8月25日(水)

うかつにも8月下旬になってしまった。
何を今までしたんだろう。今夜こそは灯火なのだ。

御出張終了後、早々に灯火の準備を整えてから、若狭路へ向かう。狙いは、若狭のオニだ。
しかし、
昨日から、冷気が北陸へ侵入している。朝夕はめっき涼しくなってしまった。日中でも日陰は快適だ。よ〜するに秋になってしまったのだ。
おまけに、月齢8。

法定速度を尊重しながら急ぐ
<若狭路へ>

北陸道を降りたらすっかり夜だ。急がねばなるまい。
更に若狭路を、ブナ林へ向けて走り抜ける。

ネオンが素敵
<ブナ林へはまだ遠い>

今夜のポイントSHIは、昨年、灯火を2回実施している。いずれも、ミヤマ、コが飛来したブナ林だ。ただし、8月下旬の灯火は初めてなのだ。
野ウサギと日本ジカが徘徊する林道をブナ林まで駆け上がる。さほどではないが、ここも林道が荒れている。
予め決めておいたオープンスペースへ侵入し、早速屋台を組み立てる。
けど、月齢8。

50万ワットのあかるさ?
<雲間に見え隠れ>

おまけに、北風が強いので、スクリーン無しのスタートだ。
苦肉の策だ、蛍光灯をすべてフレームに吊り下げることにする。ハロゲン灯はブナ林へ照射を開始する。
さ〜ぁ、どないだ?

スケルトンな装置
<撤収はチョー簡単>

北風が吹く月夜な灯火が始まった。期待は大きいのだが、状況は許してくれない。それでも、少しずつ外道が集まり始め、灯火らしくなってくる。
北風が、一瞬止む時がある。この時、蟲は一斉に動くようだ。
余りにも蟲の集まりが寒いので、深夜徘徊をすることにした。
ぢつは、
このオープンスペースは人工的に作られたもので、傍らには、伐採されたブナやスギが転がっている。
特に、
直径1m、長さ5mもある、巨大なブナの切り株が程よくこなれて鎮座しているのだ。
クワ材としてはOKなのだが、場所が場所だけに乾燥している。
ともかく、
懐中電灯で探ってみまひょ。

コクワの尻に違いない。
<クワ尻発見>

乾燥気味とはあれ、程よく朽ちている。
自分で掘った穴に、コクワの尻を見つける。まずは、ピンセットにてほじくり出して採集する。

今年は貴重なコクワ
<新鮮な印象のコクワ♀>

とんでもなく長い間、クワを見ていなかった様な気がする。実際、ヒラタ、ミヤマ、ノコ達の♂をまだ見ていない。情けない話だ。
さらに、
この巨大な切り株を調べてみよう。食菌昆虫達が活動中でありました。
以下イロイロ、4種類のキノコムシを採集する。なかなか綺麗な蟲達だ。

さて、少ないながらも甲虫類が集まって来たようだ。
月の入りが近づいた頃から、蟲達が騒がしくなってきた。

  

ノコギリカミキリは、慌しく、飛来したかと思いきや、暗がりに向けて走り出す。
コの♀が飛来するが、迫力が乏しい。
肝心のオニは、影も形もない。

右の触覚が破損したハンミョウが飛来する。美しい個体だが、破損した触覚が痛々しく夏の終わりを告げている。
あ〜ぁ、夏が終わるのか。遣り残したことがいくらでもあるのに。

晩夏の灯火はいつまで続くのだろうか。

採集結果
  コクワガタ       2♀♀           

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