納豆の一生

 

 わたしの生れは田舎である。

その田舎は美しい。

仕事の関係でいまの地(北野2)へ住むこととなったが、許されることなら、また生まれた郷ですんでみたい。

 

さて、その田舎では納豆なんては、作るのも食べるのも珍しくも何ともありませんでした。

そもそも、納豆なんてモノは草が生えるようなもので、注目したことはありませんでした。

 それは、どこの家でもいつでも自家製の納豆なんてあったからです。

 いま思うと、作り方に特殊な秘められた業があるようにも見えなかったが、さりげなく立派な納豆が出来ていました。

 

要は、茹でたか?蒸したか?した豆を、ワラに包み(ツトわら)ワラスベのなかに突っ込んでおくと3〜4日で立派に糸を引いたように思います。

このような納豆は、我家だけでなく他所のものごとがあったときでも、あたりまえに納豆汁を出したものである。

また、これがうまかった!(現在の市販の納豆ほど糸は引かなかったかも?)当時はそれほどのご馳走もなかったので、粘りのあるオカズは重宝したのかもしれません。

 

近年、さかんに洋風化(高たんぱく質)してくる食材は、我々の階層には運動量に比してバランスを欠くように思われる。

ちょうど、自然食が見直されているとき、これを機に大いに納豆を食べて、さらに健康な体を維持していきたいものです。

 

仙人堂住人 池田 有二郎

 

メモ

 蒸し大豆をナットウ菌で粘質発酵させたものをいう。

 

 いと引き納豆

  これは、かきまわすと糸をひくところから出た名称。つとに入れたものをつと納豆、

またはわら納豆という。

 塩辛納豆

  麹カビで発酵させ干したもので、浜納豆、大徳寺納豆が有名。

  柔らかくなるまで蒸した(または煮た)大豆にナットウ菌をつけ、2〜3日間保温

する。大豆タンパクの一部が分解され、うまみと特有の粘物質ができる。

  

栄養

 たんぱく質、ビタミンB2に富み、種々の酵素も多く含み消化もよい。

 

歴史

 塩辛納豆は、中国伝来のもので、鎌倉時代の文献にもある。糸引き納豆は、江戸時代に発達したもの。

 

名称

 寺の納所(なつしょ)で作られたとか、桶などに貯蔵する豆だからともいう。

 

 

 さて、この納豆の材料の豆であるが、田圃の休耕田を利用して播種から収穫までを一貫してやろうと思っています。

 昔は、田圃の畦に植えておけば、なんの意識もせずにチャンと秋には沢山の房がついたものです。

 そして、炎天下のなか稲をかぶった豆を畦から引き抜いて来た。あれを抱えると豆のサヤがチクチク痛かった。

    3〜4本をワラでくくり炎天下に干した。

    根っこの泥をはたいて豆の中へ泥が混入しないようにした。

    夏日のギラギラ陽が照りつけるときを見計らって叩いておとした。

    確か、我家も何斗もとれた。

 

 昔のことを振り返って、裏の畑へ豆を植えたが、植えたとたんにカラスがどこで見ていたのか?すぐに拾ってしまった。

 今度は、苗から育てて移植した。苦労の甲斐あって確かに沢山のサヤがついたが、さてビールのつまみにと心弾ませていたら、ことごとく虫くれ!

 

 次の年、消毒もして手をかけた甲斐があって、背丈ほどに伸びた。

今度はウマクいくと収穫期を待ちわびていたところ、一向にサヤがつかず豆木は青々としたまま。

結局、木が朽ちるまで一房の豆もつかなかったのである。

 

今年は、休耕田で大掛かりに豆を植える。そして、専門家の営農指導を受けるので、さぞ立派な豆が収穫できるだろう。

 

収穫祭には、ビールの枝豆に・・・そして、ウマ−イ!納豆にして、楽しい会話をしながら食したいものである。

賛同あらば是非参加を乞うところです。



大豆の植付けメモ

特に注意を・・・


・ タネは鳥害を防ぐためキヒゲン加工(鳥にとってイヤな臭いと味が付けてある)がしてあるので口に入らないように注意する

・ 耐干性は強いが湿害には弱い
(溝切りなどをして水はけを良くしておくことが肝要です)

・ 条間は、70cm以上にし草取りや中耕(機械による)が容易なこと

・ 株間は15cmほどにして風通しをよくする

・ 植付け(種)は2〜3粒を目安とする

・ 植えるところが凹んでいるときは土を寄せて周りより低くならないようにする

・ 土かけは浅くする

(一般的にはタネの3倍といわれる)
・ 被せる土はゴロ土を細かくクズす

・ 施肥 元肥1号 30キログラム/10a
13.7.1 am9:00~植付け


 納豆の一生(播種から収穫)(10a当たり)

主な作業区分

作業の内容

2月

 

4月〜5月

 

 

 

 

耕作地の確保

 

圃場整備(乾燥地、高排水)

 

 

耕起・施肥

 

 

 

 

 

 

播種

 

 

 

 

 

 

雑草および病害虫の対策

・農家組合の了承

 

    土づくり

苦土石灰 100kg

ようりん  40

  堆肥     1トン

 

    施肥  

元肥    30

(播種まえにベントレー水和剤を乾燥種の0.4%量粉衣する)

 

・溝切り、畦立て

  畦幅 65〜70p

  株間 15〜20p

  一株 2本立て

  (極端に蜜植のところは間引きする)

 

    雑草防除

直播なら サターンバアロ乳剤800ccを100〜50リッタに溶かし散布

 

  移植なら 畦立て直後にトレワノサイド乳剤を200ccを100リッタに溶かし散布、一週間後に3〜4cmの深さで植える。

7月

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第1回中耕、土寄せ(子葉まで倍土)

 

追肥(元肥1号を20kg

 

第2回中耕・土寄せ(初生葉まで倍土)

8月

 

 

 

 

 

第1回紫斑病防除および害虫防除

第2回害虫防除

 

 

第3回害虫防除

 

10月

 

 

収穫

納豆づくり(さんさんまつり・文化祭)

     

                 



河和田