5月25日(土)

寒気が流れ込んだ不安定な天候が続いたものの、今週末はスカーッと晴れそうである。コルリシーズン真っ最中ではあるが、4ヶ月前に行った雪中材割の後始末をする為に、岐阜県 飛騨地方HOLへ赴く事となった。辛い思いをした3回の雪中材割であった。しかし、雪が消えると一体どんなブナ林になるんだろうか楽しみである。また、此処の赤材よりツヤハダの死骸を出しているので、是非、現物を拝みたいものである。ついでに、ブナの新芽にコルリがいたらラッキーだよね。非常に楽しみな採集地である。
夜明け前に起床し、身支度を整え、順調に北陸道を北上し、雪中材割と同じ駐車場にパサートを停める。


<ピーカン>

天気は上々である。装備の入ったリックを背負い、元気よく歩き始める。かつては、全てが雪に覆われてチンプンカンプンのブナ林だったが、よくよく見ると美味しいそうな材がある、ある。途中での道草を一切せず、ひたすら歩く。当然、スキーより早く現地に着くのだが、久しぶりの登山なので、ヒィヒィ状態である。体力増進のためにもクワ採集は欠かせないかもしれない。
早速、ブナ林に分け入るが、4ヶ月前と随分勝手が違う。ブッシュが行く手を阻む、さらに、目的としていた赤材が見つからない。雪が消えると、別のブナ林へ変貌するのか。歩きやすい旧登山道を見つけて、ゆっくり、材を探しながら登る事にした。
黒材は、いくかあり、早速割ってみると、スジらしき幼虫が、テンコ盛りで出てきた。


<微小幼虫まで出る>

オニかな?。


<スジかな?>

いい加減に、幼虫の同定テクニックを身につけたいもんだ。
立ち枯れも何本かあり、テキトーに叩いて、例の赤材を探し続ける。30分間ほど、うろついた挙句、やっと見つける。
雪中の時は、30cmしか見えなかった材は、今や、2m以上の大きな立ち枯れである。背丈より高い場所に、削った痕があるじゃないか。当たり前だが、美味しい部分は、あの時は雪の中だったのだ。さて、美味しい部分を削り始めるが、死骸しか出ない。ど〜〜〜やら、終わった材のようである。という〜〜〜ことは、近くに、現役の材が必ずあるはずだ、探し始めると、5mと離れていないところにあ〜るじゃあ〜りませんか?。


<全長4m>

色といい、湿り気といい、硬さといい、ツヤハダくんゲットーの確率が高い。早速、慎重にアタックを開始する。材は硬いが、ガンガンいく。すると、まず幼虫が出る。ほそ長く、美白で、ベンツマークのあるツヤハダ幼虫である。


<久しぶりだ>

しかし、今回の狙いは、ツヤハダ♂である。さらにガンガンいくと。何か出てきた。


<おっ、久しぶり>

♀が、赤材の中から這いずり出てきた。よっしゃ〜。
ど〜も、この材は若齢幼虫が多すぎる。おまけに、死骸まで出てきてしまった。4mの赤材は、緩やかな斜面の縦方向に横たわっている。はれほれは、上手の部分から削り始めたのだが、よ〜く、考えてみると、下手の部分の方が湿潤で早い段階で赤材になっているはずだ。若齢幼虫を赤材に埋め戻してから、下手から削り始めた。


<若例幼虫が多い>

当たりの様だ。いきなり、念願の♂が出てきた。


<蛹室から出た♂>

はれほれは、野外で初めてツヤハダの♂を見た。何て変わった生き物が世の中には存在しているんだろうか?。


<意外とデカイ>

ルイスツノの時もビックリしたが、これもまた驚くべきクワガタだ。続いて、2つ目の♀。


<これも蛹室>

ツヤハダアパートを夢見たがそう簡単ではなさそうだ。再び、♂が出る。


<チョッと小ぶり>

丁度、正午である。この辺で、後始末を終了して、上手のブナ林へ移動することにする。コルリが新芽に来ているかもしれない。飼育用の赤材をリックに詰め込み、移動を開始する。赤材が重い。
行く手に、変な光景が広がっている。


<丸太がゴロゴロ>

近づいてみて、分った。河を堰き止めるまでの大規模な雪崩があった様だ。


<雪がいっぱい>

やがて、落ちつたブナ林が現れる。野鳥がさえずり、気持ちのよい林だ。ぶらつくにはもってこいの林道だ。


<新芽がいっぱい>

林道脇には、ブナの幼木があり、これから芽吹く芽が多い。チト時期が早いようだ。


<悪くない>

コルリを探すが、影も形も見当たらない。さらに、他の昆虫たちも見当たらない。まだまだ、昆虫たちの活動時期に来ていないのかもしれない。
昼飯を食べていると、足元に沢山のブナの実のイガが落ちている事に気が付いた。昨年のものである。


<オナモミに似ている>

赤材を探すが見当たらず、コルリもいないので、撤収である。重〜いリックをしょって、1時間足らずで駐車場に、フラフフラ状態で戻る事ができた。体力が弱っている。情けない状態だ。


<今日の収穫>

いつものように、タンタンラーメン目指して、睡魔と闘いながらのドライブとなる。しかし、今日は救世主が現れた。


<救世主現る>

パサートの前を走る車に注目!。このイヌがなんともオモロイ表情をするので楽しいドライブになった。基本的には、ぼーっとしたイヌなんだけどね。
さて、今回は、雪中材割の後始末という事で、ツヤハダが採集できて目出度い事である。
しかし、自分が削った痕が、2mの高さに付いている現実を見たり、更に、雪崩崩落現場の凄まじさを見ると、雪中材割が非常に危険である事が再確認できる。さあ、来年の雪中材割が楽しみだ。

採集結果
ミヤマツヤハダクワガタ(幼虫)   8exs
ミヤマツヤハダクワガタ(成虫)   2♂♂2♀♀
スジクワガタ(幼虫)         9exs   

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