10月6日(土)

先週は、地区の運動会であった。町内子供会会長のはれほれは、お菓子の用意、ジュースの準備をして、早朝からあれこれ雑用に振り回された。皆に喜んでもらったので嬉しいのだが、クワ採りに行けなかったので、チョッとご機嫌斜めである。
はれほれが、2週間ぶりに向かったのは、石川県加賀地方PCHである。同地へは3回目の採集となる。今回の目的は、ヒメオオ最遅採集記録、ルリ・ヒメオオの材割採集、できればツヤハダ材割である。クマよけグッズを携帯しながら林道を登っていく。


<ぼちぼち紅葉か?>

以前としお〜んが削った、ブナの立ち枯れを削ってみる。ゆっくりとナタで表面を少しずつ削いでいく。食痕が多数表れ始めるが、無視して削り進む。

  
<出始めたルリ幼虫達>

コルリより断然大きい幼虫が出てくる。いちいち食痕を追跡必要はない。<・>マークが無い所からも出てくるので、過年以前に産卵されたものだ。比較的柔らかい材を取り出し、素手で割ってみる。しっかり幼虫が入っている。


<素手で割り出す>

ようやく、成虫を割り出す事に成功するのだが、右上しを破損させてしまった。痛恨の一撃だ。ところで、このルリ♀の色が黒い。先々週、ラーメンで採集したルリ♀はブロンズ色だった。


<痛恨の一撃>

2匹目の成虫を求めてどんどん削り進む、成り行きとして上から下に削り進むのだが、地面すれすれである。思い切って、朽ちかけている根元に一撃を加えると、今度は、Dorcusである。大きな食痕が現れ幼虫が2匹顔をのぞかせている。


<アカアシくんじゃないよね?>

多分、ヒメオオでないの〜。ちなみに、周辺からは、ヒメオオの成虫しか採集されていない。アカアシは見たことが無い。


<こっちはルリの幼虫>

そんな訳で、1本の立ち枯れより、ルリとヒメオオが採集できるという、お買い得な経験をしてしまった。ヒメオオの成虫を探してみよう。ここから先へ進むに従い、ヒメオオの個体密度は濃くなるのだ。ヒメオオとブナの立ち枯れを捜しながら歩き始める。以前採集したポイントをくまなく見てみるが全くいない。ヤナギ、カンバの樹液は枯れている。天気はうす曇、気温15℃であり、ハイキングには快適な日和である。


<あっ、見〜けっ>  

やっぱり、のん気なオスがいた。いつものように、パラソルをセットしてから画像に納める。ど〜れ、落ちて来なはれ。

  
<ずぼらなパラソル採集>

45mmの立派な新成虫♂であります。当然、リリースです。崖の上に目立つ立ち枯れがあったので気合いを入れて登ってみた。あった、あった、<・>マーク。けど、新しすぎますね。今年のマークみたいなのでパス。


<新鮮すぎるマーク>

せっかく登ったので、他に材は無いかと物色すると、あるある。黒赤くボロボロに朽ちた切り株がある。マークは無いが、予想通りルリの幼虫が出る。それに混じって、チョッとデカイ幼虫が出る。う〜ん、オニ?スジ?
これにて終了となる。
1人とぼとぼと下っていると、下から軽四駆が上がってきた。おじさんが運転している。挨拶すると、いきなりクマの話になった。今年は、ブナの実が豊作なので、クマは山奥にいるらしい。不作の年は人里に降りる。呼子をおじさんに見せると、一笑されてしまった。最近のクマは、ヘリや発破の音に慣れてしまい。呼子ごときでは動じないとのことだ。さらに、クマは相手が弱そうな女・子供を襲い、強そうな大人には手を出さないとのことであった。軽四駆でこんな山ん中に来ている理由がわかった。丁重にお礼と述べて別れる。アホらしくなったので、呼子を止め、歌を歌いながら歩き始めた。鈴の音が静かに響く。それにしても、やけにクマ事情に詳しいおじさんだ。猟師?
無事、パサートにたどり着き帰宅する。

ルリクワガタ♀の色彩個体変異を比較してみました。
左はブロンズ色であるのに対し、
右は黒青色であります。
こりゃおもろい。


<左:ラーメン、右:imo>

採集結果
ルリクワガタ(成虫)    1♀
ルリクワガタ(幼虫)   14exs
ヒメオオクワガタ(成虫)  1♂(45mm)リリース
ヒメオオクワガタ(幼虫)  2exs
オニクワガタ(幼虫)    2exs
不明(幼虫)         1ex

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