『三國志』では65人が個別の顔グラを持っていたわけですが、この65人が正史、三国志演義、吉川英治の『三国志』等の世界で主要メンバーだったのでしょうか。吉川英治の『三国志』を読んだのは随分昔だったので忘れてしまいました。
ちなみに『三國志Ⅱ』に付録で付いている『三國英傑春秋』では、英雄列伝として、劉備、曹操、曹丕、孫堅、孫策、孫権、董卓、袁紹、袁術、呂布、劉表、劉焉、劉璋、公孫瓚、馬騰、《陶謙》、張魯、《李傕》、孟獲、《劉度》、《趙範》、《金旋》、《韓玄》の23人が挙げられています。《カッコ書き》の人物は、『三國志』にも登場するにもかかわらず、個別顔グラがありません。
同じく『三國英傑春秋』の勇将列伝では、関羽、張飛、趙雲、馬超、黄忠、魏延、張遼、徐晃、《張郃》、《典韋》、許褚、黄蓋、太史慈、甘寧、《郝昭》、龐徳、《王双》、〔夏侯覇〕、〔公孫淵〕、〔毋丘倹〕、〔文欽〕、〔諸葛誕〕の22人が挙げられています。〔カッコ書き〕の人物は、活躍するのがわりと後の年代なので、『三國志』にはそもそも登場しません。
更に同じく『三國英傑春秋』の智将列伝では、諸葛亮、荀彧、周瑜、魯粛、呂蒙、陸遜、賈詡、龐統、徐庶、《法正》、姜維、郭嘉、程昱、《荀攸》、司馬懿、《楊修》、《張昭》、《張紘》、諸葛瑾(諸葛謹)、〔諸葛恪〕、李儒、《陳宮》、《沮授》、《田豊》、《司馬師》、〔鄧艾〕、〔鍾会〕、《司馬昭》の28人が挙げられています。
上記の《カッコ書き》の人物は、『三國志』を作った時点では、光栄内部でそれほど高く評価されていなかったけれども、『三國志Ⅱ』を作る時点では、語るに値する人物と再評価されるに至っていたのでしょう。
逆に、それ以外で顔グラのある人物は、馬謖、劉禅、夏侯惇、文醜、夏侯淵、伊籍、顔良、劉琦、蔡瑁、糜竺、郭図、程普、曹仁、曹洪、紀霊、孫乾、厳顔、関平、張松、馬岱の20人です。
ちなみに、カリスマ値の20傑に入っているのに、顔グラを与えられなかったのは、袁尚(98)、曹植(97)、曹叡(95)、袁譚(94)の4人、武力値の20傑に入っているのに、顔グラを与えられなかったのは、張苞(97)、典韋(96)、王双(95)の3人、知力値の20傑に入っているのに、顔グラを与えられなかったのは、張昭(98)、楊秋(96)、陳群(95)、馬良(93)の4人でした。馬良などは、確か『三國志』の付録にも「白眉の語源となった」ようなことが書かれていたはずで、そういう意味でも顔グラを用意すれば良かったように思います。
私の初『三國志』は、多分、PC8801mkⅡSR版かX1turbo版だったろうと思います。多分、というのは、私がそのマイコン(パソコン)を持っていたからではなく、友人の一人が(違法)コピーをしたものを一緒に「電器屋さん」でやっていたからです。各自ソフトだけ持っていって、電器屋さんがゲームセンター状になるという、おおらかな時代でした。というか、電器屋さん、ごめんなさい。ソフトハウスもごめんなさい。「大人になったら、絶対この店でたくさんマイコンを買おう!」と子供心に誓ったものですが、大人になる前に潰れてしまいました。ほんと、ごめんなさい。
その後、MSX版が出た際に、値段に躊躇しつつも買いました。X1turboみたいな超高級マイコンでしか遊べないはずの『三國志』が、私の持ってるMSXにも移植される!?と聞いて狂喜乱舞したものです。
しかし、非力なMSXのこと。どこまで貧弱になってしまうのか……と恐れていたのですが、やっぱり相当貧弱になってました。地図と操作画面が異なってしまうのがいただけなかったですね。顔グラは、MSXにしては頑張ったと称える一方、でもやっぱりX1turboと比べるとひどいよね……と愛憎半ばしたものでした。いま改めて見比べると、馬岱に個別の顔グラがないんですね。
