松原湖高原オートキャンプ場

毎年だんだんと出かける時間が思うに任せられなくなる.
ことしは休日の関係でもう花火が見られない.一度家を出るが,知り合いの弔事の連絡にUターン.
それでもあそこにいきたいと,夜の高速を松原湖を目指す.

休み休み高速道路を走り,佐久IC手前のSAで仮眠し,朝,小海町着.
例のパンやさんの開店にはまだ早く,先にサイトを組み立てることとした.
まだお盆の混雑時期ではあったが,それでも管理棟近くに広々とサイトを構築.涼しい風の中で一仕事してから,パンやさんに戻って朝食.

ことしは例年とパターンを変えて,うしろの山の向こう,蓼科を目指した.
再び山道を登りはじめ,麦草峠を目指す.峠までは白樺の林を縫い,峠の向こうは低い草原を,やがて別荘地の中を走り抜ける.
運転するには,真っ青な空と高原の緑と遠くの山の深緑のコントラストは楽しいが,蛇行の多い道は同乗者にはちとつらいか.

ピタラス蓼科ロープウエイの山麓駅までは約1hr強.
少し歩こう,ということでここを目指したのだが,ロープウエイでいざ登ってみると,坪庭は景観は楽しめるものの,歩くにはちともの足りず,人も多く流についていくだけ.ちょっと折れてみよう,ということで,北横岳の登山道に入ってみる.

そんなに遠くまで来るつもりはなかったのだが,弟(小3)が皆を置いてぴょんぴょんといってしまうのに引っ張られ,溶岩の丘からのくだりの道はいつしかつづら折の登りになる.
もうしょうがないっと山道を登リ始めるがまもなく後姿も見失ってしまう.実は彼は数日まえに脳震盪を起こして病院に一泊しているのだが,ピョンピョン
と石のごつごつした山道を登リおりする後姿にはらはらする.もちろんそれでもキャンプにつれてくる親も親だが.
父は荒い息で追いつくこともできず引き離されるばかりなすすべはない.もう気のすむところまで行かせてみよう.

つづら折りの山道がとぎれ,山の中ののぼりをはあはあ登ると北横ヒュッテが見えてくる.
ここで,家族4人が合流.ひとやすみして兄(小6)はもう下山するといい,弟はさらに上を目指すという.しかたがないので,母は兄に,父は弟についてさらに先を目指すこととした.
山道はのぼりがやや険しくなり,やがて森の中から出ると,目の前に山頂が見えてくる.頂上からは運良く八ヶ岳のぎざぎざの眺望が楽しめた.下山もやはり父はおいてきぼり.弟はあいかわらずうさぎか何かのように山道を下っていき,折り目折り目で涼しい顔をして父を待っている.

標高2000m以上の涼しい空気を浴びたからだには,蓼科の高原の空気さえしっとりと感じる.少し下って庭園を見学したあと「遺跡の湯」で入浴し再び山越えしてキャンプ場に戻る.
我が家はランタンを3つ使っているのだが,そのうちのひとつが点灯しなくなっていた.ガスを吸い込んでいる様子もないので,どこかが詰まったのだろう.子供たちに窮状を伝えるとおのおのがカバンの中から小さな電池のランタンを出してきた.おかげで今回のキャンプはタープのなかはキャンドルサービスのようににぎやかになった.
夕食は焼肉にシチューにたたき.それにもちろんここではとれたてのとうもろこし.暖かいシチューはすぐに売れてしまった.
暑い夏だということだったが,炉の火を落とすとずいぶんと寒い.天気予報に従いタープの雨対策をし,早々に眠る.そういえば,父は充分寝不足だった.

翌日は天気予報どおり雨の朝になった.今日の日程を尋ねると,兄は蒸留所に行こうといい,母はアウトレットモールにいきたいという.さすが何度も来ると雨の休日の過ごし方も即答される.蒸留所は何年も続いたということで,午前はワイナリ−に変更.寒いので朝食はふもとのパンやさんで食べることにして山を降りだす.

サントリ−の登美の丘ワイナリーも実は3年前にも来ている.そのとき雪印のワイナリーにも寄ったのだがことしはどうなっているのか気になっていた.社名は変わってはいるが,ワイナリーはおいしいチーズとともに健在だった.

登美の丘ワイナリーは,神秘的なセラーの見学と,ブドウ畑の丘からの眺望が楽しめる.広々とした光景が爽快だが,残念ながら南甲斐の山々はくもの中だった.
アウトレットモールでは家族中Gパンを買ったが,父はサイズが昨年夏よりも3inch小さくなっていてちょっとうれしい.兄はもうおとなサイズをかうようになってしまった.

キャンプサイトは雨上がりとあって,昨夜よりも寒い.今夜はテントの数も減ってきた.
夕食は焼肉にアウトレットモールで買ったソーセージ,やっぱりとうもろこしにポトフ.ワイナリーで買ったワインも飲む.
父は母と子供たちはテントに入ってからしばらくは本を読んでいたが,昨夜同様,眠ったと思っていた兄がテントを出てきてしばらくイスにすわりにきた.しばらく話をして寒いねとシュラフに潜り込む.

翌朝は早めに帰ろうと早々に撤収を始める.今日も天気予報どおり好天になった.木漏れ日がまぶしく,撤収するのがもったいないくらい.本当ならテントやタープをパリッと乾かしていきたいのだがやむ負えない.
荷物を積み込んで,一度野辺山高原を登る.

収穫の季節の高原の景色は何度見てもわくわくする.畑は作業が忙しそうだし,レタスや野菜を満載したトラクターが行き交う.雨上がりのせいなのか,ことしは八ヶ岳が全容を見せてくれた.こんな景色のもとで生活したら,些細なことなど忘れてしまうだろう.

果物や野菜,いつものヨーグルトも買って再び北上.途中南相木村「滝見の湯」で入浴して家を目指す.佐久甲州街道を北を向いて走ると,こちら側は浅間山の全貌が美しい.
昼食には高速道路の手前で例の釜飯を食べ,早々に帰るつもりがやっぱり夜の帰宅となった.

松原湖高原オートキャンプ場

猛暑で始まった04年の夏でしたが,高原は雨に降られたせいもあって肌寒いほどに涼しく過ごしました.
キャンプ場から蓼科方面へは,カーブは多いものの快適な国道を1hrあまり.坪庭から北横岳に登れたのはかなり得をした気分.しかし,帰宅してから山頂はもう少し向こうに見えたピークだと知り,悔しく思いました.

何年もここに通って初めて八ヶ岳の全容を見ることができました.
また雄大な景色に会いにいきたくなりました.


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