My favorite disk 2

QUEEN / Made In Heaven



 おくればせながら、QUEENの「MADE IN HEAVEN」買いました。

 うううううう、いい。すばらしく、いい。

 輸入盤と日本盤がありましたが、日本盤を買いました。そして、例によって解説を読むのですが、・・・これが、書いてるのが、東郷かおるこなんです。やっぱり。(Music Lifeの)

 Play、始まるぞ・・・シンセの重厚なサウンドがフェードインしてきて、・・・突然衝撃的にピアノのキーコードが(メジャーで)入ってきます。ここでぞくっとくるのですが、さらに衝撃的にフレディーの声が「It's a beautiful day・・・・」と入ってくると、もう背筋ぞくぞくものです。ああ、フレディー、もう聞くことのできない声なんだ、とかおもうとなおさらで・・・。

 2曲目もいいですアルバムタイトル曲「MADE IN HEAVEN」、そしてまた3曲目がいいです。タイトルはなんと、「Let me live」、なんて直接的なのよ!と思いながらも、曲はゴスペル調(東郷かおるこ曰く)でさわやかに仕上がっています。それにしてもこの曲、2番はロジャーが、3番はブライアンがスレンダーな声でボーカルをとっています。この曲をどんな気持ちで3人が歌ったのか、・・・察するに余りあるといったところです。

 全体的に、(当たり前のようだけど)フレディーが全面、前面に出ています。というのは、ブライアン・メイのギターの、あのブライアンサウンドが、要所要所ではきちっとおさえてはありますが、全体的には希薄に感じました。ボーカルを押し出す感じの曲が多いため、それに合わせたアンサンブルを第一に考えて音を作ったという感じで、”あの、ブライアン・メイのギターの音”というのがもっとしてもいいのに、なんか”スタジオミュージシャンの音”みたいなところがあって少しもの足りませんでした。でもフレーズはしっかりメイのフレーズなんで納得はするんだけど。それにロジャーだって、ほんとはハードロックハードビート大好き男のくせに、やっぱりなんだか抑えられてるんです。追悼アルバムであると同時にQUEENのラストアルバムなんだからおもいっきり各自やりたいこともやってほしい気がしました。それらの意味では、あのCMソングの「I was born to love you」が一番完成度が高いかなぁという気がします。しかしそうなると関心は、あのボーカルが録り直されたものか、昔のソロアルバムのボーカルトラックの焼き直しかということです。みんなでもう一回録り直したものであってほしいです。フレディー不在で作られたとしたらちょっとさみしい。まあ、同様の意味で2曲目の 「MADE IN HEAVEN」も結構メイのギター、ロジャーのドラムがしっかり鳴っていてすごくいいです。ジョンのベースは目立たずひっそりと、しかししっかりと底辺を支えているという姿勢を終始(デビュー以来ずっと)貫いているのが素敵なのです。「A Night At The Opera」の「My Best Friend」も素敵ですが・・・・。
 そして、最後に、「It's a beautiful day」がリプライズされるのですが、これが、最初の曲が最後に壮大な曲になって帰ってくるという例の形なのですが、この最後にくっついている叙情的なインストゥルメンタルな部分がフレディーの声と重なり、アルバムの最後でもあるため、QUEENのグループそのものの”走馬燈”のように、これまでの軌跡を私の胸に呼び起こさせます。なんと、それを思わせた原因はシンセの響鳴の合間に走り抜けるように挿入されたフレーズ、あ、この飛び跳ねるピアノは・・・「QUEEN II」(セカンドアルバム)のラスト曲「The Seven Seas of Rhye」のフレーズではないか!・・・。うううううーーーーこんなところでファンの心理をくすぐるとは・・・・・・泣ける・・・・。しかし、最後と思いきや、アルバムジャケットにクレジットのない、なんと13曲目が存在するではありませんか!それも完全なインストで13分以上ある。・・・レクイエム.....。

 解説にありましたが、前作「イニュエンドゥ」発表後に自分にはあまり時間がないことを知っていたフレディーはすぐに次作の製作に入ろうとしたらしいです。過去にないほどの旺盛な創作意欲を持っていたと。メンバー達に「書ける曲があったらどんどん書いてくれ、僕に歌を歌わせてくれ」と言っていたそうです。こんなのを読みながら聞いてたら、もう目頭が熱くなるのを抑えられません。しかしほんとにそれを実感させるアルバムでした。ああ、フレディーなぜにあなたは逝ってしまったのか・・・・・。

 みなさんもぜひ、買って下さい。聴いて下さい。フレディーの最後の歌を。

(久しぶりにフレディーの「Mr. Bad Guy」を聞こうかと思ったら見つからず、急きょQUEENの3rdアルバム「Seer Heart Attack」が目に入り、これを聞きながら書くことにしたら、「キラー・クィーン」や「ナウ・アイム・ヒアー」などの名曲に加え、このあと「オペラ座の夜」につながるのであろう壮大かつ美しいオペラチックなフレディーのボーカルを聞くことが出来、再び涙ちょちょぎれそうな今宵でした。)



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