ここは朽木    Yanoman 詞  KAZU 曲


山深い細い一本道を           

ガタゴトゆられて車は走る

秋風にススキもゆれて虫の声が聞こえる

 ここは朽木 木地の郷

 小さないおりに村人二人住む

 なんにもないけど なんにもないけど

 川のせせらぎ 木々のざわめき

 

子供五人を育てた山は

今日も変わらずそびえたつ

さぞかし雪もふるんだろうな おじぞうさんのある小道

  ここは朽木 木地の郷

  小さないおりに村人二人住む

  なんにもないけど なんにもないけど

  風の笛に鳥のささやき

 

若いころから肌身離さず

弾き続けた三味の音が

澄みきった山の空気にしっとり響き渡る

  ここは朽木 木地の郷

  小さないおりに村人二人住む

  音頭とるには三味の音

  調子合わせて三っ拍子

 

  ここは朽木 木地の郷

  小さないおりに村人二人住む

  なんにもないけど なんにもないけど

  川のせせらぎ 木々のざわめき

 

     なんにもないけど なんにもないけど

     川のせせらぎ 木々のざわめき

 

         なんにもないけど なんにもないけど

         川のせせらぎ 木々のざわめき

 

                  なんにもないけど なんにもないけど

                  川のせせらぎ 木々のざわめき


 ここは朽木村の木地山。三味線を弾いて音頭を唄う平楽鉄之助じいさんがいる。94才とは思えない元気で艶のある声で音頭を聞かせてくれる。大屋根の上に登って雪下ろしをしているのは、86才のおばあさん。まあ、元気なこと。ぼくが遊びに行くと、春にはふきでつくった「ちんちんぐるま」(水車)を小川に仕掛けておいてくれる。まるで少女のようなおばあちゃん。この村もやがてダムができて、水の底に沈むらしい。おじいさんの三味線の音も聞こえなくなる。おばばちゃんの水車がカラカラと回る。時間が自然に流れてゆく。おじいちゃんとおばあちゃんの村。
平楽鉄之助さんを迎えて、山の家で2回「とちもちコンサート」をしました。記録ビデオもあります。
Yanoman(やのあきら)

 関西を中心に活躍中のフォークシンガーです。「豆腐屋さん」「はらっぱ」など、街を歌い、「風にのってfrom 神戸」は、阪神大震災の直後作った曲。希望をもって生きる勇気を歌い続けています。子どもの歌のレパートリーも多く、「仲間はたから」は子どもが審査する童謡コンクールで最優秀賞に輝く。