのだけれども、

全然、違っている。と、いうか、日本でだけ有名なのか、私の知っているような作品が紹介されていない。

でも、そんな作品をたまたま見つけると、むちゃくちゃうれしい。

その1枚が、「ルイ14世の肖像」。

世界史の教科書に載っていたそのものが、私の目の前に。(当たり前だけど)

すっごく感激しちゃって、遠くで眺めたり、近くでじっくり見たり。

顔が、うれしさでほころんでいたからか、職員の人が不思議そうな目でこちらを見ていた。

もう一枚は、「ガブリエル・デストレとその妹」。

でも、この絵は、いろんな本で見ているので、実際に本物を見ても、あんまり感激がない。

絵が、思ったよりも小さかったからだろうか・・・

そして、シュリー翼へ。

ここの1階には、「ミロのヴィーナス」がある。

これば、びっくり。通路のど真ん中にポンと置いてあるだけ。(ロープで柵はしてあったけど)

最初に目に入ってきたのが、ヴィーナスの後ろ姿。

でも、「ミロのヴィーナスに似てるな・・」ってしか、最初思っていなかったけれど、

たくさんの人が、立ち止まって見ている。「あー、これがヴィーナスか・・」って感じ。

学校の美術室にも、確かヴィーナスの上半身の彫刻があったけど、

あのヴィーナスは、乳首をいろんな人が触るからか、黒ずんでいた。

さすがに、ルーブルのヴィーナスの乳首は、白いまま。なんか変なところで感心してしまう。

そして、ドノン翼へ進んでいくと、「モナリザはこっち」のような、看板が出ている。

その前に、見たのが「民衆を率いる自由の女神」。

これは、確か去年日本にも来ていたはず。

ちなみに、私の家にもある。(ジグソーパズルで、だけど)

この絵の2つ隣にある「メデューズ号の筏」が、むちゃくちゃでかかったせいか

「自由の女神」の方は、大きいとは感じなかった。

そして、「ナポレオンの戴冠式」。これは、むちゃくちゃでかかった。

みんな、絵から離れて見ている。そうしないと、全体が見えないから。

ちょっと、ひんしゅくを買うかな・・って思いながら、じっくり見るために、絵の前に進み出る。

そうすると、額縁には人物の紹介が書いてある。

「遠くで見ている人たちには、ここにこんなことが書いてあるなんて知らないんだろうな・・」

って、少々優越感に浸りながら、その場を離れて、あの「モナリザ」の部屋へと行く。

さすが、世界の宝(?)「モナリザ」。たくさんの人たちが群がっている。

同じ部屋にあるほかの作品なんて、目をくれていないよう。

よく見ると、モナリザだけ、ガラス(人に聞くと防弾ガラスとか・・)ケースに入れられている。

人の群を「すいません、すいません」といいながら、割り込んでいき、

真ん前で写真を撮影。(これがまたピンぼけ)

思ったよりも、小さい絵だったので、それにびっくり。

カメラやビデオカメラをうれしそうに持ち歩いて、いろんなところで、撮って歩くのは、

日本人の特許だと思っていたアタクシ。

しかし、この美術館へ来て、ビデオカメラ等を持ち歩くのは万国共通なのだと実感。

(さすがに、ビデオカメラは、Sony製が多かったけれども)

ファインダーを通してしか、作品を見ていない人がいる。

作品の横にある「作品名・作家」等のカードも撮影していた。

これで、ガイドブックに載っていないような作品でも、作家名はバッチリ。

でも、なんか違うような気がする・・・って、私もうれしそうに写真を取りまくってはいたけれどもね。

 

いろんな美術館でも、そうだったのだけれども

部屋の片隅に、その部屋に展示してある作品の時代や、作家(レオナルド・ダ・ビンチなど)の説明書がある。

(もちろん日本語版もある)。時間があれば、それを読みながら、作品を見て歩くのもいいかもしれないです。

もちろん、あった場所に返却しなければいけないけど。

 

