6月18日(日)

どーしても外せない仕事が舞いこんでしまったために、17日(土)の午後は静岡で過ごさなくてはならない羽目になってしまいました。
なんてお人好しなんだろう。
その為に、土曜早朝より福井〜静岡まで360kmのクワ車移動です。
首尾よく昼と夜のお仕事を終え、ホテルで就寝した時刻は22:20頃、『さ〜ぁ、寝るゾ!』 
とにかくクワ採集の為に体力温存です。
『・・・う〜、寝れない。』


なかなか寝付けないまま、目が覚めたのが1:25頃です。
『あ〜ぁ、行くか!』と、気合を入れてから、チェックアウトを済ませます。
荷物を抱えて駐車場に向かうと、霧雨が降っている。明け方には上がって欲しい雨です。

今日のクワ場は、長野県 北部 ポイントμであります。
数年前に原名コルリを初めて採集し、メチャメチャ感激したクワ場なのだ。
カロナビでルート検索すると、到着時刻が7:30と出る。一体何kmを走ることになるのだろうか?
とにかく、睡魔に犯される前に現地到着をはたしたい。
カロナビの指示に忠実に従って、クワ車を駆ける事に専念しよう。

カロナビは、R1と東名高速で東進し、富士山の西部をショートカットして甲府に出るルートを設定したようだ。
東名高速を降りてから、小糠雨の3桁国道をひた走る。たまに出くわす遅車を難なくかわす。
快調に深夜のドライブが1時間ほど続いた頃、「××ヶ原樹海」の看板が目に入ってしまった。
いけない。も〜鳥肌が立っている。
お化けが出る条件は整っている。午前3時の小糠雨のR***なのだ。ヘッドライトに浮かび上がる樹木やガードレールは確かに気色悪い。

無事(?)、R***から離脱し、心安らかに深夜のドライブが始まって間もなく、凹んだガードレールのある右コーナーを曲がると、黒っぽい車がハザードランプを点滅させて停車している。
事故車?と思いきや、これまた黒っぽい服を着た若い男性が両手を挙げて小躍りして、こちらにスキップしてくるのだ。
『何なんだコイツ?』
一瞬、躊躇したのだが、クワ車を停めることにした。

運転席側の窓を開けると、彼がやって来た。
harehore「こんばんは。」(何処となく冷淡)
「すいません。車がスリップしてガードレールに接触して動きません。近くのコンビにまで乗せて行ってくれませんか?」(焦っているけど上ずっていない)
 何だか絵に描いたような展開だ。
ha「いいよ。助手席へど〜ぞ。」
「ありがとうございます。カバンを取ってきます。」
 ど〜しまひょ、まさか後部座席には乗せたくない。長髪の女性でなくて良かった。この後の展開はノーマルなんだろうね。
 何をもたついてるのか、漸くして彼が現れた。
「すいません。失礼します。」と一言いって助手席に座った。礼儀正しいやんけ。
 彼の赤いドライバーズグローブが印象的だった。彼は走り屋なのか?

真夜中の2人ドライブが始まった。沈黙が続く。
気まずいのだが、運転に集中する。
2〜3km走ってもコンビにはたどり着けず、ますます気まずい雰囲気なのだ。
harehoreの方から自己紹介するわけにも行かず、遠くに町の明かりが見えてきたので、「あれは甲府か?」と彼に尋ねると「そうだ」と答えた。
安堵する。
間もなく、7&11の看板が見え、真夜中の2人ドライブは終わりを告げる。
「助かりました、ありがとうございました。お気をつけて。」
ha「ありがとう。」(何処となく冷淡)
ノーマルな単なる人助けで終了してよかった。暫くして走ってから、助手席のシートが濡れていない事を確認してしまった。
もし、harehoreが逆の立場だったら、真夜中の3時に止まってくれる運転手は、・・・?


