8月13日(月)

8月もすでに半ばを迎え、ヒメオオの噂が色々な所から聞こえてくる。ヒメオオを採りに行く前に、ぜひ、片付けておかなくてはならない8月のクワがいる。オニクワだ。世間では、評価が低いようだが、はれほれ的には、見逃せないクワだ。南アと紀伊の憂さを晴らすべく、暑くなってからブナ林へ向かう。ライトトラップで寂しい思いをしているSYAのブナ林である。昨年はここで、マダラとオニの幼虫を出しているので、オニ材をピンポイント攻撃するのである。まず、運試しにヤナギを覗いてみる。


<お〜、いる>

首尾よくネットインすると、アカアシがペアで入っていた。


<またもや赤いアシ>

駐車場にパサートを停め、装備を整えてから登山道を登り始めたが、異常に暑い。こりゃ35℃は行ってるかもしれない。流れ出る汗を拭き拭き、ブナ斜面を登り始める。急登である。


<お〜、落ちてる>

カケスの羽が落ちている。コルリの材割のときギャ〜ギャ〜鳴いていた鳥だ。今日は、かわってミンミンゼミがうるさく鳴いている。この斜面を登りきってから、尾根筋を歩き始める。実に8ヶ月ぶりのこの場所だが、夏場には一度の訪れた事がないので、なんだか土地勘がずれている。ブナの密度が高まり、倒木も多くなってきたので、ルッキングを開始する。実は、はれほれは天然物のオニは見たことがない(飼育物ならある)。情報によれば、オニは倒木の上を歩いているらしい。早速、怪しいところからルッキングすると。いた、黒い塊。


<キマワリのようにオニがいるのだろうか?>

キマワリのようにオニがいてくれると嬉しいのだが、その後、キマワリすら見かけなくなってしまった。とりあえず、ブナの倒木を探すことにする。
昨年、秋くんと叩いたブナを見つけた。


<一冬越すと半分>

雪のせいだろうか、3mもあった立ち枯れは、半分以上が崩壊していた。試しに叩くが、出たものは、自分の汗だけだった。今度は倒木を叩くと、食痕が現れ、幼虫が顔を出す。


<コクワ〜>

今度は、蛹が出てくる。天然物の蛹を見るのは初めてである。ちゃんと蛹室に入っている。当たり前だけど凄い。

  

いよいよ、昨年、オニ幼虫を割り出した本命の黒材を割り始める。素手でも割れるくらいのボロボロ材である。積極的にナタでガンガンいくと、何やら変なムシが出てくる。う〜ん、コルリの時と同じだ。

  
<蛹室から這い出してくる>

君は、オニの♀でしょう。う〜ん、感激。材割で、新成虫を出す気分は最高! ヒラタの時も最高だった。


<歯ォポーズ>

おんなじ場所から、♂も割り出しに成功する。これで1ペアーだ。

  
<オニ・オニ・♂・♂>

いや〜、本命が採れて良かった。ルッキングなんて運次第だから当てにならない。
更に、蛹を割り出す。オニの成虫活動時期は、まだ先の様だ。あと2週間も経てば、この蛹は立派な成虫だ。さっきの成虫達は、材より脱出するね。

  
<♀のようだ、既に複眼が黒ずんでいる>

幼虫まで割り出してしまう。多分、オニだろう。スジの可能性も否定できない。


<とりあえずオニ幼虫>

右ひじの腱鞘炎と暑さとアブに悩まされたが、オニ材割りは成功だ。実の久しぶりのクワ採集成功なので実に嬉しい。また、FDFのブナ林でのオニ成虫活動時期の大まかな見当がついたのが収穫だった。次回は、ルッキングでの採集だ。キマワリのように材についているのだろう。多分。

採集結果
アカアシクワガタ(成虫)  1♂1♀(リリース)
コクワガタ(幼虫)     2exs
コクワガタ(蛹)      1♀
オニクワガタ(成虫)   1♂1♀
オニクワガタ(幼虫)   2exs
オニクワガタ(蛹)    1♀

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