寿福寺への御状
| 寿福寺への御状の概要 与寿福寺書 【文永五年十月十一日、寿福寺侍司、聖寿】 風聞の如くんば蒙古国の簡牒、去る正月十八日慥に到来候ひ畢ぬ。 然れば先年日蓮が勘へし書の立正安国論の如く普合せしむ。恐くは日蓮は未萠を知る者なるか。 之を以て之を按ずるに、念仏･真言･禅･律等の悪法一天に充満して、上下の師と為るの故に、此の如き 法華不信の失に依て皆一同に後生は無間地獄に堕すべし。早く邪見を翻し達磨の法を捨てて、一乗正法に帰せしむべし。 然る間方方へ披露せしめ候の処なり。早早一処に集て御評議有るべく候。委くは対決の時を期す。恐恐謹言。 文永五年十月十一日 日蓮花押 謹上 寿福寺〈侍司御中〉 |