身近な鳥の観察

 

 身近な鳥となると、まずはスズメ、カラスいうことになりますが、少し興味をもって観察すると、いろいろな鳥がいることに気づきます。

季節によっては、北に南に移動するものもいますが、公園、林、野原、田圃、川、池そして家の周辺にも四季を通して変わった鳥が沢山います。

 

三六公園では、セキレイやシジュウガラをよく観ることが出来ます。

冬にはツグミ、春にはウソを見かけることもあります。ときには、アオゲラがいたこともあります。

 

神明神社は烏が森といわれていますが、勿論カラスだけだなくウグイス、メジロ、シジュウガラ、キジバト、ヒヨドリ、ヤマガラなど多くの種類の鳥がいます。

ときには、(とう)(いけ)(境内の森の中の池)にカワセミがいることもあります。これらの鳥が、民家近くに飛んできたとき、ふと目にすることがあります。

 

さらに多くの鳥を観ようとすれば、市内では陸軍墓地(水落町)の後ろから西山公園にかけての遊歩道です。

加えて、日野川の水辺や河川敷あたりも絶好の場所です。

浅水川も同様です。

一般に、水鳥の季節は冬と思われていますが、春にも夏にも秋にも水を求めてやってくる鳥もいます。

さて、冬の水鳥はカモ、カイツブリ、バン、サギ、カワウ、シギなど沢山の種類の鳥がいます。タカ類の猛禽等もいます。

一口にカモといっても、図鑑上30種以上もあり、見分けるにはかなり専門的な知識が必要となります。

日野川に来る水鳥を観察している友達の記録では、細分すれば60種以上にも及びます。わたしのレベルでは、大別は出来ても細分は到底出来ません。

だれでも関心を持ち観察を続けると、おおよその分類はできるようになります。

さらに進めると、雌雄の見分けから幼鳥、成鳥の見分けまでできるようになってきます。

 

声だけで、鳥の名前を聞き分けることのできるプロもいます。皆さんの中で、ここまで研究したいとの希望があれば、その人をご案内いたします。

 

鳥たちも、それぞれが自分の好きな場所を、そして好きな食べ物を探して移動します。すなわち、彼等も自分の環境に合ったところを求めています。

 

近年の、人間社会の便利さ快適さへの追求が、自然環境へ大きく影響していることは

否めません。このことにより、ただただ自然のなすがままに生きていくいたいけな鳥たちの中には、生きていく場所がなくなったものも多くいます。

 コウノトリもトキも、昔は身近な鳥でした。

 

身近な鳥がだんだんと遠くなり、そして遂には絶えてしまう。残念です。寂しい限りです。

このときは、豊であった自然もなくなっているのでしょう・・・

 

わたしは、少しでも自然を大切にし、さらには豊にしていくことを心がけていきたいと思います。

そして、だんだんと身近な鳥が増えていく、さらに珍しかった鳥が身近な鳥の仲間に加えられていく、このことを願ってやまないものです。

 

イイ季節にごいっしょできることを願っております。


野鳥のキーワード

観察用具

 野鳥の観察に出かけるときの用具で、必要な物はいくつかありますが、是非携帯したい物は双眼鏡です。動きの早い野山の鳥や飛んでいるものをすばやく視野に捕らえるには、7〜8倍のものがよく、日頃から使いこなせるように練習しておく必要があります。

 もう一つは、フィールドスコープ(望遠鏡)ですが、これは倍率も高く遠方にいるワシタカ類や水辺の鳥の観察に威力を発揮します。

 これもよく使いこなさなければ瞬時に鳥を視野に入れることはできことを知っておく必要があります。スコープはしっかりした三脚に固定して用います。高価なため、初心者の方はリーダーなどに見せてもらえれば十分です。

 いずれも買う場合は、機種などを経験者に相談することをお勧めします。

 このほか観察に欠かせないのは野帳(記録帳)、野外ハンドブック(図鑑)、時計、必要により数取り器、地図、磁石、スケールなど出かける場所や目的に応じて所持品を変え、なるべく身軽にまとめて携帯することです。


仙人堂住人 前田 年光