摩耶
(まや) 関連語句
摩耶夫人
梵語・マーヤーの音写で、摩訶摩耶・摩耶夫人ともいう。迦毘羅衛国の
浄飯王
の妃で、釈尊の母と伝えられる。迦毘羅城の北にある天臂城に住む善覚長者の娘で、釈尊の養母・摩訶波闍波提の姉にあたる。この親子・兄弟の関係には他に異説がある。
摩耶夫人は六牙の白象が胎内に入る夢を見て懐妊(あるいは釈尊が都率天より胎内に入ったともいう)し、天臂城への途次のルンビニーで悉達太子を生んだが、七日後に死んで
利天
(
とうりてん
)
に上生したといわれ、釈尊は成道後に利天に昇り母の報恩のために法を説いた結果、摩耶夫人は解脱を得たと伝えられる。『忘持経事』〔22326〕には「教主釈尊の成道は浄飯・摩耶の得道」とあり、親子同時の成道が示されている。