今はもうなきビルダーのグローバル社。一世を風靡したキングについて考えたことを綴りました。
キャンピングカーを手に入れようとしている方、あるいは、手に入れた方の参考になれば幸いです。

キングの成り立ち

トヨタのダイナをキャンピング仕様にして、専門会社が架装したもの。日本の旅先で何とか使える最大限の大きさである5.3メートル×2メートル、高さは3メートル。その範囲の中に最大限の部屋を取り、電気設備、ガス設備、給排水設備、空調設備を取り付け生活できる環境を整えたもの。取り扱いは少々大きいものの、キャンピングカーを扱っているというプライドは満足させる。室内の居住性は、最大限のもので、普通車では考えられない寛ぎと安心を得ることができる。ミニバンは、満足して移動することに金を掛けたもの。モーターホームは停めておいて、生活できるように工夫したもの。停めておいて活用してこそ、その価値がわかるというもの。

キングの使い方

燃費8キロ台後半。一般道の山道は快適ではない。やっと抜けれる程度。高速は、風の日は走れない。風雨や台風は移動しない方が良いだろう。駐車場は、大きいところなら、何とかスペースがある。しかし、街中は極力突っ込みたくない。
総合的に、海岸縁や山中など田舎の下道中心に、旅を楽しむ車。停めては、景色を眺めながらその時間を楽しむ車。大人が、ゆったりと車旅を楽しむ車。宿泊や観光を取り混ぜながら、夫婦がゆっくりと旅を楽しむ車。日帰りならミニバンを選ぶだろう。宿泊を伴うなら、カムロードが良いかも知れない。
燃費が普通車より少し悪い程度、高速道路や有料道路料金も普通車料金。道の駅の駐車場も普通車並みに何とか可能。大きな移動をしないで、地域を楽しむ車。その場所で地元の人と生活を楽しむ車。長距離を移動する車ではない。停めては地域を楽しむ車。いつまでも旅を楽しめる車。長距離を走りきり、精力的に観光地を巡るならミニバンが使いよいだろう。でも、もっと地域に溶け込んで、その生活を味わうならカムロードが良いだろう。

サンヨーのカーナビ。

昨年別の車に買った5万円のミニゴリラ。小さいけれど、案内はしっかりとしてくれた。今度のやつは、7型の液晶画面にメモリーカーナビ、AMFMチューナーが付いて、テレビが付いて9万円。おまけにDVDとCDまで付いているというではないの。ラジオを聴けるし、テレビも見れる。ナビも使える。ドライブの情報センターとしては十分な能力だ。案内はゴリラ並み。たいしたもんではない。目的地までの時間がわかれば良い程度。周囲の施設がわかればいい程度。カーナビなんてそんなもの。ドライブのアシスタントとしては、十分な働きをしている。一昔前なら30万円していても良い性能だ。いいものを手に入れた。

キャンパーとしての完成度。

5メートル×2メートルの大きさ。キングはこれより多少大きいが基本的にはこのカテゴリーの車。車体はトヨタのベストセラーカムロードでキャンピング専用車だ。エンジンは定評のある5Lディーゼル、力はないが30,40万キロは走りきる能力を持つ。
架装部分はパネル構造だが、完成度は高い。外観はシックで、美しい。広いバンクベッド、カセットトイレと洗面所、LPガスコンロとギャレー、コの字型のソファー、リアエントランスと使い古され定評のあるレイアウト。落ち着いた室内空間を持っている。このレイアウトは5メートル少々の長さがないと実現しない。FFヒーター、発電機、温水ボイラー、補助バッテリーシステム、冷蔵庫、クーラー、どれも外国で使い込まれた定評のあるもののようであるが、使って見なければ判らない。車としてのメカ良し、デザインの完成度良し、室内の作り良し、装備良し、車としての程度も悪くない。買った店も考えてみれば福井から一番近い場所。キャンパーとしての完成度は高いと考えられる。購入の手続きもベストの部類かもしれない。値引きはなかったが、カーナビの取り付けはしてくれたし、きちっと整備してくれている。買う年齢はどうか。55歳はベストエイジといわれている。定年を見据えている時期で、お金も多少たまってきている時期。いい時期に買ったといえるかもしれない。


グローバルの成り立ち。

キャンパーを作って20年。デザイン的に優れたキャブコンなどを作っていたがヒットせず。あるときチャンプを作ってヒットした。定評のあるレイアウトに中国生産の無垢の木工が結びついた。偶然であろうが、完成度の高いキャンパーが出来上がった。それは、キングという車種に受け継がれ花開いた。
ロデオはあるアウトドアに夢を託した一人の人によって完成された。使うことを前提に設計された。キングは様々な偶然が重なってできた名作。使うことを前提に作られたものではなく、いいものを寄せ集めて出来たキャンピングカー。だから、同じようなものであるが、生まれが違うのだ。雰囲気はいいが、使い勝手は決していい方ではない。その、エリート的な雰囲気を楽しむ車。キングはグローバルの特定の時期だけに存在する不朽の名作といえる物である。2009年のカタログモデルには既にキングの名はない。グローバルもキングで名を上げたが、これからヒットを出し続けるかは、わからない。また、キングのような名車が世に出るかどうかも判らない。


動作はワンアクションの3秒ルール。

ガス回りは、車外へ出て車両の後方へ移動し、開錠してLPガスの容器を引き出す。ボンベのコックをひねる。引き出しを閉めて、鍵をかける。運転席から室内へ入って、安全弁のスイッチを入れて10秒待つ。コンロのガスのコックをひねり、発火ボタンを押す。これで1分以上かかってしまう。動作は5動作以上。これでは、コーヒーを沸かす気にもならない。これを、カセットコンロへ変更した。コンロを棚から取り出してボンベをセット。ガスのコックを回して点火する。これで、2アクションで5秒ぐらいに収まる。 水回りでは、水道ポンプのスイッチを入れる。ポンプが止まるまで約10秒。水道のコックをひねって水が安定するまで約5秒。改良型では、ポリタンクに蛇口を付けて横にする。蛇口をコックをひねれば、ワンアクション3秒で水が使える。
 鍋、コーヒー類、カップ類、タオル、ティッシュ、ごみいれはすべてワンアクションで使えるようにキッチンの見えるところに置く。 発電機は室内でメインスイッチオン、チョークを使ってスタータをオン。電流スイッチ切り替え。これは、動作が少ないのと改良しようがないのでそのまま利用する。リアの入り口は、ドア上部のキーを開錠、さらにドア下部のキーを開錠、ドアを開いてパネルに固定する、ステップを下げて合わせて4アクション15秒ぐらいかかってしまう。手軽に出入りできない。リア入り口は基本的には勝手口とした。キャンプ場に停めて、調理をする場合などに使うことにして、ツーリング時は基本的に運転席から出入りすることにする。体をひねる事になるが下足も置けるしワンアクションになる。

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