「果実酒」

 

 秋は、田舎ではいろいろな果物がとれる。

 代表的なものでは、柿がある。

 桃・栗3年、柿8年、柚子は9年花盛り、梅はスイスイ13年・・・はて、根拠は知らないが、まあ、物事には、それなりの“とき”が必要であるとのことであろうか。

 

 さて、何でも酒に漬ければ「?酒」ができるように思うが、やはり相応う相応わないということがあるのかもしれない。

 特に、長い間ねかしておくことになるので、イザ飲もうとしたときに果肉がくずれていると見た目が悪いので、仕込む材料を吟味した方が良いかも知れない。

 

 昔は、大人も子供も間食をしたり、好みのものを食したり、そうた易くは出来ませんでした。

 このため、子供は家々の屋敷うちへ侵入して、柿、栗、ザクロ、なつめ、桑、グミ、スモモ(“スイカすもも”なんていうのもあった)梨、ビワ・・・盗んで食った。

藪へ入るとヤブいちご、いばらの実、山梨、スイカンボ、クロンボウ、つつじ・・・も食った。しかし、これらを食ったので、腹をこわしたなどとは聞いたことはないように思う。

抵抗力も相当についたかもしれない。

よくも、この年まで生き長らえたものであるとも思っている。

 

 これらのことから、多少なりとも甘かったりスッパかったりすれば、酒に漬ければ「?酒」ができるはずでは・・・。

 

 今回は、ザクロ酒とかりん酒に挑戦することとした。

 

 仙人堂住人 藤本 紀子

 

ザクロ酒

 

材料

  ザクロ(粒だけ)  500グラム

  砂糖        200 〃

  ホワイトリカー    0.9リッタ

 

 1 ザクロは洗って水気をよく拭き、切れ目から割る。切れ目がなければ包丁で切れ目を作っ

て割る。

   中味の粒を潰さないように、指で掻き出すことが肝要です。

 

 2 集めたザクロの粒と、全体の1/5の果皮と砂糖を密閉瓶に入れ、ホワイトリカーに浸します。

 

 3 果皮は、お酒の色をよくなるとのことで入れたので、入れてから一週間で取り出してください。

 

 4 約3ヶ月で出来上がります。中身を取り出し漉してから涼しいところで保存してください。

 

カリン酒

 

材料

  カリン       1キログラム

  砂糖        300g

  ホワイトリカー   1.8リッタ

 

 1 カリンは、ヌルヌルしている。表面の油っぽさをタワシを使ってよく洗う。

   

 2 洗ったカリンはザルに上げ水気を切り、風通しの良い場所で2〜3日そのまま自然乾燥す

る。

 

 3 放置していたカリンの皮面は、またヌルヌルしてくるので、水で洗い落とし布巾でよく拭く。

 

 4 水気を拭いたカリンは、3cmくらいの輪切りにする。種も使うのでそのまま漬けておく。

   カリンは非常に硬いので、切るのに怪我をしないように注意してください。

 

 5 カリンと砂糖、ホワイトリカーをいっしょに漬ける。

   このとき、種も残さないように入れてください。

 

 6 約2ヶ月で飲めるようになる。1〜2年経つと、さらにコクのあるお酒になると思われます。