bP7 蓋 置 


はじめ蓋置は台子皆具の一つとして、建水の中に仕組まれていました。 その後独立した道具として別途に作られるようになり、唐銅皆具の写しから始まり、さまざまな形が生まれ金属(唐銅・南鐐・鉄)、陶磁(青磁・染付・国焼・樂)で作られるようになりました。

蓋置の形 昔からの形としては「七種蓋置」があります。
○火舎 … 火舎香炉といい、最初は小さな香炉の転用品。         
火舎とは香炉の蓋のことです。    蓋置の中ではもっとも格のあるものとされています。
足のついた香炉形で蓋には透しがあり摘みがついています。
○五徳 … 炉に使う五徳の形。         
五徳を使わない時(釣釜・透木・切合せ風炉)に使う。
○一閑人 … 井戸覗きともいわれる。         
変形としては人物のかわりに蛙・獅子・龍がついている場合もある。
○三人形 … 三閑人ともいわれ、人物が三人外向きに手をつないで輪になっている形。
三人の内、一人の衣装が異なっていてそれを正面にして扱 う。
○栄螺 … 本物の栄螺貝を使ったものを写した。 飾るときは伏せて使い、蓋を置くときには口を上に向ける。
○三つ葉 … 三つ葉を上向きと下向きに合わせたもの。
上の葉が小さく下の葉が大きいが、使うときには下の大きい方を上にする。
○蟹 … 蟹の形をした墨台・筆架を転用したもの。

その他
○印 … 足利義満が所持していた臨済禅師の銅印を転用したのが始 まりとされます。
○駅鈴 … 馬につける鈴のことで、ドーナツ形。
○糸巻 … 糸を紡ぐ糸枠の形。
○夜学 … 夜学をするときの灯具の形。
○つくね … 手づくねからきたもので、厚造りで中心の穴が小さい。


 参考文献

千宗左監修 千宗員編 「江岑宗左茶書」  主婦の友社
千宗左 著「茶の湯表千家」    主婦の友社
野村瑞典 著「茶道具の基礎知識」光村推古書院
                           


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