カラス対策

 

 カラスは実に頭がいい。そして、目敏い。イタズラ好きである。

 こんなに高尚なカラスが、どうしてか籠に入れて軒先か部屋の片隅にペットとして飼われないのだろう?

 

 ひとつに、羽の色で見込み悪くしている。色が黒というのが不気味である。そして、不吉な色でもある。

 あの推理小説の巨匠松本清張でも“黒”が付くタイトルが沢山ある。

           黒い樹海

           黒い手帳

           黒の回廊

           黒い福音

 そして、「黒い空」では、死臭を嗅ぎつけたカラスが空を覆い尽くすというもの・・・

やはり陰湿で残虐なイメージが強い。

一羽か二羽ならさほどでないが、5〜6羽いたら不気味である。また、人を小馬鹿にする。あまり、ヒツコク近付くので追っ払おうとすると、ヒョイヒョイと小走りで後ずさりする。

 

豆を植えたらその後から掘り起こしてします。

手をやいて、その対策に灯油に浸たしところ、しばらく収まったが、今度は芽が出てきたらその芽を摘んでしまう。

 

夏に、炎天下でようやく熟れてきたトマト、キンカン、トウモロコシまで・・・犠牲に遭う。特に盆には“食べるぞ”と待っていたスイカが大きな穴をあけられたときは、もう・・・!

“にっくたらしい”奴である。役所が猟友会に依頼して退治にくると、その車が見えたら一斉に姿を消してしまう。危機管理そしてその伝達手段が徹底しているのだろう。

さらに、このカラス羽が非常に丈夫らしい。散弾銃も遠く離れたり空気銃程度では、鎧のような羽は通さないらしい。

もし、獲ってもその肉は非常に少なく、また臭くって食べられないらしい。(美味かったら競って獲るのだが)

 

 あの、太い嘴を見ていると、“憎らしさ”に加え“逞しさ”さえ感じてくる。

 

 

さて、その対策であるが・・・今までに尽くした手段は

   代表的な かかし から

        赤いリボンをつけた棒を立てる

        目玉の描いた風船を吊る

        カーバイトの爆音器を置く

        擬似カラスを逆さまに吊る

        網を張る

        銀色のテープを張る

        犬を近くに放しておく

        糸を張る

 

 最後の“糸を張る”は、確かに効果がある。

 しかし、確たる防御でもない。さらに、研究をして次の手段を見付けたい。

 

仙人堂住人 駒 孝敬

 

最新のカラス情報

 私は、以前に電力会社に勤めていたことから、送電線鉄塔に営巣するカラスについ

ては非常に関心を持っていた。

 現在、“サンドーム福井”に勤務していることから、周辺の送電線鉄塔の状況が一

望できるのでその変化を克明に観察することとした。

 

4月16日

上空でトンビとカラスが空中戦を繰り広げている光景を目撃した。

理由は、トンビが巣の卵を襲おうとしたところを、カラスが必死に追い払おうとしているところであった。

この頃に卵かヒナを抱いているのだろう。

 

4月18日

  巣の中から一羽の頭が見える。頭の大きさは意外と大きく、親と殆ど変わらない。

  親鳥のしぐさや子カラスの様子を見ていると、やはり無事で巣立ってくれることを

願いたい!

 カラスの巣カラスの巣


  カラスの特性

    営巣は、電線の架線の位置が4段あると一番上(架空地線)は避け、大半が二段目に架けている。

    カラスがとまるのは、電線でなく一番上(架空地線)のように思われる。

    外敵の攻撃からの監視は、一羽は架空地線であとの一羽は地表でエサを探しながら万全を期している。

    近年の巣の材料は、ワラや小枝の他に洗濯干しのハンガー混じっている。

これが、送電に非常に障害であり保守管理に悩むところである。


カラス対策(そのA)

手塩にかけたトマトがそろそろ色づいてくる頃、ようやく一番成りを採ろうか? どう
しようか?と迷っているうちに、にっくきカラスが一番成りを味見をしてします。
 さて、被害を最小に止めるには次の方法が効果的です。

@ ネット張り
小さな面積なら完璧な対策となります。

A 糸張り
畑は小さく見えても意外と広いもの、ネットで間に合わないときは糸針となります。





 糸張りをするときは、細くてあまり目立たない方が効果がある(カラスは目立たない方が怖がる)ようです。
 使う「糸」は、魚釣り用のナイロンテグスがピッタリです。
・ 太さ   約0.5mm

・ 色    無色

・ 値段   750円/500メートル巻き(切り売りはナイ)

情報の提供者
   北野町の畑で実施されている
      野路洋美さんと池田有二郎さんからの情報です


カラスは何処から

 前 田 年 光

 私の家から東の方に、通称「烏が森」と呼ばれている神明社の森がある。昔からカラスが神の使いとして神聖視され、烏が森の名も神聖な神明社に由来するものと思われる。

 人間の生活にそれ程害がなければ、カラスもさほど気にはならない。カラスのゴミ荒らしが目に付くようになってから、さほど気にしなかったカラスがだんだん異様で不気味になって来た。カラスはかつて地上の掃除屋さんで有名な存在でもあったのである。

