白雲台(はくうんたい)
龍泉寺の庫裏です。庫裏とは禅寺の七堂伽藍の一つで、庫院とか香積ともいい本来は寺の台所を意味しますが、今日では座敷や広間などの参詣者の会合・食事、住職らの起居する建物となっております。
龍泉寺の庫裏は「白雲台」といい、間口8間半(15.3m)に奥行き21間半(38.7m)の180坪(600u)という巨大なもので、その昔、ここに50人ほどの修行僧が生活していました。白雲台は今から200年前、第333世(独住10世)住職・仏国和尚の代に建てられたもので、すべて欅の材料で出来ております。
屋根ははじめ萱葺きでありましたが、文化12年(1815)大雪で傷んだため瓦葺きに直しました。このとき葺かれた瓦が「越前赤瓦」という大変貴重な瓦です。現代の瓦は銀ネズミ色ですが、昔は鉄分の上薬(うわぐすり)を塗っていたので赤かったそうです。しかしどんなに技術を駆使しても、現代ではまだ造ることの出来ない「幻の製法」が越前赤瓦であるとのことです。白雲台には、その赤瓦がまだ多く葺かれていて、専門家の注目を浴びております。
現在も雲版や魚ホウ、第一関の扁額などが残されており,雄大なたたずまいを醸し出しております。また「寺宝展」もここで催されます。
因みに、横浜の大本山総持寺では貫首(ご本山の住職、つまり禅師さま)が客人と正式に面会される迎賓館を「紫雲台」といいます。これは、明治時代の総持寺貫首が龍泉寺の白雲台にヒントを得て命名されたといわれております。それまでは、総持寺では「現方丈」と呼称しておりました。

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