富士宗学要集第三巻

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蓮祖は閻浮第一の法花経の行者の事名

一には、蓮祖一人、持品の二十行の偈を読みたまふが故。
開目抄上卅四に云く、法花経の第五の巻勧持品の二十行の偈は、日蓮だに此国に生ずれんば、ほとんど世尊は大妄語の人、八十万億那由陀の菩薩は提婆が虚誑罪にも過ぎぬべし乃至日蓮なくば、誰をか法花経の行者として仏語をたすけん。但し天扶け給はず我身法花経の行者にあらざるか。此の疑ひは此の書の肝心、一期の大事なれば処処に之を書く畧抄。撰時上廿一、十八十三。

二には、怨嫉の輩、閻浮第一の災難に値ふ故。
撰時抄上廿二に云く、日蓮は閻浮第一の法花経の行者なり。是をそしり、是をあだむ人を結構せん人は、閻浮第一の大難に値ふべし。是は日本国をふりゆるがす正嘉の大地震。一天を罰する文永の大彗星等也。是等を見よ、仏滅度後仏法を行ずる者に、あだをなすと云へども、今のごときの大難は一度もなきなり。

三には、蓮祖一人閻浮第一の大徳に有る故。
中興抄十八十七。撰時抄上廿三に云く、南無妙法蓮華経と一切衆生にすゝめたる人、一人もなし。此の徳は誰か一天に眼を合せ、四海に肩をならぶべきや文。同下廿三に云く、欽明より当帝に至るまで七百余年いまだ聞かず、いまだ見ず。南無妙法蓮華経と唱へよとすゝめたる智人なし。日蓮は日本第一の法花経の行者なることあへて疑なし。此をもて推せよ。漢土月氏にも一閻浮提の内に肩を並ぶる者はあるべからず文。
顕仏未来記廿七卅一に云く。疑つて云く、但し五天竺并びに漢土等に法花経の行者之れ有るか如何。答へて云く、四天下の中に全く二の日無く、四海の内に豈両主有らんや已上。此の文第一の秘事なり。
経に云く、世無二仏、国無二主、一仏境界、無二尊号等云云。

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