8月22日(金)

8月に入っても、梅雨前線が日本列島に居座っている。北上、南下の合間を縫って今夜もライトトラップである。
ここ2〜3日は、連日真夏日が続き、アブラゼミの鳴き声には殺気すら感じてしまう。短い今年の夏、セミ達もストレスが溜まった事だろう。例年、ツクツクホウシが鳴き始める時期なのだが、まだだ。え〜っと、セミの鳴き順は、ハルゼミ→ニイニイゼミ→アブラゼミ・ヒグラシ→ツクツクホウシ→チッチゼミで終わる。はれほれの近辺では、ホーシ、ツクツクホーシ、ツクツクホーシ・・・、と来たら、夏は終わりだ。
四度、NM峠へ向けて出撃する。今夜は月齢がよく、天候が安定していて安心である。
おっと、レーダートラップをしている注意・注意!
今夜も交通安全だ。


<田圃が色ずく>

ポイントに到着して、我が目を疑った。既に、屋台が広げられているではないか。先週のこのポイントで、オニ、ヒメオオオを、ヤナギの下のドジョウのごとく、ルンルン採集の予定がもろくも崩れ去ってしまった。次のポイントにも屋台がある。先行者がいたので、ご挨拶となった。岐阜のTJさん、今夜は二張りにて、カミキリ狙い、本命は、やっぱりヨクヤマくんでありました。よさげな場所が見つからないまま、ブナ林内の車寄せに屋台を広げることにした。複雑な心境だ。『三度、同じ場所で屋台を広げるな』との、神からのご指示かもしれない。前向きに、状況を捉えよう。前向きにね。
今夜は、晴天なので、ライト類はフル稼働である。ガン、ガン、集虫力を発揮して欲しい。


<いつもの深山>

ムシの集まり具合が低調な中、ミヤマ♀が飛来して、ちっとは、落着く。そんな中、TJさんが、クルマで2ヶ所の屋台を往復する。途中、はれほれの屋台に止まって声がかかるのだ、『アカアシがペアで来ましたよ。』 うっ、動揺の極みだ。今夜はだめかな〜ぁ。
暇なので、TJさんの第1屋台を訪問してみた。細引きで頑丈にフレームが固定されている。水銀灯、誘蛾灯、ブラックライトの3種類のラインナップだ。水銀灯で遠くのムシを引き寄せて、短波長光線にて着地させる作戦のようだ。ナルホド・ザワールド。確かに、ムシが多い、外道も多い。
いきなり、TJさんから、さっき採れたてのオニ1♂1♀を頂いてしまった。大変嬉しいのだが、びみぉ〜に複雑?


<コイツに来て欲しい>

前向きに考えよう。オニは、9:30以降にも来るはずだ。
自分の屋台に戻って、今一度、点検する。ムシが少ない。夏が行過ぎてゆく。今夜はだめか〜ぁ。


<撤収は簡単そう>

9:00過ぎから、ムシの動きが再び活発になる。不思議なもんだ。

  
<コペアー飛来>

屋台から少し離れて見ているのだが、気が付かないうちにムシが集まっているようだ。ノコギリカミキリ、ホソカミキリ、ハンノアオカミキリが複数飛来している。


<この個体はデカカッタ>

地面に敷いたシーツに、オニ♂が飛来した。予想どおり、9:30だ。今夜の目的のムシが飛来してまずは目出度し。


<初めての飛来>

オニ♂とは、2年ぶりの再会である。前回は、材割にて採集している。ワイルドな個体は、生々しい迫力があっ魅力的ですね。


<あと、9匹来い>

今夜は、外道の個体数は貧弱だが、種類数は多い。

  
<モドキ2種>

おまけに、このオオゾウムシくんのサイズがずば抜けてデカイ。TJも驚いていた。通常の個体が人差し指なら、この個体は親指のサイズだ。きっと、慌てず、焦らず、マッタリと幼虫・蛹の時期を過ごしたに違いない。


<親指サイズ>

などと、TJさんと騒いでいたら、足元にオニ♂が来ている。注意深く、こまめにアスファルトをルッキングしていて良かった。危うく、踏み潰すところだった。それから、この個体、一見してサイズがデカイ。さっきのオオゾウムシごとくでかいのだ。


<一瞬???>

画像を見て欲しい。大あごの発達もさることながら、ボディ自体に厚みがある。最初、この個体を見たとき、別種だと思ったくらいだ。


<ね、>

この直後に、オニ♀がスクリーンの上縁を歩いているところを見つけて、摘む。一時は、ど〜なることやらと心配だったが、何とかなって良かった。オニ2♂♂1♀の結果だ。
11:00を過ぎても、ムシの活動は活発である。放射冷却の影響で気温低下がすすんでいるものの、林の中はなんとなく暖かい。スジとミヤマが飛来する。いずれも、アスファルトに着地する。

  
<遅い訪問者>

12:00近くになり、流石に眠くなってきた。ほどなく、発電機のガソリンが空となり撤収を始める。ガソリン満タンで5時間の発電でした。
今日の撤収は、簡単であった。さっさと片付けて、TJさんに挨拶をしてから、帰路に着いた。眠い。

  
<山は寒く、眠い道が続く>

自宅に戻ってから、オニのサイズを測ってみた。ご覧の通りだ。やっぱりデカイ。


<体長24〜25mm>


<横顔です>

さて、今回は、予定していたポイントでの屋台の設営ができず、急遽、行き当たりばったりの場所での勝負となった。当初、諦めム〜ドが漂ったものの、出るものが出てホント、安心した。やはり、三度場所を同じゅうせずだ。屋台は、毎回毎回、初舞台のつもりで緊張感を持って臨めということなのか。
今季、まだ屋台に行けそうだ。ウッシッシッ。

採集結果
ミヤマクワガタ     1♂2♀♀(リリース)
アカアシクワガタ    1♀(リリース)
コクワガタ        2♂♂1♀(リリース)
オニクワガタ      3♂♂2♀(1♂1♀頂き物) 

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