「おつけ団子」



 「おつけ御付け」とは、国語辞典では
"(本膳で飯に並べてつける意の女房ことばから)みそ汁。おみおつけ。"
 「団子」は
    "(米・麦・粟などの粉をこねて小さく丸め、蒸したり茹でたりした食べもの)と記されています。"
 おつけの中に団子を入れればおつけ団子になるようです。物事がウマクいかず、グチャグチャになったとき おつけ団子になった! と言ったのを聞いたように思われますが、どのような状況からさしたのでしょうか?

 流行のレトルト食品の中で、朝餉(あさげ=朝の食事)とか夕餉(ゆうげ)とかいって、" おつけ "すなわち、みそ汁が売られています。
 私らの年代では、おつけ は通じるが、少し後の人たちには分からないとのことでした。

 さて、おつけ団子 ですが、おつけに団子を入れればそれで出来上がります。
 わたしも、ズーと以前に味わったかもしれませんが、いまでは一体どのような味がしたのか想い出す由もございません。
 もともと、おつけ団子は食べ物が不足したとき、その足しにしたものと聞きます。先の大東亜戦争の時代には、どこの家庭でもこれで空腹を満たしたものと思われます。

 生ゴミの中身には、何割もの食べ残したものがあると聞きます。今まさに飽食の時代!
 地球上200国余には、貧困と飢餓に打ちひしがれている人がたくさんいるとのニュースには、心を痛めるものがございます。
 
 この「松平忠直卿」物語で、古の知恵や技能に触れてみようとの主旨でありますので、先達が見つけた"感覚"を平成の御世にチョッピリ知ろうとするものです。
 また、これにより感謝や喜びの気持ちが育てば大変に嬉しいことです。
 

仙人堂住人 藤本 澄子


「忠直卿」鍋(おつけ団子)
 いろいろと "つて"を辿って「丸岡町高柳の加納ツギヲさん」にお会いすることができました。
 加納さんは、同町の水防訓練のとき日赤奉仕団の代表として活躍され、いにしえの食について披露されたそうです。
@ 餅米の粉とうるち米の粉を半々にして捏ね合わせる。
A 耳たぶくらいの軟らかさで、ピンポン玉くらいの大きさにする。
B ガンモドキの大きさのように平たく圧しつぶす。

* おつゆには、適当に具をいれて煮込み、頃合いを見計らって(余り煮込むと溶けてしまう)団子を入れる。

ついでにと、大根メシもお聞きしましたので・・・

@ 米    2C   
A 麦(押麦)1/4C
B 大根   1C
C 大根葉  適量
D 水    同量
E 酒    大さじ 1
F 塩    小さじ 1


・ 普通の炊き込みご飯の要領で作る。
・ 大根は、1〜1.5cm角に切る。
・ 大根葉は、炊き込んでもいいし茹でてみじん切りにし、炊き上がったご飯に混ぜてもいい。