59  出雲焼について

  【布 志 名 焼  (ふじなやき)】

島根県八束郡玉湯町布志名の陶器。
明和元年(一七六四)舟木与冶兵衛の創始したとの説がある。
当時の陶工は土屋善四郎で、松平不昧の命でこの地に器を焼いた。
これを一般に出雲焼と呼んでいる。
寛政二年(一七九〇)沢嘉介秀勝が業をはじめ、同五年土屋善四郎が新たに窯を起こし、同十二年沢藤右衛門義直、享和二年(一八〇二)永原与蔵、文化より文久(一八〇四〜六四)にかけて、舟木九蔵・福島幸助・舟木平兵衛・福島又兵衛らが開業した。
製品ははじめ非常に粗悪な陶器であったが、文政(一八一八〜三〇)ごろ次第に改良が加えられ、天保以後製法の進歩により、黄釉・白釉・青釉・鉄絵・錦文様なども産した。

※出雲焼(いずもやき)…出雲国(島根県)産出の陶磁器の総称。 
楽山焼・布志名焼・意東焼・母里焼など。


参照文献

 『原色茶道大辞典』     淡交社
「やきもの事典」     平凡社
「茶道具の基礎知識」 野村瑞典 著 光村推古書院