3月23日(日)

桜の開花予想が話題となってしまった今日この頃、この3連休を有効に使いたいものだ。3つのうち2つを浮世の義理に使ったら、1つは我がまま言わせていただけるだろうか?
妻な人を拝み倒して1日を確保する事に成功する。1日、つまり24時間である。仮眠に5時間、採集に5時間、残りの14時間を往復の移動に使う事が可能である。片道7時間の移動距離は7×70=490km。さあぁ、四国へリベンジを果たしに赴こう。
用意万端整えて、福井を前日の19:00に出発する。今回は、はれほれ一人のちと寂しい遠征である。
『迷わない、ちゃまらない、事故らない、忘れ物しない、迷惑かけない。』と、独り言を呟きながら、福井ICを目指す。
余談だが、かつて採集への途中で、はれほれは、迷ったり、ちゃまったり、事故ったり、忘れもしたりしている。くれぐれも、怠り無きよう事を運びたい。
さて、北陸道から名神高速へ、順調に進み大津PAで一服する。パサートの調子は宜しい様だ、スタッドレスからノーマルタイヤに履き替えたせいか、幾分、お尻が安定している。さあ、先を急ごう。中国道から山陽道を経由して、淡路島に上陸する。前回より早い時間帯の走行だ。大橋のライトアップが美しい。相変わらずデカイ橋だ。徳島市からは、ひたすらR55を南下する。時々、睡魔が襲ってくる。傍らいにあるリポDを飲んでも構わないのだが、できれば、切り札にとっておきたい。途中、コンビニにて休憩しながら更に南下する。今回の目的地は、前回のポイントより数10kmほど南下した場所である。
上弦の月が、高くなり始めた頃に、ようやく目的地近くのPAに到着する。後部座席でシュラフに潜り込むがなかなか眠れない。波の音が邪魔な事もあるが、ナイトドライブの興奮がいまだ続いているようだ。夜明けが楽しみである。ルイスツノ、マメ、ネブトが採れるだろうか?


<明けてしまった>

不思議なもんで、日常のごとく5:30に目が覚めてしまった。近くのトイレで用をたしてから、海岸に出て海を見ることにした。そう寒くはない、海の彼方が赤く染まり始め、周囲が次第に明るくなってきた。地球は回っている様だ。これからの5時間が勝負だ。
朝食を済まし、装備を整えてから、予め目星を付けておいたポイントへ進入した。
さすが南国である。ジャングルじゃあ〜りませんか。巨大なスダジイとツタ、何故かサトイモのお化けまである。多湿の極みの林床には、美味しい倒木がド〜ゾとばかりに転がっている。では、遠慮なくガンガンいかせて頂く事にする。目指すは、シロアリのコロニーである。


<オキナワみたい>

早速、シロアリたちと共に小さな幼虫が出てくる。君は誰ですか?ネブトくん?、ルイスツノくんなら近くに成虫がいるよね。


<Who?>

調子に乗ってガンガンいっていたら、マメらしき個体を落としてしまった。これはいけない、注意深く、落ち着いて採集しましょう。
そんな訳で、怪しい材を見つけ出して、落ち着いて削ることにした。まず、ターゲットを出す事が先決だ。


<美味しくもあり怪しい材>

早速、マメが出てしまった。あまりの小ささに我が目を失ったが、外道ではない。正真正銘のマメクワガタである。チビとの区別が心配だったが、一目瞭然だ。


<最初のマメ>

連敗を免れた安堵感が漂う。残った材を更に削ると、不明幼虫が幾つも出てくる。チビの幼虫か? チビの幼虫は白枯れ材にいるんじゃないの?
コクワの若齢幼虫か?
Cでないし、オオアゴが湾曲している。コクワじゃないのは確実だ。ちなみに、太目の落枝の中心部分には、丸々と太ったコクワ幼虫が高頻度で入っている。


<ネブトにしておこうかな>

解んないので、とりあえずネブトの幼虫にしておきましょう。
おおっ、次の材も当りの様だ。太目のスダジイの材だ。ゆっくり、樹皮を剥がすと、赤茶けた材が出てくる。これを注意深く削っていくと小さな食痕が表れ、成虫の御登場となった。幼虫も追加される。やはり、幼虫はマメか?


