'96立山春スキー

と き:’96年5月5・6日
ところ:富山県・立山    


 美女平から室堂へ向かう道の両側には5月でも雪の壁があり、今年は例年より多く室堂近くではまだ20mもあった。

 さぁ出発。

 室堂からは自分の足だけが頼り。

 この日は風も弱く快晴、昨日のガスと風は嘘のようでした。
 一歩出ればそこは標高2500mの大自然。
 これぜ〜んぶ私のものと言いたげな写真。


 遅れましたが私が私ですよろしく。

 後はひたすら登る、一歩一歩登る、スキーの板が肩に食い込む。
 ふと立ち止まって振り向けば、そこには北アルプスの山々、あの剣岳もすぐそこからこちらを向いている。
 30分ほど登るとなだらかな中腹に出る。

 お〜い、早く来いよ、遅いぞ。
 ようやく私が中腹に着いたときは、仲間たちは充分休んだ様子。
 私は肩で息をしながらカシオのデジタルカメラQV−10を構える。

 誰もいない新雪に自分のシュプールがいつまでも残る、はるばる福井からこんな所まで来たのもこの一本のため。

 この朝の雪は、表面に10cmほどの新雪が乗っていて、その下は山の地形により吹き溜まりになっていたり、堅い粗目雪が表面に出ていたりいろいろで、スキーの滑り具合も変化する、だからちょっと逃げ腰になってしまう。


 ちょっと一休み。

 この日は朝が早かったのでまだ9時前、下界からの観光客も未だ来ていない、雄大なこのスペースは俺たちのもの、爽快なひとときを過ごす。

 雪を溶かしたアルプス・ウオター、モーニングコーヒーの味もまた格別。

 標高2998m剣岳。

(余談)
 '94年の夏、この写真の向こう側の早月尾根から登った、あの年は水不足で山小屋ではお金を出しても水を売ってもらえなかった思い出がある。
 今はまだ冬山の恐ろしさを湛えている。


 感想等は E-mail:sasahara@mitene.or.jpまでお願いします。  
 作成日:1996年5月18日
 更新日:1996年5月18日