Miscellaneous・・・ その他いろいろ 2

ハムナプトラ2の上映も最終の週になり、最後に更に見落とした所、新しい発見はないかと観に行きました。
ほぼ台詞も記憶してしまったというのに、詳細に見ていくとまだまだ嬉しい発見がありました。

アヌビス神の永遠の従僕となるスコーピオン・キング○すっかりお馴染みになった冒頭の戦闘シーン、サントラを聞き込んだせいか次の場面の展開と音楽が分かります・・・
スコーピオン・キングがアヌビス神との契約を結びテーベを滅ぼすシーン・・・次にアヌビス神の永遠の僕となるべく魂を抜き取られるシーンで今まで見落としていたカット。

スコーピオン・キングの後ろにアヌビス像があってその目が一瞬光って、そしてスコーピオン・キングから魂が抜き去られていきます。
このアヌビス像には今まで全く気がつきませんでした、前面にいるスコーピオン・キングに全ての注意が払われていたからでしょう。

○さらわれたイヴリンを追って大英博物館へとリックの車で移動する道すがら、アーデス・ベイがスコーピオン・キングの脅威について説明するところ、はっきりとした台詞は覚えていませんが

"We have to..."と主語を「We」つまり「我々は」何としてでもスコーピオン・キングの復活を妨げなければいけないと言ったとき、リックの答えが、
"We? What we?" 「我々っていったいどの我々だ?」またこんな事言っているんですね

これはハムナプトラ1でイヴリンがイムホッテプの復活後、逃げ帰ったイギリス軍の砦でリックと言い争いをしているところの台詞を念頭に置いています。
そうあの初めて白ネコが出てくるシーンです。イヴリンが

「あいつを甦らせてしまったのは私達よ、私達が何とかして止めないと」
と言うとリックが
「私達だって?どうして複数形になってるんだ?本を読んだのは僕たちじゃない。言ったはずだ、勝手にいじくるんじゃないと、そう言わなかったっけ?」
と応酬するところ。
ここでまさに "We? What we?" と言う台詞があります。

リックの子供っぽいむきになる一面が見えて楽しいところです。しっかり者のイヴリンはこういった幼児性のある男性に引かれるところもあるようです。思うに兄のジョナサンの世話と言うか尻ぬぐいをさんざんしてきた、独立独歩の正確の強さを持っている女性のようです。
だから、厚かましいくらいにぐいぐい引きずっていくリックに新しい男の魅力を見いだしたのも
宜なるかな……ですね。

○CG画像でよくできていると思ったのは、スカラベが火焔放射器で追われて逃げまどうところ、あのさっと引く引き方は実に上手いです。それに比べてサソリの群は迫力に欠けました。どうもフォルムが複雑なだけに、大群になると重なり合って分かりにくく、スカラベほど敏捷に駆け周りもしないので、ただ蠢くだけになってしまって、インパクトに欠けたようです。
ただし、冒頭でスコーピオン・キングに鷲づかみにされて喰われたサソリは、いい味出していました。

逃げ場なし、アーム・シェアの全てがピラミッドに吸い込まれていく○最後のカットは夕陽に向かって飛行船が砂漠の上を飛んでいく印象的な情景で終わりましたが、最初に見たときから気になっていたことを一つ。

各人の位置がその後の運命を(大げさですが)語っているようです。

船主にはジョナサンがピラミッドから取ってきたダイヤモンドを持って陣取り……彼の目にはエジプトではなく、帰る英国が写っています、戦利品のダイヤモンドでまたしばらくは裕福な暮らしをするのでしょうがね。

中盤にはリックとイヴリンが他の誰も目に入らないといった様子でお互いに充足している、これはこれで結構、二人でまた新たな困難に向かっていくのでしょうから、二人の絆は誰にも切れません。

そして船尾にはアレックスが心惹かれるように砂漠を見おろしています。アーデス・ベイの消えた砂漠。アレックスの心は全ての冒険と凶悪なもの、魅力的なものが混然と眠るエジプトの砂漠に熱い眼差しをおくっています。アレックスは必ずエジプトに戻ってくるでしょう、それも遠くない未来に。