祖父の遺品

夜,智(小3)が社会科の宿題のことを話しにきた.

「ねえ,なんかおうちに使わなくなった古い物ない?」

帰宅しておじいちゃんおばあちゃんに話したら,さっそく出してきてくれたのが「豆炭あんか」.
豆炭に火を起して入れてもらって,お昼寝は一緒に寝たらしい.それは,明日学校へかかえていくという.

智:「なんか,ちがうもんもないかなあ?」
父:「じゃ,智はおうちにある使わなくなった古いものってどんなものがあると思う?」
智:「5インチのフロッピーディスク」  
父:「!」

ついきのうまでまで使っていた,まだまだ捨てれないと思っていた5インチFD,確かに我が家にはもう使えるパソコンはない.
子供のなかではもう遺物なのか,そんなこと感心しながら初期化して一枚渡してやった.

智:「○○クンは昔のお金を持ってくるんだって.うちもなんかないかなあ?」
それを聞いて,はっと思い出した.

panpa父が智くらいのころ,祖父に倣って切手あつめてたっけ.
祖父は,遊びに行くたびにスタンプ帖から1まい,2まいとぬいてくれていたが,あるとき,祖父は自分のスタンプ帖を開いて,たくさんの切手を私にくれた.

無造作にぬきながら「これ,みーんなオマエにやっぞ.(やるぞ).」とつぶやいていた.
ええ〜って驚きながらその横顔をみていたのを覚えている.


父:「おとうさんがおとうさんのおじいちゃんから貰ったんだよ」と話しながら,スキャナーで取り込んで智に渡してやった.
智:「ねえ,これいつごろのもの?」
ひとしきり説明をきいてから,うれしそうにかばんにしまっている.

その姿をみながら,今は亡き祖父母にひそかに感謝する.

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