一代五時図

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一代五時図の概要

【元年、聖寿、真筆完存】 
大論に云く、十九出家、三十成道と。
  権大乗  三七日       ・・戒  智厳 
華厳経・・・・・・・・・・華厳宗・・ 定  杜順 法蔵 
       二七日       ・・恵  澄観 
  小乗   十二年 ・・倶舎宗 戒定恵 
阿含・・・・・・・・・・ 成実宗 戒定恵 
           ・・律宗  戒定恵 
              ・・・・・・・・鑑真和尚 
      ・・大集経 
      ・・深密経・・・・・法相宗・・ 戒定恵 ・・玄奘 
      ・・楞伽経・・・・・禅宗  ・・・・・・・・慈恩 
  権大乗 ・・・観経・・・・ 
方等・・・・・・ 双観経  ・・浄土宗 
  三十年 ・・・阿弥陀経・・   ・・・・・・・・・・善導 
      ・・・金剛頂経・・ 
      ・・ 大日経  ・・真言宗   戒定恵 
       ・・蘇悉地経・・ 
      ・・百論 提婆菩薩造・・ 
  権大乗 ・・中論 竜樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)造 ・・三論宗・・戒定恵 嘉祥寺 
般若・・・・・・十二門論 同   ・     ・・・・・・吉蔵大師 
      ・・大論   同・・・・ 
無量義経に云く「方便力を以て四十余年には未だ真実を顕さず」。
又云く「無量無辺不可思議阿僧祇劫を過れども終に無上菩提を成ずることを得ず。所以は何ん、菩提の大直道を知らざるが故に。険逕を行くに留難多きが故に」と。
又云く「大直道を行くに留難無きが故に」と。
    八箇年 
法華経・・・・・法華宗・・・・・天台宗 戒定恵 
「世尊は法久しくして後かならず当に真実を説き給ふべし」。「種種の道を示すと雖も、其れ実には仏乗の為なり」。「正直に方便を捨てて但無上道を説く」。
「今此の三界は皆是れ我が有なり。其の中の衆生は悉く是れ我が子なり。而も今此の処は諸の患難多し。唯我一人のみ能く救護を為す。復教詔すと雖も而も信受せず」。
「若し人信ぜずして此の経を毀謗せば、則ち一切世間の仏種を断ぜん。○其の人命終して阿鼻獄に入らん」。
「将に魔の仏と作て我が心を悩乱するに非ずや」〈舎利弗の疑、二の巻〉。
「妙法華経○皆是れ真実なり」〈多宝証明の文〉。
               ・・法に依て人に依らざれ 
  涅槃経六に出ず      ・ 義に依て語に依らざれ 
         ・・法四依・・ 智に依て識に依らざれ 
    一日一夜 ・     ・・了義経に依て不了義経に依らざれ 
涅槃経・・・・・・・            ・・五品・・天台等 
    八十入滅 ・     ・・初依・・・・・六根 
         ・・人四依・・ 第二依・・初地已上・・竜樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)等 
               ・ 第三依 
               ・・第四依・・等覚菩薩 
天竺 十四五六巻 
・・十住毘婆沙論に云く・・〈竜樹菩薩(りゅうじゅぼさつ)造羅什三蔵訳〉 
・    ・・・・・・・・ 
・    ・・・難行道 譬へば陸路を歩行せば苦なれども 
・ 不退地 ・・易行道 水道を船に乗れば則ち楽なるが如し 
・       十仏百三十余菩薩並に阿弥陀仏等 
・  斉世 
・・曇鸞(どんらん)法師 〈本三論宗の人なり浄土論註二巻を作る〉 
・  唐世 
・・道綽禅師 〈善導の師なり安楽集二巻を作る〉 
・ 安楽集に云く「大集月蔵経に云く我が末法の時の中の億億の衆生起行修道すとも未だ人も得る者有らじ。当今末法は是れ五濁の悪世なり唯浄土の一門のみ有て通入すべき路なり」と。
・  唐世 
・・善導 〈玄義一巻・序分義一巻・定善義一巻・散善義一巻・観念法門一巻・往生礼讃一巻・般舟讃一巻・法事讃上下已上九巻〉。
