第7集 明治村





    第1章 明治村

   明治村

近代化足跡残す明治村妻と廻りて当時を偲ぶ

青空に映えたる白き建物は近代化への機関車となり

コロッケを口にほおばり村廻る日差しあれども風は冷たき

この村に不思議と合いしカレーパン一つを妻と分け合いて食う

開園も月日久しの明治村休日なれど人まばらなり

明治村博物館に衣換え国の管理で保存すべきよ

   明治村の2

厳かな古き教会椅子座り心静かに祭壇を見る

教科書に文字で記された算術は今の吾にも理解が出来ず

漱石が住みたる家の縁側で猫を聞きつつ俳句を作る

師範校復元されし教室の机のフタに見覚えがある

教壇に置かれた理科の教材で当時の学生何を学びし

西郷のおじが使いし洋館はまるでハワイの宮殿なりし

   雪逃れドライブ

暮れからの福井の雪に飽き飽きし妻と二人で表へ走る

山深き刀根の峠を通り抜け木之本出れば雪もまばらに

浅井家の本拠地となる奥琵琶湖大河ドラマで陽の目が当たる

休憩に賤ヶ岳のパーキング姫キャラつけたみやげが並ぶ

雪も無く日差し満開岐阜市内クルマの中は春も同然

窓越しに北の山並み眺めれば黒き雲にて覆われている

   マザーボード新調

何台もパソコン乗り継ぎ来た俺もマザー買うのは初の経験

アスースはマザーボードの最大手買った後に調べてわかる

ローエンド最小限の機能でも自分にとっては夢のモデルよ

再使用予定のメモリやCPU5年も経てばマザーに合わず

店員の勧めのままに購入すマザーにメモリにCPUに

とりあえず修理のはずの我がPC事情変わりて最新鋭に

   アプリケーション

往年のワードエクセル手放せぬ10年経っても機能劣らず

デジカメの画像いじれるフォトショップこれが無くては身動き取れぬ

元言えばシンクパッドの付属品ビルダー無くてはページ作れぬ

付属品ビデオスタジオありがたしハワイのビデオもこいつで作る

その当時オマケばかりのソフト群今となっては宝のディスク

   フリーソフト

よく使う画像閲覧スージーもフリーソフトの定番ソフト

フリーでも信頼できる奴があるメールソフトや閲覧ソフト

世の中にマイクロソフトいなくても何とかなるかリナックスなら

カードにて動画が見れるゴリラナビフリーソフトで変換すれば

フリーにて日常作業がまかなえるこんな時代を誰が予想す

   パソコンその後

憧れの手作りマシン手に入れるマルツ電波の手を借りながら

店員の勧めのままに組み合わせ組み立て済めばハイ出来上がり

ローコストなれど中身は一流品マザーも石もトップの会社

電解のコンデンサーは使わずに耐久性もつボードになりし

映像も難なくこなす底力今度のマシン頼りになりし

起動時のマザーのロゴが頼もしくそれを見たさに画面先に付け

よく聞けば少々うるさいファンの音用事済ませて電源を切る

黒っぽいタワー型なる本体は電気科卒のプライド満たす

自作機に沸きし心の愛着は自分で作った木工に似る

   鉱石ラジオ

工作の鉱石ラジオ懐かしく年甲斐もなく吾買い求む

説明書部品眺めて悦に入る夕食後のお茶を飲みつつ

照明や道具揃えて取り掛かる準備万端小さなラジオに

丁寧に部品取り付け半田ごて至福の時間もあっという間よ

さっそくにアンテナ付けて耳澄ますイアホン付けてバリコン回し

電池なくトランジスタもないラジオ 聞こえる声は意外に聞ける

ベッドにて早朝ラジオ都合よくイヤホン当てればそのまま聞ける

シンプルな仕組みで同調不安定 頭動けば局も変わりし

  雪の休日

玄関の前に二つの雪だるま親父の車に自分の車

車庫の前除雪に励む吾が息子ママさんダンプ縦横使い

苗箱や米を運びし軽トラも雪を載せれば除雪の道具

丁寧に隣家の兄貴除雪するスコップ使い車庫の前だけ

夕食の支度聞きつつ酒を飲む休日ゆえの至福の時間

一番の酒の肴は吾が焼く砂糖醤油の身欠ニシンよ

日本酒も湯割り焼酎ワインでもスルメ一切れ最後の仕上げ

冬越しのハイビスカスの黄色き葉新芽待たずに役目を終える

   地デジ化

親しんだブラウン管の古テレビ半年経てば放送止まる

地デジ化と世間騒ぐが年寄りは不安ばかりでハードル高し

孝行のつもりで親連れ電気店帰りのクルマにデジタルテレビ

テレビとて機能多くて戸惑いぬ戦前生まれの老親なれば

気になっていたこと一つ解決し老親部屋のデジタルテレビ

   車の雪下ろし

雪だるま暮れから続きキャンパーの雪下ろさねば積載オーバー

キャンパーの屋根に登りて雪下ろすこんな姿は誰が想像

つるつるとキャンパーの屋根良く滑る落ちて怪我など形にならぬ

キャンパーの想定外の雪下ろし雪国住みたる宿命なりか

絶好の駐車場なる高架下国の仕分けで追い出されたり

   松江の天気

テレビでは北海道から松江まで日本海側雪降り続くと

遠けれど気候も風土も良く似てる山陰松江と越前福井

雲おおい湿度高くて住みやすく松江も福井もおっとり過ごす

   新しいリナックス

MSとマックに隠れるリナックス日陰の身なれど明日が見える

アフリカの出身なりし創立者 世界のためとウブンチュ作る

世界にて支持者を増やすその理念無報酬なる開発進む

無料とてダウンロードに手間かかりCD付きの冊子を求む

一枚のCDのみで起動するワードブラウザ皆んな込みにて

王者なるウインドウズには見劣りも日常使いは許容の範囲

システムに手軽に入れるリナックス知ったる人には重宝される

お手軽にフリーソフトが手に入る誰もが使える未来の形

一社にて独占される社会では企業のエゴに振り回される

多少とも使いにくさは残せどもフリーOS健全なりし

   1歳半の孫

手を合わせ「ごちそうさま」をする孫が家族みんなの笑いを誘う

「アー落ちた」孫の覚えし初言葉食事のときに連発したり

手を上げて抱っこをねだる聡一朗場合に分けて相手を選ぶ

せんべいを両手に持って食べる孫保育園にて覚えしものか

母方の爺からもらったブロックを縦に積み上げ悦に入る孫

フォークで自分で食べると聡一朗母の箸には首横振りて

お出かけの間は静か家の中孫の居ぬ間の洗濯をする

   恒例の会

恒例の6,7班の新年会お迎えバスにだれも遅れず

地元では新年迎える気にならず遠くはなれた割烹使う

割烹の洒落た料理に舌つづみ田舎の魚屋勝ち目が薄し

宴進み今年の幹事の新趣向六十路おやじが座布団ゲーム

年一度奥方集まる宴会は家族や地域の話題で過ぎる

冗談や駄洒落が飛び交う宴会は年に一度の親睦の会


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