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幼年期



 「さよなら子ども達」の子ども達は、かわいいというか、やはり端正なのだ!

 かわいいと言えば、「ミツバチのささやき」の男の子もかわいい!

 話は変わるが、先日たまたま(仕事中に)テレビをみたら、なつかしい、アニメの「銀河鉄道の夜」(杉井ギサブロー監督だった)をやってるじゃないですか!主人公は猫の格好をしてるあれですよ! 昔好きだったなあと思いながら少し見ました。

 おもえば少年の時の友達との思い出(友情と呼ぶにはまだ幼い、遊び友達との甘く満ち足りた時間)、幼少の頃に心に深く刻みこまれた出来事(を扱った物語)というのは、非常にほろにがくせつない感情を伴って、しばしば私たちの心をとらえます。ジョバンニがカンパネルラを、追いかけても追いかけてもつかまえられないときには、胸が張り裂けそうに苦しくなります。なぜか少年の時のそうした出来事はいつも自分が追いかける役なのです。どちらの側から見てもそうなのでしょう。追いかけても追いかけてもつかまえられないのです。

 ここで私の大好きな映画を紹介させてください。小栗康平監督の「泥の川」です。舞台は昭和初期だった?かな? これも、幼い少年二人が、知り合い、仲良しになり、やがて別れがくる物語です(が、ただそれだけのストーリーではありませんが)。幼い二人が、(一人の子が住居にしている)舟で蟹に火をつけて遊んだ映像は、”モノクロなのに何でこんなに美しいんだ”と目が潤んできます。それはかれら二人の時間が、はかなくもきらきら輝いているということなのです。詳しい事情の記述はさけますが、別れは突然にやってくるのです。恐れていたことがおこるのです。あの子は、舟で行ってしまいます。主人公は川岸を走って走って走って追いかけるのですが追いつくはずもありません。あああ、思い出しただけで涙が湧いてきます。このシーンだけは本当に泣きました。だらだらとこぼれました。ひとり取り残されるのってほんとに悲しいですね。・・・

(僕ってやっぱ暗いのかなぁ)

 これを初めて見たのは8年ほど前ですが、この頃からマルセ太郎という芸人が、ひとり芝居でこの「泥の川」などをやっているらしいと知って、一度見てみたいと思っていたのが、いつだったか”語り座”であったんですよね!実はあれを、私は見逃してしまったんです。生涯の3大痛恨の一つです。
見た人感想をおしえて! ('95.8.9)




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