・ 〈隠岐院の御宇建仁年中今に五十余年なり〉 
・・法然 〈源空〉 
選択集(せんじゃくしゅう) 〈一巻〉 
・・〈未だ人も得る者有らず千の中に一も無し〉 
・ 〈浄土三部経を除くの外法華経等の一切。
阿弥陀仏を除く一切の仏菩薩一切の神祇等〉。
難行・・聖道・・雑行 
・・〈天台法華宗等八宗を捨閉し閣抛す〉 
易行・・浄土・・正行 
・・〈阿弥陀仏は十即十生百即百生〉 
  〈六百三十七部二千八百八十三巻〉 
   捨閉閣抛 
双観経に云く「設ひ我仏を得んに、十方の衆生至心に信楽し我が国に生れんと欲し、乃至十念して若し生ぜずんば、正覚を取らじ。唯五逆と誹謗正法(ひぼうしょうほう)とを除く」と。
道綽の「未有一人得者」、善導の「千中無一」、法然の「捨閉閣抛」、此等は豈謗法に非ずや。
法華経第二譬喩品に云く「若し人信ぜずして此の経を毀謗せば、則ち一切世間の仏種を断ぜん。或は復顰蹙して而も疑惑を懐かん。汝当に此の人の罪報を説くを聴くべし。
若しは仏の在世若しは滅度の後に、其れ斯の如き経典を誹謗すること有らん経を読誦し書持すること有らん者を見て軽賎憎嫉して而も結恨を懐かん。此の人の罪報汝今復聴け。
其の人命終して阿鼻獄に入らん。一劫を具足して劫尽きなば更生れん。是くの如く展転して無数劫に至らん。地獄従り出ては当に畜生に堕つべし」。
涅槃経第十に云く「問ふ、一闡提とは其の義云何。仏云く、純陀若し比丘及び比丘尼優婆塞優婆夷有て、麁悪の言を発し正法を誹謗し、是の重業を造て永く改侮せず心に慙愧無からん。是くの如き等の人を名けて一闡提の道に趣向すと為す。
若し四重を犯して五逆罪を作り、自ら定めて是くの如き重事を犯すと知て而も心に初より怖畏慙愧無く肯て、発露せず彼の正法に於て永く護惜建立の心無く毀砦軽賎して言過咎多からん。是くの如き等の人も亦一闡提の道に趣向すと名く。
若し復説て仏法衆無しと云はん。是くの如き等の人も亦一闡提の道に趣向すと名く。唯此くの如き一闡提の輩を除て其の余に施さば一切讃歎すべし」と。
          ・・一 殺生・・・〈下殺は螻蟻蚊虻〉 
〈上品は地獄に堕つ〉・・二 偸盗 ・・〈中殺は凡夫人及び前三果の聖人〉 
〈中品は餓鬼に堕つ〉・・三 邪淫 ・・〈上殺は阿羅漢・辟支仏・菩薩・父母等〉 
〈下品は畜生に堕つ〉・・四 妄語 
十悪・・・・・・・・・・五 綺語 
          ・・六 悪口 
          ・・七 両舌 
          ・・八 貪 
          ・・九 瞋 
          ・・十 痴 
          ・・殺生     ・・一殺父 
          ・・偸盗     ・・二殺母 〈養父母〉 
四重・・・・・・・・・・邪淫  五逆・・・三殺阿羅漢 〈凡夫上人〉 
          ・・妄語     ・・四出仏身血 〈木画像等〉 
                   ・・五破和合僧 
                     ・・・・・・〈四人已上凡夫僧〉 
此等は皆一業引一生なり。故に一度悪道に堕すれば、還て二度悪道に堕せず。謗法は一業引多生なれば一度三宝を破すれば度度悪道に堕する是なり。
伝教大師の守護章に云く「不正義の一切学人は信受すべからず。所以は何ん、其の師の堕つる所弟子も亦堕ち檀那も亦堕つ。金口の明説何ぞ慎まざるべけんや慎まざるべけんや」と。
   ・・第一弟子 〈長楽寺多念〉  隆観  〈南無房一切鎌倉の人人〉 
   ・・第一   〈こさか〉    善恵房 〈当院洛中一切諸人〉 
法然・・・第一聖光 〈筑紫九国一切諸人〉 
   ・・一条覚明 〈今の道阿弥等〉 
   ・・成覚   一念 
   ・・法本   一念 
   〈已上弟子八十余人〉 
乃至日本国の一切念仏者、並に檀那等、又一切の天台・真言等の諸宗の人人、又法然が智分を出でず。
各各其の宗を習へども、心は皆一同に念仏者なり。法華経を読めども、真言を行ずれども、皆助業となして、念仏を以て正業と為す。謗法の失脱るべからず。

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