おっと、道がはずれた。

ドノン翼の1階には、彫刻が展示されている。

彫刻と言えど、さわってはいけないはず。もちろん、正面には、ロープが張ってある。

しかし、ある観光客(日本人じゃなかった)は、横から、作品をさわっていた。

確かに、横には、ロープは張っていないけれども・・さわってはいけないでしょう、

でも、職員の人もいなかったので、なにも注意もされていなかった。

そうこうするうちに、友達と待ち合わせの時間が近付いてきた。

その前に、両替所を探しておこうと思い、インフォメーションへ聞きに行く。

すると、美術館内にあるという。

ここで、友達と合流。

彼女も、両替したいとのことで、一緒に両替所へ行く。

そして、その後、作品紹介の本などを購入。

たくさん、有名なすばらしい作品があると、その1つ1つの作品の価値が下がるんじゃないのかな・・って

思いながら、ルーブル美術館を後に。

すると、ルーブル美術館の前では、ツタンカーメンの衣装を身にまとったパフォーマンスをやっている。

友達は、その前で記念撮影。

そして、オルセー美術館へと向かう。

お昼ご飯の時間だったので、途中のオープンカフェで食事をとる。

当たり前のように、二人とも、道の方をむいて座らされる。

それはそれで、通行人や、ルーブル美術館の外見を見れたので楽しかった。

食事が終わり、いざ、オルセー美術館へ。

ここは、ルーブル美術館ほどは混んでいなかった。

ここは、昔、駅舎だったところ。

温室を利用したオランジュリー美術館といい、今、あるものを再利用(?)しているところが、気に入った。

受付で、無料のパンフレットをget。

そして、ここでも、友達と別行動。

日本でよく、「オルセー美術館展」をやっており、何度か私も足を運んだことがある。

そのため、「よっ、久しぶりだね〜」っていうような、絵が多数ある。

しかし、ここにある絵もいろんな本に載っているほど、有名な作品が多いから、

実際に目で見たのか、本で見たのかが、分かんなくなってきていた。

例えば、「笛を吹く少年」。「晩鐘」(残念ながら、「落ち穂拾い」は、見ていない)。「ひまわり」。

バブル時代には、日本の企業も「ひまわり」を買っていたはずだけれども、

これは、その「ひまわり」とは、また違った作品。(たぶん。でも、作家はもちろん”ゴッホ”)

そして、多少疲れてきたので、テラスへ出て、一休み。

ここからは、セーヌ川、ルーブル美術館などが見渡せる。

休憩後、作品を見回って、友達と合流し、オルセー美術館を後に。

オルセー美術館の前には、さっきルーブル美術館の前にいたパフォーマーが移動してきていた。

 

セーヌ川沿いを歩いて、次に向かったのは、「サント=シャペル」という寺院。

途中、セーヌ川では、ドラマか、映画の撮影をしている。

しかし、だれが俳優か、スタッフか分からずじまい。

そして、「サント=シャペル」へ。

ここで、入場のため、並んでいると、

日本人の女の子たちが「ここにも、なんかある。(サントシャペルのこと)でも、時間がないから、

もうこれで見たことにしようね」と、言いながら通っていく。

ここは、ルイ9世によって13世紀に建てられたもの。

その中にある、ステンドグラスには、感動してしまった。

3方すべてが、壁一面ステンドグラス。そして、のこりの1面が、バラ窓(もちろん、ステンドグラス)

このステンドグラスは、すべて絵柄が違っており、その1つ1つが聖書の物語になっている。

ちなみに、ステンドグラスをゆっくり見ることが出来るように、いすが設置されており、座ることが出来る。

ここにも、説明書が置いてあったので、座って読む。

やはり、教会に来るなら、少々聖書のことを勉強しておけば良かった。

そうすれば、もっと、違った感動があったのに・・と、後悔。

ここは、裁判所にもなっている。

と、言うことで、裁判室も見学。傍聴席、裁判官席も、座ることが出来るので、記念に座っておいた。

「サント=シャペル」寺院を後にして、ノートルダム寺院へと向かう。

その前に、のどが渇いたので、ジュースを購入。

この辺りでは、日本人観光客も通るからか、「コンニチハ」などと言われた。

15フランのジュースを購入。しかし、彼は、日本語で「ジュウサンフランネ」。

日本人だと13フランでいいのかな・・って思いながら、聞き返すと、

やはり「ジュウサンフラン」という。

よくよく聞くと、彼は、15を「じゅうさん」と間違って覚えていたらしい。

で、私が、「じゅうご」と日本語を教授。

ジュースを買って、「Merci(ありがとう)」といい、その場所を離れようとすると

「「Merci」は、日本語でなんて言うの?」と、聞かれたので、

「アリガトって言うんだよ」と教えてあげて、「なっちゃんの日本語教室」は終了。

すると彼は、同僚を呼んで、二人で「アリガト」を連発していた。

 

