南条殿御返事
| 南条殿御返事建治二年三月十八日の概要 【建治二年三月十八日、南条時光、聖寿五十五歳】 いも(芋)のかしら(頭)･河のり(苔)･又わさび(山葵)一一人人の御志承はり候ひぬ。鳥のかいこ(卵)をやしなひ、牛の子を牛のねぶるが如し。 夫れ衣は身をつつみ、食は命をつ(続)ぐ。されば法華経を山中にして読みまいらせ候人を、ねんごろ(懇)にやしな(養)はせ給ふは、釈迦仏をやしなひまいらせ、法華経の命をつぐ(継)にあらずや。 されば必ずよみ(読)かかねども、よみかく(読書)人を供養すれば、仏になる事疑ひなかりけり。 経に云く「是の人仏道に於て決定して疑有ること無けん」。南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経。 建治二年三月十八日 日蓮花押 謹上、 橘三郎殿･太郎大夫殿、一紙に云云、恐れ入り候。返す返すははき(伯耆)殿読み聞かせまいらせ給へ。 伯耆)殿読み < |