2月25日(日)

昨日に引き続き、福井市内のξ川の河川敷に出向き、本腰を入れてヒラタを狙う。
三寒四温なんだろうか、今日は、朝から小雪が舞っている。JR福井駅の駅ソバで朝食を済ましてから出撃する。


<今日もヤナギです>

昨日のポイントより300mほど上流の、ヤナギ林に足を踏み入れる。ススキ、セイタカアワダチソウ、野イバラなどは、雪に押しつぶされ、見通しが良く、非常に歩きやすい。ヒラタのセオリーに従った採集をする。まず、枯れて古びた切り株を探す。目立つものより、夏草に覆われているようなひっそりとした物がいい。10分程ぶらつくと、適当なものが1つ見つかる。


<勝負をかけた切り株>

上の映像は、夏草を取り除いた切り株と、左に倒れている幹である。まず、倒れている幹を少々削って、様子を伺う。すぐさま、コクワの幼虫が3頭顔を出す。クワ母が産卵する朽ち木はコクワもヒラタも同じなのだが、幼虫は、明らかに棲み分けをしている。この幹には、コクワが住み、切り株では、ヒラタが住んでいるだろうと判断して、勝負をかける事にする。


<ひたすら根ほり>

次なる作業は、根堀である。小型スコップで掘りまくる。比較的やわらかい土なので、すぐさま、30cmの深さまで掘り進む事ができる。さて、切り株をゆっくり押してみると、ボキボキと根元から音を立てて折れ、引っこ抜くことに成功する。この折れ方といい音といい,ヒラタ幼虫たちが、根を食い散らかした様子が伺われる。さっそく,その後の作業がしやすい場所に,切り株を持ち込み観察してみる。


<一番美味しい部分>

上の映像より、切り株の全体の大きさは直径30p長さ1m程度で,右端を見ても判るように,食痕だらけでボコボコである。成虫の脱出口が2〜3個所見られる。材の中心部分は,空洞になっているようで,茶色または黒色のフレークがやんわりと詰まっている。さて,難しいのはこれからである。ヒラタの幼虫が材の中に大量にいるは確実であり,いかに無傷で取り出すかである。まず,手でむしり始めると、さっそく幼虫が出始める。加令直後らしく、頭でっかちの幼虫が多い。堅いところは,サバイバルナイフでむしり取りながら幼虫を出してゆく。なかなからちがあかないので,材の中心部に詰まっているフレークをせーので,一気に出してみると,なにやらでかくて黒い固まりが落っこちてきた。


<待ってましたヒラタくん>

いきなり,成虫が出てきた。も〜興奮状態である。


<立派で美し〜い>

新成虫なのだが,体は赤くない,かなり早い時期に羽化しているようだ。


<お行儀の良い55o>

大きさといいボリュウム感,内歯の具合といい,大変美しい個体だ。60oになるとかえってアンバランスになる個体がある。
気をよくしたところで,幼虫の割り出しに専念する。慎重に,割り出すが,それでも×になってしまう個体がでてしまう。

  
<ヒラタのアパート状態>

休憩を挟みながら、慎重に幼虫を取り出すが,数が多いのてんてこ舞いである。恐るべしヒラタの幼虫集団。徹底的に材割りをすると×になる個体が増えそうなので,適当〜に割り進む,それでもボコボコ出てしまう。いわゆるタコ採れ状態である。


<ごちそうさま満腹です>

後始末に取りかかる。削り残した材を全て穴の中に入れて埋める。さらに,周辺の枯れ草をかぶせてカモフラージュを施す。美観を損ねないことも重要だが,ヒラタの発生木を1つ破壊したのだから,せめて残った材が他の昆虫たちの住みかになればと思う。ふと気が付くと,ヒバリがさえずっている。春は着実に北陸路に来ていることを実感する。ここまでの作業は,掘り出してから埋めるまで約1時間30分である。残った時間で,周辺を散策することにする。


<夏には通れない場所>

こんな感じで,夏草に覆われた倒木は多く,再び発生木を当てるのはなかなか難しいかもしれない。 大きなヤナギやエノキが見られるが,アナが少なく,成虫採集には向いていない環境である。ヒラタは,発生地から樹液ポイントまでかなり移動するのだろうか? 確かに,河川敷は空気の流れがあり,飛びやすいのは確かだ。


<大きく育ててあげます>

以上,笑いが止まらないヒラタ材割採集でした。
後日談が1つある。採集を終えて,11時ごろ自宅に戻ると,なおみちゃん(妻)が「今朝,夢を見たの〜,それも,私が,大漁のクワガタの成虫と幼虫を一緒にしたのを見て,ひろくん(はれほれ)が『だめだだめだ』と言うの,クワガタの夢なんて最低だわ!」と,はれほれにいきなり話し始める。彼女には霊感か予知能力があるようだ。ちなみに,大学時代に巫女さんのバイトをしている。ぜひ,ネブト採集時には,なおみちゃんにご同行願いたいものだ。
そんなわけで,クワガタ採集はやめられまへんな〜あ。

採集結果
ヒラタクワガタ(成虫)  1♂(55o)
ヒラタクワガタ(幼虫)  とてもいっぱい

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