 「この辺は烏が森に近いので、ゴミ捨て場は酷いもんや、区長何とかならないか」という相談が相次いだのは三年前の事である。ゴミステーションは野犬とカラスに荒らされ、いつもゴミが散乱し、早朝からカラスの餌場になっていた。近年、市が資源ゴミの12分別、燃えるゴミは別の日に出すという形に変え、町内ごとに市民参加型の分別収集をすることになったことから、市民のゴミに対する意識が大分変わって来た。今では生活周辺がかなり清潔になっていると実感している。

 最近、福井市八幡山に於けるカラスの害が大きい問題になっている。八幡山が嶺北地方1万羽のねぐらになっているからである。私たちが参加している『きびたき自然塾』ではこの実態を調べ、カラスの餌となっているゴミの実情を調べることになったが、私は初めて烏が森のカラスも八幡山をねぐらとし、八幡山からやってくることを学習した。そして昨今、「カラスは何処へ」と題して朝夕の行動を調べ、併せて餌場となっているゴミ周辺を調査している。

 先ず、毎日通勤している電車の中から夕方の帰路、八幡山に帰るカラスとすれ違う好都合を利用して、福井新から鳥羽中までの10数分、カラスの数を数えた。10月の中旬の多い日には400羽以上を数える日があり、連日300を下回ることはなかった。彼等は一日の餌採りを終えてねぐらに急いでいたのである。朝は毎日これと逆の方向に出掛けるわけであるが、サラリーマンの通退勤さながらである。

 12月に入って朝の様子を近くの公園で観察した。ほぼ同数のカラスが八幡山方面から神明の上空を長泉寺山西部を目指して、南に移動していることを確認した。そしてその帰路、目指す目的地にそれぞれ着地して餌にありついているのである。鯖江市婦人の家前からアゼリアショッピングセンター屋上を北に望み空を眺めていると、朝6時30分頃、カツカツと短い声を出して第一隊が現れる。高い空を2羽、3羽あるいは6羽7羽の群れが南に向っている。高空を行くのは遠方を目指しているという。やがて段々と中空低空となり、カラスの数も増して来る。鳴き方もカァーカァーと長くなる。コースは始めのうち東寄りを行き、やがては頭上を低く沢山通過する。この頃になると一団が30羽、40羽を数え、まるでB29の大空襲に似て不気味でさえある。6時50分くらいになるとボツボツアゼリア屋上に降り立つようになり、周辺の電柱や電線に止まるものもある。そして約10羽くらいがこのあたりに定着する。7時頃までの約30分間に三六公園上空及び西循環線沿いに400羽以上が通過するのである。

 いつも同じような所に、同じような餌が安定的にあるからカラスは毎日確実にやってくる。増加するカラスに十分見合う餌があるから、カラスは着実に増加する。人間の飽食による食べ残し、そして無責任極まるゴミ出し、畑などへのゴミ捨てが絶好の餌場となっているのである。

 そこで燃えるゴミの月、木地区、火、金地区を歩いて見たが、神明地区の最近のゴミ出しは以前に比べると一部に例外はあるが非常に良くなっている。ゴミステーションに多数のカラスが群がってゴミを引き出したり、荒らしたりしている光景は全くといってもよいくらいに見付けることは出来なかった。決められた日に決められた場所へ決まりを守ってゴミが出されており、指定日以外にゴミが出される様子は殆ど無かった。畑や広場、駐車場には、まま、ゴミの散らかりは見られたが、以前に比べればかなり良くなっている。営業用のゴミも蓋を完全にして、別途委託による業者収集が行われている様子も伺われた。ゴミの問題は広域的に行われなければ効果はない。

 最近、町内でもカラスの害を聞かなくなった。若干の不心得な者があるものの、市全体としての広域的ゴミ対策によりカラスも大半は鯖江の上空を通過しているように伺われ、餌場を転換したのではないかと思う。しかしすきがあればカラスは着実にやってくる。金網ボックスに屋根のない不完全なものや、屋根の一部のめくれているもの、シートやネット掛けの不確実なものの周辺では、屋上や電柱、電線にはカラスが確実にやって来ており、すきを伺っている。路上に犬猫の死体があればその周辺には異様なくらいのカラスが群がっている。シート掛けには重石による押さえが必要であり、シートの網目は細かいものでなければ意味はない。シートもネットもなく袋出しのゴミステーションは何箇所もあった。すきは市内でも、まだいくらも現認できるのである。一日も早くすきを見せないゴミ対策の徹底が望まれる。ゴミの中の食べ残しが無くなればカラスは確実に少なくなるはずである。

 カラスが童謡に歌われて苦にならない程度の存在になることを望むものである。カラスが多いということは恥ずべきことなのである。