1月 8日(日)

今年最初のクワ採集を何処にしようかと思案するまもなく、午後から時間が空いたので、急遽、越前海岸へ向けて出撃した。今年は、極端な暖冬であり、1ヵ月遅れの気候のずれを感じてしまう。それでも、寒波襲来であり、昨夜からの雪が断続的に降り続いている。ハードな雪中材割りはできないし、時間も無いので、海岸線で、コ、ヒラタ、チビを狙いまひょ。

画面中央空の小さな塊は、オオセグロカモメ
<市街地は大した事無い>

海岸線での材割とはいえ、北西の強風が吹きすさぶ越前海岸であります、充分な防寒対策は必要であります。道すがら、海岸に近づくほど、積雪が多く、降雪が激しさを増してきました。


<激しくなってきた>

過去の雪中材割りを思い出す。よくもあんな馬鹿げた事を何度もやったもんだ。お蔭で、貴重な体験をさせて頂いた。今となっては、己の体力の自信の無さが恨めしい。今年もチャレンジするかもしれない。おぉ、海に出たようだ。波が荒れ狂っている。


<くら〜ぃ日本海>

ここから、照葉樹林へのポイントへパサートを進める。轍のない林道を上り詰める。誰も居ない。


<ひとり進む>

安全な場所に駐車して、装備を身にまとう。雪は降っていないが、風が凄まじい。風に煽られながら、防寒具、長靴、グローブ、・・・。この場所は、去年の夏に下見に訪れている。暑いだけの林だった。何もいなかったのだが、材割りとなると話は違う。小雪舞い散る中、照葉樹林へ突入しましょう。


<小道を進んで右下へ分け入る>

切り株や立ち枯れを中心に探索する。最初見つけたコレ。かなり乾燥しているが、根元はウェット。黒い小さなクワを期待してガンガン削っていく。


<急斜面の2本>

乾燥が著しく、外道すら出ない。コクワらしき幼虫が出たが、こうれで打ち止めにする。寂しい材だった。


<辛うじて幼虫>

美味しい材を求めて徘徊するものの、なかなかめぐり合わない。激しく砕け散る波の音が絶え間なく聞こえてくる。ルイスを材割した時ののんびりしたものとは似ても似合わない。更に、激しく小雪が降り始めた。近くの休憩所にて一服する。ここからは、日本海が展望できる。くらぁ〜い、おもぉ〜い日本海である。


<冬の日本海>

未だクワなし。
一服した後、うっすらと雪化粧した小道を進む。置き捨てられたアスレチック用具の残骸を見ながら、材を探す。ここは、緩やかな斜面で、夏季でも乾燥に耐えられる林床だ。先ほど材割りした環境とは異なる。


<小道を奥へ進む>

ありました、ありました。折れ方といい、太さといい、カワラダケの付き方といい申し分のない材が2本あ〜るじゃ、あ〜りませんか。太い材は残しておいて、細い材から削り始める。
チビは見あたらないが、根元からは、ヒラタが期待できる。

朽ちた切り株が2本、左は太く、カワラがびっしり付いている。右を削る。
<右の材から削る>

腐葉土をほじくり返して、根元まで割り進むと、クワガタ特有の食痕が現れる。複数の食痕が見え隠れする。
ヒラタだな。コはこんな食痕作らない。吹雪の中、独り悦に入る。
そんな中、仕事の携帯が鳴る。え〜ぃ、同僚に依頼して何とかなりそうだ。

大き目の材を割り剥がすと、下から、大きな幼虫が顔を出す。


<久しぶりの光景>

非常に嬉しい久しぶりの光景である。材割りハンマーからサバイバルナイフに持ち替えて、慎重に幼虫を掘り出す。
お〜〜ぉ、デカイ。コではない、ヒラタでもなさそう。顔つきが違う。やけに腹部がデカイぞ。
小さめの2例幼虫も3つ採集する。
よ〜判らんので、次なる幼虫、成虫が採集できればハッキリする。再び削り始める。


<美味しそうな幼虫>

再び、材をブロックごと割り出す。割り出した材の断面に蛹室が見える。いよいよ成虫のご登場だ。余分な材を削り取って、成虫が這い出てくるのを待ってみる。


<割り出したブロックに成虫が>

出てきた、出てきた、アカアシだ。何でこんな海岸線の照葉樹林にアカアシがいるんだ?


<蛹室より立ち上がる>

確かに、アカアシクワガタだ。さほどアシが赤くないよ〜だが。
この近辺でのアカアシの採集記録は見たことはない。通常、アカアシは、涼しい山間部のヤナギ林に生息しているもんだ。
正月早々、びっくりな材割となった。


<確かに立派なアカアシ♂>

吹雪の中で見るアカアシクワガタには、哀れみさえ感じてしまう。なぜ、君がココにいる?
では、
先ほどの幼虫達は、アカアシクワガタのご子息方となる。ど〜りで、コやヒラタでは、違和感があったはずだ。
では、
撤収を始める。散乱した材をかき集め、蟲の棲家を作る。小さな幼虫がまだ材の中にいるはずだ。
も〜1本の材は温存しておく。アカアシの幼虫が入っている確率は非常に高い。次回のために温存するべし。

あ〜ぁ、面白かった。次は、是非、ヒラタ君を見つけなくては。
これだから、クワ採集は、やめられまへんな〜ぁ。

採集結果
アカアシクワガタ(成虫)  1♂ 1♀(×)
アカアシクワガタ(幼虫)  4exs

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