<赤矢印の先にマメ>

どうやらこれがマメの発生木の1つのパターンの様である。最初の個体は、シロアリと同居してたが今回は単独である。それから、この材を思いっきり割ると内部からコクワの幼虫が出てくる。


<こんな感じ>

蛹部屋から出てきたのか、どうだかは不明だ。とりあえずマメ。


<こんにちは初めまして>

思いっきり接写して画像を頂く。確かに頭部の形態がチビとは異なる。チビのほうが好戦的な顔をしていた。マメは優しい感じがするね。
樹皮を剥がすと一面黒フレークの中から蛹が2個体出てきた。なんだろう?リリースしてしまった。何でリリースしたんだろう?頭部の突起が気になるのだが。後肢のフセツが長すぎる。置いてきただなんて採集者としてあるまじき行為だ。


<再び Who?>

さて、採集した疑惑の幼虫達を見てみよう。
ネブトだったら、体型が根太いし、もっと大型の幼虫が出るはずである。ルイスツノなら、体型がもっと細長かったような。
小さい個体は、なんとなくルリ幼虫にも似ている。


<疑惑>

アップするとこんな感じ。どんな種類のフレークを使って飼育したのもか悩んでしまう。少々材とフレークを頂く事にする。


<3ヵ月後には成虫だろうね>

さて、一段落着いたので、別な場所に移動することにした。この場所で粘ってもいいのだが、折角こんな所まで来たので、他の林の様子も伺いたいのだ。
パサートで移動する。
四国は春本番のようだ。


<シロバナタンポポ>

再び、照葉樹林に突入するが、何所も彼処も乾燥が激しくからきしダメである。外道すらいない。
最初のポイントは外道が多かった。ヤスデ、ゴキブリ、ダンゴムシ、コメツキと大型天牛の幼虫、トカゲや小型のコオロギまでいた。
ど〜やら、最初の照葉樹林へ戻った方が良さそうである。でも、何故あそこの林だけが湿潤なんだろう。


<春本番>

再び、最初の照葉樹林で材割りを開始する。ルイスツノ狙いで、割り始めるが出てこない。マジでネブトも捜してみるが出てこない。
いつしか、巨大なスダジイがブナに見えてきてしまった。所変わっても相通ずるものがあるのだろうか。
大きめの倒木を発見する。かなり劣化が進み、内部は空洞である。劣化を免れた樹皮だけが残っている。もしやと思い一撃を加えると幼虫が出る。
これはいけそうである。まとめて抱えて、広場まで移動してからゆっくりと材割りをすすめる。
今回は、サバイバルナイフでじっくりいきましょう。


<赤材を食らう>

樹皮の裏側についている赤フレークを少しずつ削っていくと、幼虫が次から次と出てくる。
少し固めの白材を削ると、ぽっかり穴があき蛹室が現れ成虫が入っている。ビンゴのようだ。こんな所でマメが発生している。


<蛹室から出てきたマメ>

更に、慎重にサバイバルナイフで削りまくる。今度は、シャアが出る。ホントに発生木だ。
う〜ん、照葉樹林の中で一人悦に入る。波の音とヒヨドリの鳴き声の五月蝿い中だ。


<シャア>

マメ本体のスケールが小さいように、発生環境も小さいようだ。ほんの取るに足りないスペースで世代交代をすすめている。恐るべしマメクワガタ。
それだけ、ここの照葉樹林のニッチが豊かなのだろう。


<マメの幼虫で一件落着>

ルイスツノが出なかったのが残念だけどこれにて撤収することにする。おそらく、マメとは別の環境にルイスツノがいることだろう。
そうだ、お土産にこれをもって帰る事にする。


<今日のお土産>

このまま、保存して、幼虫が成虫になる頃に暴く事にしませう。楽しみだ。
さて、これからが大変なロングランである。いざとなったらリポDだね。


<サンクス今日の照葉樹林>

延々とR55を北上し、高速に突入したが遂に渋滞に巻き込まれてしまった。


<事故渋滞ですね>

はれほれは渋滞の経験が殆んどない。1年に1〜2回の経験である。今年の大雪のR8と2年前のニセコルリの奈良渋滞かな。
こんな時は、カロナビもあてにはならない、ほんの気休め程度である。


<過去の情報>

さて、自宅到着は、17:35であった。中身の濃い24:35でありました。マメオンリーだったのがチト寂しい限りでありましたが、満足の行く遠征でした。お土産もあるし、宿題(ルイスツノ)もあります。
いや〜、これだからクワ採集はやめられませんな〜!

採集結果
マメクワガタ(成虫)  4exs
マメクワガタ(幼虫)  多数

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