4月24日(日)

待ちに待った週末が又やって来た。
先週は、若狭の照葉樹林だった。寂しい採集結果を糧に、今週のクワ採集への期待が膨らんでしまう。
今回のクワ採集のテーマは、マダラである。
ココ3年ほど、あのご尊顔を拝んでいない。一時期、我が家において繁殖したものの、赤い土だけが残ってしまっている。マダラの蛹は素敵である。しっかり、マダラ模様が浮き出てくるのである。軽く叩けば、出てきそうなマダラを今回は採集に行くのである。ついでに、瑠璃も採集できれば上出来である。
そんな訳で、御馴染みのFDFへ、出向く事になった。

今朝は、定時に起床して、準備を始める。久しぶりの山歩きになりそうなので、心持ち緊張ぎみなのだ。北陸道を高速で南下する。新しいクワ車には、自動定速維持装置が付いていて、これは便利である。けど、両足の置き場に困る代物である。更に、自分の運転スタイルが、改めて自覚できる。高速コーナーやトンネル進入時や追い越し時のアクセルワークは、実に繊細であるようだ。自動定速維持装置を作動しながらでのコーナー突入やトンネル通過は怖い! どか〜んと直線の時だけ、安心安全に使用すべき装置のようだ。いずれ、新潟や四国への遠征時には大活躍しそうである。

100km/hの定速走行、装置作動中。
<ふつーうのインパネ 瞬間燃費は低い>

どうもこうも言わずに、現地到着する前に、通行止めである。3月下旬に降った大雪の影響だろうか。
残り4キロの林道を歩くことにする。天気も良いことだし、楽勝である。いずれこのコースをXCスキーにて滑走するに違いない。
装備の装着をすすめる。


<ココにて駐車>

今回は、新しい装備を1つ、追加した。
クマくん撃退スプレーです。
1秒の噴射で1,000円なり。主成分は、カプサイシン。専用フォルダーに入れて携行します。

早朝、ブナ林へ分け入ったときが危険。風下からの使用は厳禁
<使用したくない装備の1つ>

さて、歩きましょう。
成虫越冬したテングチョウが飛んでます。
羽化したコツバメも飛んでます。
スギルリは見当たりません。

里は春爛漫なのですが、山は半月ほどの遅れ。
<雪多し>

50分程の林道歩きを終えて、登山道へ進入します。
クマ撃退スプレーの安全装置の1つを外します。これで、5秒以内には、スプレーの発射が出来ます。落ち着いていればの話だが。実際は、クマからの追尾を免れる最後の方法となるのでしょうね。
まずは、瑠璃材を探す。

この時期の代表的なお花ですね
<イワウチワ>

確か昨年の5月に訪れたときに<・>を確認した材が、登山道脇にあるはずだ。
あったあった。
崖の枝に引っ掛かっている。
このまま落ちたら、谷底へまっしぐらである。
登山道まで、瑠璃材を引き上げようとするが、重くてママならない。
妙案ありき。
鋸で切断して、登山道まで引き上げることにする。
持っているんだな〜ぁ、鋸を。
シャリシャリシャリシャリ・・・。
瑠璃材ごとき、あっという間に切断していしまう。
で、引き上げ完了。

重かった、落ちるかと思った20m下まで
<瑠璃材引上げ完了の図>

早速、<・>を探すが、意外と少ない。
昨年、この材を確認したときは、もっと多くの<・>が観察できたのに。


<久しぶりの<・>>

不安ながらも、ノコからナタに道具を持ち替えて、削り始める。
2削り終えたところで、いきなり出た。

いきなり潰しそうになり焦る
<あ〜ぁ出た>

いとも簡単に、瑠璃♂が出てしまった。
こんな時って、後が続かないもんだ。

ど〜も、解像力が悪い
<採り合えずメデタシ>

やっぱり、後が続かない。
瑠璃幼虫すら出ない。
ど〜やら、終わった材なのかもしれない。
まっ、幼虫が出ないのは、手間が省ける。
で、瑠璃♀が出る。


<蛹室の中>

メデタシ、メデタシ。
小枝を使って、成虫を蛹室からほじくり出す。


<デジカメの腕が落ちている>

この材からは、瑠璃を1ペアー出して終了する。まだ他に良き材があったのだが、谷底へ転落しそうなので遠慮した。
次は、マダラ狙いである。も〜少し瑠璃も欲しい。
ブナ林へ突入する。


<倒巨木>

雨のせいなのか、雪のせいなのか、風のせいなのか。巨ブナが倒れている。それも、珍しくない頻度である。
昆虫採集的には、好ましい様な好ましくない様な。
ブナ林にオープンスペースが出来てムシや胞子が飛翔しやすい。倒木は3年もすれば、美味しく熟れて来る。


<あら〜ぁ、(◎)>

その証拠に、アカアシらしき(◎)がある。これは、割っていはいけない。
<・>を探すが見当たらない。
しかし、赤材は何本か見つけることが出来た。ブナやミズナラが熟したようだ。
実に美味しい赤材なのだが、マダラがいない。
それらしき食痕は、見え隠れするのだが、肝心の幼虫と船成虫がいない。
この時期は、まだ幼虫のはずだが。
クワ貧が続く。

大型哺乳類へ知らず知らずのうちに接近したようだが、お互い冷たい関係のようだ。
ただ、
ヤマダニに注意する必要がある。
大学時代に、ミヤマモンキチョウを採集中に、ニホンカモシカに出会い、ヤマダニとも膝の下で出会ってしまった。
ホント、膝の下で良かった。


<相変わらず好奇心と食欲は旺盛>

マダラが出ず、非常に残念な事になってしまった。
腕が鈍ったようだ。体力も持久力もない。注意力も散漫だ。
マダラごときと、舐めた事が災いしたのだろう。

あっ〜ぁ、精進しましょう。

採集結果

ルリクワガタ   1♂1♀

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