芳の入院

夜,母から会社に電話.
芳(幼年中)がちょっとしたけがで入院するという.
「どうしてけがをするのはいつも芳のほうなんだろう?」と思いながら荷物をもって病院へ駆けつけると,彼はもう点滴をしながらぐっすりと眠っていた.
今はもう落ち着いてはいるが,日中は病院を回ったり,造影剤の点滴でもどしたりとちょっと大変だったらしい.

さて,母と相談して,今夜と翌日の付き添いは父がすることになった.
いつもなら父と寝るのはいやがるのだが,今日はもう眠りの中.点滴チューブのじゃまにならないようにベットで添い寝した.
回診の看護婦さんは子供の横で熟睡してしまっているオヤジにはおどろいたかもしれない.

外が明るくなってきてうとうとしていると,芳に「おしっこ」と起こされた.
点滴チューブがついているぶん,「自分はけが人と」と自覚はしているようだが,もう元気な様子.
さっそくとなりのベットのお友達のところに,肌身はなさずつれてきたぬいぐるみを挨拶にいかせている.
回診の看護婦さんも,「熱もないし,顔色もいいから大丈夫みたいだね.」 ああ,よかった と安心する.
食事もしっかり食べて,ゆうがたなど,「はらへったあ〜」とうそぶいている.

幸い大事には至らず,数日で退院できた.
点滴チューブがとれると,もう鎖をはずされた犬のように走り回っている.
いろんなひとに心配や迷惑をかけたが,男の子のこと,ちょっとしたけがはつきものだろう.
何事もなく元気でいてくれるのがのが一番いいのだが,父は思わぬところで丸一日子供と過ごせたことが,ちょっとうれしい.

 

 

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