「プランタで野菜」
戦前のわれわれは、肉や野菜をそう度々食することはなかった。近年になって、毎日が祭りか正月のような贅沢をするようになったが、決して体に良いとは思っていない。
特に、野菜は人間の体には重要と思う。もともと、日本人はズーと昔から農耕民族として生きてきたのであるから、勢い洋風化しても体がついていけないようにも思われる。
つとめて、野菜を食卓にと注文をつけるが、家族としての食卓は、やはり若い層が主体の献立となっているのが現実である。
そこで、家族で手軽に身近に野菜を作り、その苦労の結晶を献立にし、一家団欒の会話に花を添えようとするものです。
仙人堂住人 辻崎 一馬
この季節(3月から5月)の野菜
種 類 |
播種(植付け)期 |
要発芽日数 |
収 穫 期 |
摘 要 |
@春菊 |
4月中旬から5月上旬に播種 |
10日から15日 |
本葉7枚頃から収穫 |
こまめに水やり 収穫した後も、また収穫できる |
Aほうれん草 |
3月から4月播種 |
7日から14日 |
本葉7枚頃から収穫 |
一年中収穫ができる 酸性土では育たない 冬の寒さにと強い野菜 |
Bシシトウ |
4月中旬〜下旬に播種し本葉4枚でプランタに定植 |
5日から10日 |
開花後の一週間 |
暑さに強い 手間がかからない 土を乾燥させない |
Cピーマン |
4月中旬〜下旬に播種し本葉4枚でプランタに定植 |
5日から10日 |
6月上旬から10月下旬(熟したとき) |
連作は良くない 日当りのよう場所を好む |
Dトマト(ミニトマト) |
4月中旬〜下旬に播種し本葉4枚でプランタに定植 |
4日から7日 |
6月上旬・中旬から |
サラダなどに重宝 日当たりを好む 観賞用にも最適 こまめな管理 |
詳細は以下を参照
@ 春菊
トロ箱を使用する程度の簡易な方法で、長いあいだ収穫を楽しめ、だれでも簡単に育てられます。
大切なことは、用土の表面が乾かないように、水やりを十分にやることです。
初心者は、一般的には秋まきが育てやすく、イイ品質のものが収穫でます。
○ 土づくり
深さ15cmほどのトロ箱を用意します。
底は、水抜き程度の穴を開け、底からゴロ土を敷き、次に赤玉土(6)、腐葉土(4)苦土石灰、マグアンを混ぜて用土とします。
○ タネまき
7〜8cm間隔で条まきにし、土かけはタネが小さいので薄くかけます。
水やりは、タネが飛び出ないように静かにやってください。
○ 手入れ
5〜7日で発芽しますが、このとき密生していたら葉が重ならないように間引きをしてください。
葉が4〜5枚程度までは、液肥を週に2〜3回ほどやりましょう。
○ 収穫
収穫のタイミングは、下葉を残して新芽を摘み取ります。新芽を取れば、また側芽が出てきます。
そして、適当に追肥をしましょう。
A ほうれん草
寒さに強いので冬でも収穫できます。
暑さには弱いので、注意してください。
見てくれの割には意外と根が張ります。深めの容器で栽培することをお勧めします。
○ 土作り
深めのトロ箱かプランタが良い。
赤玉土(6)、腐葉土(4)に苦土石灰、ミニエードボールを加えたものをつかいます。
○ タネまき
タネは発芽しにくいので、一昼夜ほど水につけておいてを蒔くことが肝要です。
種蒔きは、春まきと秋まきがあるので注意してください。
○ 手入れ
成長に合わせて、適宜に間引きをして液肥を週に2回ほどやります。成長してからは、20日に一度ほど化成肥料を与えます。
○ 収穫
収穫は、根元をハサミで切るか包丁で切り取ります。
B シシトウ
苗のシッカリしたものを植えることが肝要です。
