頭突きしてやる!

一月の3連休,例によってスキーに出かけた我が家.最終日は民宿近くのスキー場で半日だけ滑って帰ることにした.幸いこの日も好天になり,きれいに整備された山頂ゲレンデからはまわりの山々が美しい

圧雪車のブラシのあとがくっきりとついたがらがらの山頂の緩斜面を一気にすべり降りる.となりのスキー場へ飛び込むような景色.
気がつくと兄(小5)はついてきたが,母と弟(小2)が降りてこない.そういえば,弟だけ斜面の反対側を滑っていたな.
上を見上げる母が誰か青年と話している.あれっと思って斜面を登りかけたが,まもなく母弟とも降りてきた.が,弟の動きは明らかにおかしい.
どうも,ボーダーの青年と激突したらしい.
母があっと思ったときは,弟はスキーがとばされ,本人もころころところがっていたらしい.
あとで弟にきいたが,滑っていて前にはボーダーはおらず,後ろからぶつかられたらしい.ボーダーも背中−お尻から弟に衝突した様子.リフト乗り場近くにあるジャンプ台に向け加速していたのだろうか?
それにしても自分が見えない方向に進んでくるボーダーという生き物は!!

レストランでしばらく休んだが,本人は大丈夫といいながらも横になりたがる.
こりゃだめだとパトロールに出向く.話をすると病院の場所を教えてくれた.「ここはCTもありますから」
すぐゴンドラで下山して病院に向かう.弟は母に抱かれてみるみる意識を失い眠ってしまった.

医院につくと,母は押取り刀で弟を抱きかかえてお医者さんに入っていき,父と兄は残された.やはり緊急事態は母の出番.
ひざしが暖かいくらいの日だったが,その間にも次々患者さんがやってくる.近隣のスキー場から集まってくるのだろう.中の待合室も満員.
三角巾で手を吊った人,わき腹をおさえたひと,マウスピースをかまされ,顔面を冷やしているひと,もちろん,足にぐるぐる巻きの包帯をまいたひと.医院の受付では,車が入るたびに青年がそとを覗い手助けに出てくる.からだをささえてあげながら「どうしましたか?松葉杖いりますか?車椅子準備しますか?」って.
兄曰く,「ここにいると,だんだんスキーしたくなくなるね」

幸い大した事はなく,そのまま自宅へ帰ることができた.
弟は自宅までの4時間眠りつづけたが,自宅につくと久しぶりに目覚めた.
父母は,男の子だし多少のケガはしょうがないと思っているが,自宅に帰って顔色が戻ってきた弟をみて安心.
後日,時々頭が痛いというときがあるので地元の病院でも検査してもらったが,問題なしということだった.

ついでに,それを口実に体育の授業をさぼっていたのも父母に発覚!

さて2ヵ月後.
それから2度ほどは地元のスキー場へはいったが,もうスキーも終わりということでまた泊まりでスキーに出かけた.
朝スキー場について,ヘルメットをかぶりながら弟はいった.


「もしぼーだーが寄ってきたら,これで頭突きしてやる!」

ようし,その意気!その意気..

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ゴンドラに乗って"営業"をするカーネルおじさん.ゴーグルはしているが,一日券はつけていなかった.
一日この姿で営業していた模様.おかげでゲレ食のケンタッキーはいつも盛況.

それにしても,ゴンドラに座っていきなりこの姿が目に入ってくるとかなり驚く.