上野殿御返事

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上野殿御返事建治三年七月十六日の概要

【建治三年七月十六日、南条時光、聖寿五十六歳、真筆−完存】 
むぎ(麦)ひとひつ(一櫃)、かわのり五条、はじかみ(薑)六十給ひ了ぬ。
いつもの御事に候へばをどろかれず、めづらしからぬやうにうちをぼへて候は、ぼむぶ(凡夫)の心なり。
せけん(世間)そうそうなる上、ををみや(大宮)のつくられさせ給へば、百姓と申し、我が内の者と申し、けかち(飢渇)と申し、ものつくりと申し、いくそばくいとまなく御わたりにて候らむに、山のなかの
すまゐ(栖居)さこそと思ひやらせ給て、鳥のかい子をやしなふが如く、灯に油をそふるがごとく、かれたる草に雨のふるが如く、うへたる子に乳をあたふるが如く、法華経の御命をつがせ給ふ事、三世の諸仏を供養し給へるにてあるなり。
十方の衆生の眼を開く功徳にて候べし。尊しとも申す計りなし。あなかしこあなかしこ。恐恐謹言。
七月十二日  日蓮花押 
進上  

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