9月2日(日)

前回の好成績に気を良くしてしまい、今回は、思い切って富山県のヒメオオを狙ってみることにした。しかしながら、石川県以上に、越中富山のクワ情報は乏しく、何処から手を付けたら良いものか、悩んでしまう。山的には、北アルプス北部を占め、3000m級の高峰が並んでいる。有名な登山ルートが何本もあり、これを頼りに候補地を選定していくことにした。狙うは、某高峰の裾野に広がる1000m付近のブナ林である。このポイントDGのブナ林へは2つのルートがある。表と裏である。当然、裏のルートで接近し、表で撤収のプランを立てる。
夜明けと共に、自宅を出発する。北陸道を富山ICへ向けて北上する。休日だというのに、相変わらずガラガラ状態だ。まさしくフリーな道だ。順調に、富山ICでおり、カロナビの案内で国道から山道に入る。なんだか不安になってくる。3kmほど走ると、いきなり未舗装の悪路が始まった。前回の新規開拓でも未舗装悪路で、苦労した覚えがある。基本的には、パサートで走ってはいけない道である。クルマとタイヤをいたわりながら、1速2速のノロノロ運転が続くのである。そんな中、やたら看板が多い。


<@>

  
<A>                            <B>


<C>

ここ最近のクワ採集で、いろいろな動物たちと必ず出くわしてきた。今回、遂にツキノワグマとご対面なのだろうか。ところで、Bの映像のクマのスケッチは、ツキノワグマでなくヒグマっぽいね。
標高が1000mに近づいた頃になって、ヤナギが路肩に現れ始めた。危険だが、ついついわき見をして、クワを見つけてしまった。


<頭を突っ込む>

ヒメオオの♀にしては小さく、スジにしては大きい。正解はコクワの♀だった。スローな滑り出しだ。
ようやく、分水嶺を越えると、待ちに待った舗装道路である。パサートが生き返る。


<北アの眺め>

一息入れ、作戦を練り直すことにする。この先の道は、良質なブナ林といえど、舗装道路のため、黒いクワは居ないだろう。脇道を攻める事にする。
最初の脇道の入り口に駐車して、歩き始める。時間は、9:35であり、黒いクワの出勤時間には少々早いかもしれない。標高1200mのこのブナ林は実に見ごたえのある林だ。所々のオープンスペースのヤナギ等のルッキングを開始する。いない状態が続く。遂に、道が切れてしまった。行き止まりである。怪しい黒い塊を2度ほど見つけ、アタックするが、ゴミだった。仕方なく。ボ〜ズか〜と思いながら引き返す。10:30ごろ、ようやく黒いクワを発見する。


<これまた目立つ黒い塊>

このヤナギは、来るときに1度ルッキングしたものである。単独♀を見逃し、♂とのペアリングで目立ってしまい、今に至ったのだろうか?とにかく、ネットインしない事には話しにならない。長竿にネットを装着し、黒いクワの下に滑り込ませる。まずは安心。スプリングネットで小枝を叩いてみる。すぐに♂が反応し、威嚇のポーズをとる。「落ちないと困るな〜。」と、思いきや、あっさり、♂がネットイン、ワンテンポ遅れて♀もネットイン!根性のないペアでよかった。


<越中富山産♂>

ほ〜、良かった。苦労して来た甲斐があった。

  
<良質なサイズのペア>

とりあえず今日の目的の1つを果たす事が出来た。さて、周りを見渡してみる。あった、あった、ブナの立ち枯れが。


<侮れない立ち枯れ>

今回の発生木は、これのようだ。近づいてみると、道の脇に倒木が転がっている。この立ち枯れから来たものらしい。断面を見ると???。


<脱出口と食痕>

断面を見ると、何かの脱出口と幼虫の食痕が確認できる。今しがた採集したペアーは、ここからあのヤナギまで歩いていったのかもしれない。一般に、ヒメオオ採集は、ヤナギを捜す事から始まる。しかし、ヤナギは多い、何処にでもある。まず、ブナの立ち枯れ・倒木(発生木)を捜し、次に周辺のヤナギ等をルッキングした方が、クワ発見の確率は高いように思える。また、ブナの倒木のある場所は、オープンスペースに必ずなっているので、ヤナギは発見しやすいはずだ。
2つ目の脇道にチャレンジするが、クワなしであった。
早々にランチを摂り、当然、表の道からの撤収になる。しかし、これまた、とんでもない道であった(一応、舗装道路でした)。早めに、帰宅して、家族サービスだ〜ぁ。
新規開拓@ヒメオオin富山は、一応成功かな?あと1ペアー追加が欲しかった。(言い出したら切りがない)
次回は、大胆にも、滋賀県かな?

採集結果
ヒメオオクワガタ(成虫)   1♂(50mm)1♀(37mm)

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