「草木染め」



 人間誰も生きていくなか、一定レベルの衣食住が満たされた後は、チョット心の贅沢がしたくなるものです。
その方法のひとつには、花を付けたり色を付けたりすることで、楽しんでいる人も多くいます。
そして、花や色は衣類であったり家であったり、また、直接肌に付けたりすることもあります。
このことは、個性を主張するためのものであったのかもしれません。

ズーと昔、誰もが同じ掘っ立て小屋で腰ミノだけで生きていたころから、きっといろいろな方法を試しながら、体や身の回りのものに花を付けたり色で染めたりしていたことが、想像できます。
" 自分は他とは違う "と誇示するまではいかなくとも、密かに目立ちたいという本性は誰ももっていると思われます。
身近な手段として、色を付ける(染める)となると、自然界にある花か土、または木の皮や葉から・・・突然に不思議な世界を発見できるかもしれません。
きっと、パステル調の穏やかな色が取れたことでしょう。

現代社会は、時間に終われる日々、草木をつかった" 染め "によりふっと長閑で贅沢な時間に浸ってみるのもイイものです。

とにかく、ほとんどの物が煮立てれば不思議な色が出てくると思われます。
それから後は、その色をどうやって別のものに移し変えるか?
隣り合わせた色を、どうして響かせるか?
焼き物の窯を開けるように、予測を越えた輝きを創りだそうではありませんか!

" 染め "からの連想は
「藍」や「紅花」があげられます。
その藍は、葉から鮮やかな青色の染料が採れるときいています。
青は藍から出でて 藍より青し とあるあるように、もとの様態を越えることがあるとのことです。

また、紅花は・・・
" アザミに似てトゲがあり、夏に紅色を帯びた黄色の花を開く。花から紅を、タネからは食用油が採れる"とあります。
さらに、同じ赤でも・・・
赤 日が燃えるような赤
紅 桃色がかった赤
朱 橙色に近い赤
丹 白っぽい赤  ・・・があると記されています。

 さて、身近な材料から、いったいどのような色を取り出すことができるでしょうか。



仙人堂住人 竹内 恭子






簡単に入手できる染料

野の草から

  赤ピーマン

タンポポ
ドクダミ
セイタカアワダチソウ
ススキ
ゲンノショウコ

樹木から
ウメ
ナンテン
カシ
ツバキ
ビワ
イチョウ
リンゴ

野菜・果物から
ブロッコリー
紫キャベツ
シソ
タマネギ
ホウレンソウ
タマネギの皮で染める

・材料 木綿のハンカチ 1枚、タマネギ6〜7個分の皮
 1 タマネギの皮を、外側の黄色い部分の上部のほうから採る。

 2 1の皮をボールに入れ、水をヒタヒタ程度注ぐ。

 3 2を沸騰させ、その後は弱火にして20分ほど煮出しする。

 4 3は、布巾などをつかって煮汁を漉し採る。

 5 4にハンカチをした浸す。

 6 5を15分ほど炊く。

7 6から取り出し、よく水洗いをする。

8 7を日陰で乾かす。

* まず、やってみることが肝要です。
* 次回は、さらに工夫を加えて・・・