「竹炭づくり」

 

竹は・・・

日本には四季があり、孟宗竹はこの温暖な春夏に養分を吸収し、寒い季節になると身を引き締めるように成竹となる。

一年目の若竹は、まだ竹肉が固まらず、保存しても長持ちしない。飾り物(花器など)なら、まだ風雨に晒されてから暫くなので、汚れておらず色艶がよく神聖さや清潔さがアピールできるのでよい。

 

竹は、はっきりとした四季を好むことから、中国、朝鮮、日本に多く生育しているとのことらしい。

 

特性は、柔と剛を兼ねそなえていることで、強靭さと反発力に優れている。しかし、伸縮性は殆どない。

日本に限らず、昔からこの特性を生かした生活での活用が多く受け継がれている。

竹の使用は、古くはエジソンの電球でタングステンとして、また建築材料としては壁材、屋外では垣根に日常生活では物干し、かご、すだれ、うちわ等々実に親しみのあるものばかりである。

30年ほど前なら、いずれも生活に溶け込んでいたものであるが、今日ではどれもその材料はかわってしまっている。

竹とは、「筍で食するもの」との感が強い時代となってきた。


 仙人堂住人 内藤 豊

 

竹を見直す

広島に原子爆弾が投下されて焼け野原となったとき、唯一生き残った植物は竹であったとのことであるから、地中に根が繁網していることもあるが、生命力が強いことは間違いないようにも思う。

 

竹は強いについて

竹炭にとともに、飾り物(花器)にしようと株の大きいのを選んで根っこから掘り起こすこととした。

これがまた、非常に苦労をした(チョッと大げさだが、死ぬかと思った!)

5〜10cmほど掘ると、根が網の目のように張っているのてスコップもツルハシもあまり効がない。

“地震がきたら竹薮へ走れ”との所以が納得いく。

 

その効能は

@       抗菌力 昔の人が、タケノコの皮や竹の笹で食べ物を包み、また竹の筒に飲み物を入れて持ち歩いたのはだれもが知っている。

しかし、どうしてタケノコの皮か? また、竹の笹か?は、殆どの人が知らない。これは、竹には抗菌性物質があり物を腐らせないらしい。

A       消臭力 動物が竹やぶで死んでも腐らない、また糞をしても匂わないと長老から聞いたことがある。

 

 

竹炭の力(効果)

竹炭でふっくらご飯水のカルキや悪臭を吸収し、竹炭の豊富なミネラル分が水に溶け、カルシウムの多いいふっくらご飯が炊けます。

  通常と同じ水加減で中央に竹炭をのせて、いつもと同じように炊きます。

  2合に一片の竹炭が目安です。

  炊き上げたあとは、洗って乾燥させると繰り返し使えます。

  一週間から10日ごとに、一度沸騰させてから使ってください。

 

花瓶に・・・

  水道水のカルキや不純物を吸着し、水が汚れにくくなり花が長持ちします。

 

天ぷらに・・・ 

天ぷらがカラッと上がり、油の劣化も緩やかになります。

(よく乾燥させないと油が飛びますので注意が必要です)

 

押入れや、下駄箱に・・・

  湿気やカビを防ぎ、イヤな臭いも消します。

 

金魚の水槽に・・・

  水がきれいになり、病気の発生を防ぎます。

 

冷蔵庫に・・・

  イヤな臭いを吸収するとともに、野菜等は長持ちさせる効果があります。

 

自動車に・・・

  車の中の臭い消しと静電気防止に効果があります。

 

ヌカ漬けに・・・

  竹炭のミネラルにより、おいしさが増します。

 

飲み水に・・・

竹炭を入れた水は、天然水のようにまろやかさが増しおいしくなります。

(10日に一度は取り出し、沸騰した湯にとおし、よく乾燥させて、また使ってください)

米びつに・・・

  虫の予防になります。(1ヶ月ごとに張り替えると大きな効果が得られます)

 

竹炭液で無農薬栽培

  竹を炭化するときに煙と一緒に出る蒸留液を採取し、タール分を除去したもの。

  畑で利用すると、防虫、腐敗菌殺菌の効果があります。

 

資料 倶利伽羅竹炭組合、身延竹炭企業組合

 

 

作り方

 窯作りは別項による

 

 炭材の詰め込み

@    窯の真ん中に、火の通り道となる円筒を置く

A    割った竹には、細いトゲがあるので軍手等を付けて怪我を防ぐ

B    切りそろえた炭材(竹なら3cm×45cm)をタテに並べる

C    Aは、焼くうちに三分の一位になるので、木槌でたたいて隙間なく詰め込む

D    蓋をした後は、空気が漏れないように土を載せ、木槌等でしめる

 

火入れから窯焚き

@    最初は、中に火が入るように強火焚く

A    はじめは、白く濁った煙が出る

B    4〜5時間くらいセッセと薪をくべる

C    煙が勢いよく出てきたら、竹に火がまわったので焚くのを止める

D    7〜8時間は放置する

 

窯の密閉

@    煙が透明か青炎となったら、焚口を密閉し煙突を濡らした布で詰める

A    3日くらい放置して、窯に触れて冷えていることを確かめ、炭火が消えたことを確認

 

炭の取り出し

@    上部の土を払い、蓋をとる

A    このとき、中に土が落ち込まないように注意する

B    炭は壊れても(折れても)その効能には変わらないので、全部取り出す