しばらく歩くと、あのノートルダム寺院が見えてきた。

「ノートルダム」を日本語で言うと「私たちのお母様」。

確か、マリア様を奉ってあれば「ノートルダム」と言うはず。

パリにあるノートルダム寺院は、正式には「ノートルダム ド パリ」(パリのノートルダム寺院)。

入口からして、すばらしい彫刻が施されている。

入口には、「帽子は取ってください。静かにしてください。たばこは吸わないでください」

等々注意書きがされていて、最後に「ありがとう」が、各国語で書かれている。

日本語では「感謝」と表記されている。

確かに、「感謝する」の意味だけれども「ありがとう」と書けよと、思ってしまった。

後で考えると、中国語圏の人たちもいるから、「感謝」と2カ国語で分かるように書いてあったんだと、思う。

中にはいると、神父様に懺悔(?)をしている人、それを順番待ちにしている人が、いる。

ここにも、ステンドグラスはあったけれども、先ほどの「サント=シャペル」には、及ばない。

しかし、何か圧倒されるものがある。

やはり、歴史が違うからだろうか。

このノートルダム寺院は、12世紀に本格的な建設が始まり、完成には200年を費やしたらしい。

ここでは、ルーブル美術館でも見た「ナポレオンの戴冠式」が行われている。

ノートルダム寺院の塔(入口が違うので、正面からは入ることが出来ない)にも、昇りたかったけれども

長い行列ができあがっている。

この時点で、16時をすぎている。

あと、17時30分に閉館する、ピカソ美術館に行きたいために、塔に昇ることはあきらめた。

 

ノートルダム寺院を後にして、歩いて約20分。

やっと「ピカソ美術館」が見えてきた。

ここの建物は、17世紀の貴族の家を利用しているらしい。

もちろん、壁には彫刻が施されている。(ピカソ作ではないけれども)

ピカソの作品が、時代別に並んでいる。

「あ、これは、青の時代だ」って分かるくらいしか、私には彼についての知識がないのが残念。

ピカソ美術館の職員の人たちは、もう閉館時間に近いためか、みんなリラックスしてしゃべっている。

おもしろいことに、彼らが着ているジャンパーの背中には、後ろからも分かるように

「ピカソ美術館のスタッフ」のような名札が貼ってあった。

ここは、やはり、時間がなかったため、ゆっくりできなかった。

友達は、トイレに行くのに迷って入ってしまった彫刻の部屋の入口の扉を閉められてしまったらしい。

(その部屋の出口はまだ開いていたので、出口から出たけれど)

 

ピカソ美術館の閉館の時間となってしまったので、ピカソ美術館を後にする。

これで、今日のスケジュールは全部こなした。

それでも、まだ18時。まだ、時間があったので、この辺り(マレ地区)を散策。

近くにデパートのようなものがあったので、中に入る。

バーゲンだったせいか、人が多い。

とりあえず、全館見て歩くことに。

しかし、みんな出口の方へ向かって歩いているので、私たちも訳が分からず出口へ向かう。

もう、閉店の時間だったよう。

日本のように店内放送も、蛍の光のような音楽も流れないので、いつ閉まるのかが分かんないのが不親切。

 

この日は、外食で夕食をすますことにした。

で、入った店でメニューを見せられたが、何が書いてあるのかがわかんない。

セットメニューにしたけれど、セットメニューも「前菜」+「主食」か、「主食」+「デザート」が選択できる。

私は、「主食」+「デザート」を選択。

「主食」は、「・・・フィレ」としか、読みとれなかったけれども、それを注文。そして、「デザート」は、「クリームブリュレ」。

注文した料理が出てきた。私が注文したのは「牛肉のフィレ+フライドポテト」だった。

でも、焼きすぎたのか、「ほんとにこれがフィレ肉かよ」ってくらい堅い。

店のおっちゃんは、ことあるごとに「おいしいか?」って聞いてくるし、うるさくてかなわない。

そして、最後に出てきた「クリームブリュレ」には、びっくり。

日本で売っているクリームブリュレとは比較にならないくらい大きい。(でも、あんまりおいしくなかった)

 

そして、再び街を散策。

カフェをのぞくと、見つめ合った2人の男の人がキスをしている。

あちこちで、キスをしているカップルはいたけれども

初めて男の人同士がキスをしているのを見てしまった。

さすが、愛の街パリだね〜。

小さなスーパーのようなところを見つけたので、部屋に帰ってからのデザート&おみやげの買い出しをして、

ホテルへと向かう。

これで、歩き回った3日目が終了。

どれくらい歩いたか見るために、万歩計を持っていけばよかったって後悔するくらい

本当によく歩いた。

 

 

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