『三國志』の顔グラは、マイコン版も、初期版と後期版で違っていました。PC-8801やX1が初期版で、PC-9801やPC-8801mkⅡSR、X1turboが後期版ではなかったかと思いますが、あまり確かには覚えていません。初期版は、後期版と比べると馬超の顔がハッキリと違うし、ほかの方々も特に目の辺りが違っていて、白くないので充血しているようにも見えます。馬超は後期版から獅子に喰われるようになりました。そしてなぜか白眉になってます。
ニコニコ動画に「初代三国志 顔グラを機種別に比較してみた」というオジサンホイホイな動画があって懐かしさの余り感涙にむせび泣いてしまうのですが、そこではファミコン版が絶賛されています。
X68000版は、たくさん色を使っており、豪華にした心意気は買いたいところですが、でもやっぱりなんだかいただけません。なぜだか、みんな同じ顔に見えてしまいます。ところで、孫堅の頭のアレは一体何なのでしょう。
スーパーファミコン版は、X68000版の顔グラをコンシューマー機に移植したらこうなりましたという見本です。ゲーム画面を見てるときはさほど感じなかったのですが、顔グラだけ取り出してこうやって他機種と比べてみると、全般的に色が濃いように思えてしまいます。
三國志リターンズ Windows版は、どうしてこうなった的なポリゴン顔です。ポリゴンの練習をしたかったのかでしょうか。頑張って作ってあるとは思うのですが……。
ちなみに、Amiga版はPC-9801版と同じようでした。MSX2版もPC-9801版とだいたい一緒ですが、黄色が少し暗い黄色を使っているようです。
『三國志Ⅱ』になって、顔グラは一気に増えました。いろんな人物に感情移入しやすくなったように思えますが、別の一面として、どれが主要メンバーなのか判別しにくくなりました。
『三國志』の顔グラは、横48×縦40のドットで構成されていましたが(ただし、縦方向に2倍に拡大されたように見えます。)、『三國志Ⅱ』の顔グラは、PC-8801版等が横64×縦40のドット、PC-9801版等は高精細になって横64×縦80のドットとなっています。ただ、高精細になったはずなのに、なぜかあまり格好良くありません。PC-8801版の方が良く見えるのは私だけではないと思います。PC-8801等の200ライン用の方がドット絵のノウハウが蓄積されていたからでしょうか。
X68000版は、高精細で、基本的にはPC-9801と同じ、横64×縦80×8色なのですが、何人か分の構図をPC-8801版と同じにしています。それと、いささか色の輝度を落としてあるようです。
Amiga版は、PC-8801版をもとに作られたように見受けられます。PC-8801版はデジタル8色ですが、主に顔色を手直しして16色にしてあるようです。妙に顔艶がよくなっており、京劇を見ているようです。
Windows版は、PC-9801版の構図をもとに、イケメン化してあるようです。ただ全体的に暗くなってしまっているようです。
ファミコン版は、基本的にPC-8801版をもとに作られたようですが、曹豹など一部の人物の顔グラが書き加えられています。あと、ゲームには登場しないと思うのですが、内部データとして華佗や許子将の顔グラも用意されているようです。
スーパーファミコン版は、全員分、また一から描かれたのだと思います。華佗や許子将の顔グラは見つからなかったのですが、代わりに孫和などPC-9801版等で個別顔グラを用意されなかった者の分も追加されているようです。
プレイステーション版は、基本的にWindows版と同じだと思います。若干明るく調整されているのでしょうか。ただ、一部の姫の顔グラは、まだ発見できていません。
と、ひととおり見た上でも、私としては、最初に見た『三國志』PC-8801mkⅡSR、PC-9801版が原点であり、それに最高評価をつけてしまうのですが、皆さんは、どの顔グラがお好みでしょうか?
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