程なくして中央道に乗り、ひたすら北上する。こんな時、オートクルーズは重宝する。

小雨→濃霧→夜明け→曇天→睡魔→10分間睡眠→北上→睡魔→10分間睡眠→北上→・・・。

クワ場到着30分前に予想通り、としお〜んから携帯が入る。首尾よく落ち合えそうだ。
としお〜んとは久しぶりの再会である。ひじょう〜に楽しみである。


<今日のクワ場>

現地到着を無事果たすが、現地が無事ではなかった。
全てが雪に埋もれている。
あるて〜ど予想はしていたものの、その程度は尋常ではない。
としお〜んと落ち合う場所が1m以上の積雪なのだ。
早すぎた早春ブナ林だ。
おまけに、降雨と濃霧である。


<早すぎた早春ブナ林>

では、軽い装備だけ身に付け新芽コルリ採集を始めましょう。
今日のコンビのパラソルは、降雨から身を守る道具になりそうだ。
除雪がなされたアスファルト面の気温や地温は比較的高いはずである。
積雪が原因の倒木の新芽の芽吹きは早い。
見つけた。久しぶりのブルーだ。


<倒木の新芽>

手のひらに乗せてみる。
美しい。
気温はさほど低くないため、蟲の動きは鈍くない。
数は出ないが採集できそうである。
体力を温存してゆっくりルッキングを開始する。


<久しぶりのブルー>

しかしながら、降雨での採集は制限が大きい。
何よりも、ねぶい。


<新芽に潜り込み込み>

個体発生数が少なく芽吹き新芽も少ない。
移動しようとも考えたのだが、としお〜んとまだ落ち合っていないため、それはNGだ。
それ以上にNGなのは、落ちこぼすコルリがいることだ。採集力が萎えている。なにがなんでも、ねぶい。


<降雨の中>


<蟲の動きは良し>

天候の回復も期待しながら2時間を費やしたのだが、コルリもとしお〜んも現れず困ってしまった。
移動を駆ける事にする。目指すは、ポイント∽である。

バリ3エリアで、としお〜んに携帯するが通じず、ポイント∽へ転戦するメールだけ打っておく。
じつは、ポイント∽では初めての採集地であり、何処に何があるのか皆目検討がついていないのである。
今度は難なく現地到着、但し、バードウォッチャーだらけだ。
今日は、父の日であり、対クロアチア戦である。
こんな所で、道楽に興じていていいのかね?

程よく、としお〜んと連絡が取れる。通行止めを食らって迷子になっているみたいだ。
harehoreは体力の限界であり、クワ車内にて失神することにする。車内は暖かい。食べて寝る。


<雪も人も多い>

薄日が差し始めたので、人目を忍んで採集を開始する。
採集用具は、パラソルと帽子だ。

いる。
トネリコの新芽に2個体いる。蟲の足取りは速く、活動は活発だ。


<今年もお世話になる芽>

いずれも、パラソルにてキャッチする。


<年季モノ>

ポイント∽の個体はμより、心持ち大型かな?


<デカッ!>

今回の採集は、帽子を差し出してコルリをキャッチするか、パラソルを差し出してキャッチするかのいずれかである。
大抵のコルリは、パラソルを差し出して、一寸刺激すると、ポテッと落下するのだが、中には粘るヤツがいる。
どの様に対処すればよいのだろうか?
近くにジェフさんみたいな親切な人はいない。
そーなのです。
帽子を投げつけるのです。
とりあえず、今回は百発百中でした。なんてノンビリした採集を楽しんでるんだろう。


<微妙な位置>

今年は、コブ付いているみたいだ。コルリの向こうにコブがちゃがっていた。


<タダコブ>

何時見ても、おもろくて、カッコイイ。


<ブルーダイヤは永遠に不滅です>

ふらふら状態での採集の果てに、としお〜んが到着する。嬉しい再会である。元気そうなのが何よりである。
不元気なharehoreは、これにて撤収することにする。再び、360kmのロングランが待っているのである。
次回は、としお〜んとのライトトラップが楽しみである。
けど、ブルーなコルリも捨てがたい。
そー思いながら、一路帰路につきます。早く我が家に帰りたい。

採集結果
原名コルリクワガタ  24♂♂ 4♀♀

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