孝子御書

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孝子御書の概要

【弘安二年二月二十八日、池上宗長、聖寿、真筆断存】 
御親父御逝去の由、風聞真にてや候らん。
貴辺と大夫志の御事は、代末法に入て生を辺土にうけ、法華の大法を御信用候へば、悪鬼定めて国主と父母等の御身に入りかわり怨をなさん事疑なかるべきところに、案にたがふ事なく親父より度度の御かんだう(勘当)をかうほらせ給ひしかども、
兄弟ともに浄蔵(じょうぞう)・浄眼の後身か、将た又薬王・薬上の御計らいかのゆへに、ついに事ゆへなく親父の御かんきをゆりさせ給て、前にたてまいらせし御孝養心に任せさせ給ひぬるは、あに孝子にあらずや。
定めて天よりも悦びをあたへ、法華経・十羅刹も御納受あるべし。
其の上、貴辺の御事は心の内に感じをもう事候。此の法門、経のごとくひろまり候はば御悦び申すべし。穴賢穴賢。
兄弟の御中不和にわたらせ給ふべからず、不和にわたらせ給ふべからず。大夫志殿の御文にくわしくかきて候。きこしめすべし。恐恐謹言。
弘安二年二月二十一日  日蓮花押 

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