2月9日(土)

予てより計画してあった、紀伊半島南端への遠征を実行する時が来た。狙うは、ルイスツノ、ネブト、チビ、マメである。
前回までの雪中材割りの悲惨な結果を払拭すべく、爆発的な成果をついつい夢見てしまう。しかしながら、初挑戦であり、情報も乏しく、自分の経験と五感を現地にて最大限発揮しないと、またまたボ〜ズになりかねない。心して掛かりましょう。
そんな訳で、久しぶりにとしお〜んと共に出撃である。2人で、福井を8日(金)19時ジャストに出発する。ひたすら南下を続け、真夜中に現地近くの駐車場にて車中泊となる。今回は、2人とも風邪気味で、調子が今一である。シュラフに潜り込み爆睡する。


<太平洋の日の出>

6:30に起床し、早速、第1ポイントで、材割を始める。「もし、ルイスツノが採れたら、寿司屋で昼食だね。」と、2人でお約束してから、シイの倒木を割り始める。多少乾燥していても、内部が、黒く土化していればベストである。若い倒木を割るとコクワ幼虫が出る。丁重にリリースして、割り進むが、肝心の小さな黒い個体が出ない。としお〜んの方も手ごたえなしである。何せ、初めての本格的な照葉樹林材割である。右も左もわからない。まだ時間に余裕があるので、第2ポイントへ移動する事にした。この時点で、2人とも最悪の体調である。クシャミは出る、鼻水は出る、睡魔に襲われる、寿司屋は遠のいたようだ。意気消沈しながら、いよいよ第2ポイントの直前になって、何故か、はれほれの携帯が鳴る。たんたんさんからだ。なんと、たんたんさんは、近くに来ていて、ルイスツノを出しているらしい。第2ポイントに行けないのは、多少心残りだったが、予定変更して、W・Wへ直行する事になる。たんたんさんの神の声で、俄然、2人は元気になる。あ〜、ルイスツノをゲットして、寿司屋に行ってマグロを食べよう。
カーナビお姉さんの案内で、首尾よく、たんたんさんと落合う事ができた。今度は、3人で、照葉樹林にアタックする。


<照葉樹林の向うは太平洋>

3人ばらばらで、照葉樹林に分け入り、材割を開始する。はれほれは、どこから、手を着けていいのか解らず、ウロウロさ迷い、何も手がかりなしである。何気なく、「福井のチビは、枯れ木の樹皮下にいたな〜ぁ。」と、思い出して↓の枯れ木の樹皮を剥がすと、黒い小さなゴミムシの様な塊がへばり付いているではないか、ルイスツノだ。


<何気ない枯れ木>

慌てるなと自分に言い聞かせながら、手にとり、ツノを捜す。ゴミの中からツノが出る。


<初めてのルイスツノ>

いや〜、お疲れ様。やっと、1つ採れました。オオアゴの様なツノが特徴的だけど、全体的なバランスがイイ。何だか、ツヤハダを思い出してしまった。雪中材割の憂さを晴らす時が来た。周りには、必ずいる。感動よりも、闘争心に火が付いた様だ。風邪どころではない。


<手の平で気をつけい>

数メートル離れた所に、何の変哲の無い材が1本転がっている。何か匂う。早速、第1刀を入れてみて驚いた。


<この材の上の部分>

ルイスツノのアパートであった。ビンゴ〜、いる、いる、蛹部屋だろうか、成虫が材の隙間に身を寄せている。幼虫もいるが、成虫の方の数が多い。じっくり観察させていただく。この材には、シロアリがいたが、ルイスツノとは、棲み分けしている様だ。幼虫は、黒い土化したフレークを食べているのではなく、排泄物が黒い土化フレークの様だ。もー、興奮して、画像を撮りまくる。


<こんなん>


<出てきて逃げる>


<顔を出す>

思った通りだ。この数メートル圏内に大きめの発生木が在るかも知れない。今度は、大きめの倒木・立ち枯れをさがしてみる。これまた数メートルはなれた場所に、斜めに倒れたスダジイの枯れ木がある。湿度の高い下の部分から慎重に割り始める。最初、白ありが大量にに出る。それに混じって、ルイスツノの幼虫も数匹出てくる。両者の生活圏は非常に接近しているようだ。幼虫がアリに噛まれて、傷つくか心配だったけど、よーく見ると、画像に映っているシロアリのオオアゴは非常に小さい。攻撃性も低いようだ。面白い現象だ。ネブトの幼虫についてもシロアリとの関係の記事を読んだ事がある。シロアリもろとも幼虫ルアーケースに入れる。


<不思議な関係>

更に、上へ向かって削り進むと、シロアリはいなくなり、ルイスツノだけの世界になる。また、また、当たりの材だ。幼虫、成虫が出てくる。紀伊半島は、ホント、暖かく、↓の様に、成虫は、這い出してくる。

  
<三連射>

たんたんさんが、様子見にやってきて、隣の材を削り始め、ガン、ガンして、いとも簡単に、ヒラタを出す。お〜、スゲ〜。和歌山産ヒラタだ、デカイ、栄養満点、としお〜んが持って帰る事となる。

  
<和歌山産ヒラタクワガタ>

ボチボチ、ルアーケースが満腹に成って来ました。さあ、寿司屋へ行こう。としお〜ん、寿司屋へ行こう。寿司屋へ行って、お祝いしよう。


<粘るとしお〜ん>

たんたんさんは、我々と別ルートでご帰還、われわれは、寿司屋で食いまっくってから、帰路につくこととなった。
今回は、何と言っても、たんたんさんが神様に見えた。有難うございました。それから、はれほれは、南紀の魅力にはまってしまったようだ。南紀はオモロイ!、次回は、チビ・マメ狙いだ。まだ、まだ、行ってみたいポイントはいっぱいある。今週中に、風邪を治しておきませう。
いや〜、これだから、クワ採集はやめられまへんな〜。

採集結果
ルイスツノヒョウタンクワガタ(成虫)    14exs
ルイスツノヒョウタンクワガタ(幼虫)     9exs

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