96   寒 山 拾 得  (かんざんじゅっとく)



画題や銘などに使われることがある人物名です。
寒山と拾得は中国・唐時代の伝説的な僧で、生歿年不詳、豊干に師事したと伝えられる。
筆と巻紙を持っているのが寒山で、巌窟に住んで詩を書いた。
いつも箒を持っているのが拾得で、寺の掃除や賄をした。
豊干禅師が拾ってきたのでそう命名したという。
拾得は寒山の分身とされ、二人は飄逸な姿で自由奔放、奇行が多かったとされるが、終生無垢な童心を失わず、俗世を厭い天台山国清寺に住んだとされる。
その詩は「三隠詩集(寒山詩)」に収載。宋時代以降、禅僧に好まれ、画題として数多く採り上げられてきた。
日本では、寒山は文殊菩薩の、拾得は普賢菩薩の化身とされてきた。

参照

原色茶道大辞典         淡交社