さほどに手間のかからないことが特徴ですが、こまめに水やりは怠ってはなりません。
○ 土作り
トロ箱なら深いものを、できれば8号くらいの鉢植えがウマクいくかも分かりません。
赤玉土(6)、腐葉土(4)にマグアンプKを混ぜて用土とします。
○ 植付け
植え付けたときに支柱を立ててしまいます。
○ 手入れ
植えてから10日ほどして液肥をやりましょう。
葉の色を見ながら、適宜肥料をやるようにします。
一番花が付いたら、それより下の芽を2本伸ばすようにして、他のわき芽は取ってください。
○ 収穫
開花したら2週間ほどで収穫してください。
C ピーマン
連作を避けるようにします。また、日当りを好むので、できるだけ日照時間が長い場所を
選んでください。
○ 土作り
肥沃で水はけの良い土地を好みます。
畑土に元肥として、鶏糞や化成肥料を混ぜて畑に似た状態にしましょう。
○ 植付け
植付けは、あまり深植えにならないように注意してください。
植えつけのとき、いっしょに支柱を立てるとイイでしょう。
○ 手入れ
植え付けて20日〜30日くらいで化成肥料を施します。
土を覆うようにしたワラなどを置くと、育ちやすいでしょう。
○ 収穫
実は大きくなったら直ぐに取り、木が弱らないようにしてください。
Dトマト(ミニトマト)
完熟トマトの味は格別です。ビタミンC、カリウムなどに富みさっぱりとした酸味を含んでその味は市販のトマトとは比べものになりません。
とくに小さいので料理も手軽で、デザート、食用に最適です。観賞用としても楽しめます。
○栽培のポイント
光に敏感なだけに日当たりの良い場所を選ぶことが大切です。しかも、水分を強く要求しますので、底穴から流れ出るまでにまめに潅水する。
怠ると落花したりします。草丈が大きくなるので支柱に工夫する。また肥料は追肥主義を基本とする
○育て方
苗は4月下旬頃、種苗店で求める。種から育てる場合は4月下旬に鉢か箱にまき土(軽い土か川砂)を入れてばらまきする。
発芽後、本葉2枚ごろ10pの間隔に移植して苗育てを行い、更に5〜6枚になったときに予め準備した容器に定植する。
○土づくり
深い容器(廃材の発砲スチロール箱、又は植木鉢(8〜9号)、プラスチック水桶など)にできるだけ肥えた荒い土(乾燥田土など)又は赤玉土を60完熟堆肥が腐葉土、ピートモス40を混ぜ、それに少々の苦土石灰(消石灰)を加える。
○植付け
4月下旬〜5月上、中旬が適期、前日に大きな植穴を作り、大量の水を施し、苗の株元を地表と同じにして定植する。植付後、水に僅かの化学肥料を入れてたっぷりと潅水する。そして固形肥料(ハチエースか1B化成)3〜5個を容器の内壁に埋め込んでおく。
○手入れ
しっかり根がついたら假支柱を本支柱に切換え、主な茎を誘引する。なるべく午前中に不要な芽を手で摘み取る。(はさみ、ナイフなど道具は使用しない)
熟期着果肥大促進のためホルモン処理をするとよい。一果房当り3〜5の開花時に50〜120倍に希釈(濃度は薄めたほうが良い)したトマトトン剤で霧状にして花房全体に散布。夕方の散布は被害防止となる。
○追肥
第一花房の最初の実が大豆大になったときに株当り約一握りの化成肥料(そさ3号)株元熟水肥を15〜20倍に希釈したものを、潅水を兼ねて施すとよい。
○収穫
通常花が開いてから50日で成熟するので実ったものから順次収穫する。
○病害虫
ウイルス病、疫病、青枯病、テントムシダヌシ、タブラ虫などが発生するので適時処理する。
○品種
プチトマト、レットペアー、イエロペアー、越のルビ(ミレイトマト)