夢の森うさぎ

連休のキャンプは八百万の神の国出雲を目指した.
「どうして神話の国なの?」と子供たちに聞かれても,父答えられず.スサナギ・スザナミから始まるのか,大国主命から始まるのか?父はおまえたちの年には「古事記物語
(少年向けの本)」ぐらい読んでいたが,今の時代にははやらないのか?ま,いいか.

日曜の朝,好天を出発.
最近なぜか少しだけやせた父は,しばらくはけなかったワンサイズ小さいGパンを履いてみた.
無理なく履けて,すこぶる気分がいい.このキャンプはこのGパンで通してみよう.
敦賀から舞鶴若狭道小浜西ICを目指す.予想どおり舞鶴若狭道−神戸以西の中国自動車道は渋滞なし.
Gパンのおかげか,お天気のおかげか快適なドライブ.
しかし,米子方面に折れてからは渋滞につかまった.ようやく抜けて遅れを取り戻そうと必死で走っていると,気がつくと正面に大山のぎざぎざの姿が迫っている.

結局渋滞の遅れが響いて,今日は買い物をしてキャンプ場に入るだけになった.まあ,連休だからしかたがない.

キャンプ場について新しいタープを立てていると,隣の姉妹が遊びにきた.「ねえ,どうしてそんなにタープが大きいの?」
言ってくれるなよ,父も今そう思って後悔しているんだから.天井が高くて,なんとなく落ち着かず.
ようやくサイトが定まって,焼肉(ステーキ),ポトフ,サラダ 他の夕食.
このころから風が強くなってきた.天気予報が下り坂とはいっていたが,こんなに強い風は計算外.
子供たちと母がテントに入ってからしばらく起きていたが,2度ほどタープのペグが抜ける.
父は「今日は飲んでやるぞ!」とワインをあけたが,疲れからかあと一杯が飲めず空にはならなかった.

朝になっても風は弱まらず.結局タープの柱を別に持参した少し短いい物に替え,風上の方はヘキサタープのようにペグダウン,タープの穴という穴にロープをつないで,これでもかというほど補強する.子供たちは遊具の方に遊びに行ってしまう.朝食はスパゲティ.

山を越えると
出雲大社.
子供たちは大きなしめ縄にお賽銭をはさむのに余念がない.
彼らは縁結びの神様の前で何を祈ったか?しかし,母が子供たちに買ってやったのは「学業のお守り」
出雲大社の周りや旧JR出雲大社駅を散策し,今度は名物という「あごのやき」(かまぼこ(ちくわ?))をかじりながら国道9号を西に石見銀山を目指す.海岸線は相変わらず風が強い.
余談ながら,島根は皆交通マナーよろし.父にとって制限速度は表示+10kmほどだが,ここでは皆最高速度は絶対超えない.こちらも しゃあないか,とのんびり走る.

江戸時代に栄えたという石見銀山は,坑道のとおりぬけと古い町並みを楽しむことができる.
思ったより狭い坑道には,昔の人夫さんの苦労がしのばれる.五百羅漢の不思議な光景と古い町並みを歩いて,出雲に戻る.2kmほどの散策.

入浴・買い物をしてサイトに戻る.
今日の夕食はステーキ,焼肉,シチュ−,サラダ,さざえ.4枚1000円(夕方でさらに半額!)の輸入肉も炭火で焼くと充分おいしい.
風は相変わらず激しく,今夜は雨も本格的になってきた.
朝の補強のおかげでタープが倒れる心配もなく,昨日不評だった大きすぎるタープも今夜は面目を保つ.
子供たちと母がテントに入ってから,父は今夜も飲んでやるぞ状態だったが,昨夜よりも寒くあまり進まず.その代わり,ひとりCD聞きながら本を読む.

一晩続いた激しい雨と風は,テントマット下の床と,毛布の一枚をずぶぬれにした.しかし,彼が吸い取ってくれたおかげで大きな被害には至らず.テントの中だけ片つけて朝食を食べ,気合をいれて雨中の撤収.ここも大きなタープが面目を施す.結局,この日も雨風の一日で,このキャンプで好天に恵まれたのは移動に費やした初日だけだった.ぬれたものをジェットバックとアイスボックスにつめ込み,キャンプ場を出る.

キャンプ場から南へ直進して山越えすると出雲大社だが,西へ向かうと日御崎.こちらは山越えと違って2車線の快適な道.日本一の高さという灯台にのぼり,経島というウミネコの繁殖地まで散歩.大きな岩の島には無数の白い点が見える.ここへはお天気のいい日に来たいと思って先延ばしにしていたのだが,結局雨の中になった.

出雲平野に戻って島根ワイナリー,宍道湖自然園ゴビウス,松江フォ−ゲルパークと遊ぶ.
フォ−ゲルパークは大きな3棟の温室内に花壇・植物園と野鳥園が合体したところ.華麗に咲き乱れる花々とふくろうや多くの鳥たちを楽しむことができる.大きなふくろうが音もなく飛ぶ姿は惚れ惚れする.
宍道湖温泉側から松江市内に入り,旧市街地(松江城周囲)を一回りする.
まだいくつかのところは見れそうだと車をとめ,小泉八雲記念館と武家屋敷を見る.子供たちは小泉八雲は知らなかったが,「耳なし芳
一」は知っていた.

もう遅かったのでどこかで一泊して帰る手もあったが,日中は道が混むと考え夜走って帰ることにした.
予想通り,米子道−中国道は渋滞なし,名神との合流から京都方面の渋滞情報がでていたので,帰りも舞鶴若狭道を北上.いつもながら連休とは思えない空き様.帰りの所要時間は6時間弱.
実はこのキャンプにはもう一回り大きいGパンも持参して不測の事態の備えたのだが,幸い最後まで出番なし.
が,ズボンをずりあげるとおなかがちょっと引っかかると感じるようになったのは気のせいだろうか?

夢の森うさぎ

この名まえから場所を連想できる方は地元の方以外にはなかなかおられまい.
出雲大社の後ろの山脈をまっすぐ海側に越えた静かな漁村にあるコテージ/キャンプ場.出雲大社の本殿前の細い道がそのまま山越えの道になります.もし,一車線の山道が苦手なら,日御崎に向かい,岬直前を鷺浦方面へ向かうと全線2車線の道です.
海に行き着いた漁港を通り過ぎた山の斜面にコテージ/キャンプ場があります.オートキャンプサイトは10ほど.
サイトは芝,各サイトに流しあり.遊具もあってこどもたちにはよかった.
キャンプ場にはシャワーのみ,おふろは出雲平野側・出雲市付近に多数.買い物も山越えをする前にすませてくること.
便利で静かな,手入れの行き届いたキャンプ場でした.

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